今日の夜から荒れた天気になるらしい。それでも、通りがかりの近所の畑で、コマツナかツボミナか判別できないが、早くも野菜畑に黄色い花を咲いていた。知人と話したが、もうフキノトウが出ているという話になった。いくらなんでも福寿草はまだ咲かないだろうが、昔元日草と呼ばれていた。これはこの花が旧暦の元日ころに咲いたので、こんな呼び方をされたらしい。そのためか、福寿其の鉢植えを、正月の床の間を飾る習慣もあったらしい。名前から新年を寿ぐにふさわしい花である。夏目漱石の句に
光琳の屏風に咲くや福寿草 漱石
というのがある。漱石の好みは、薔薇や牡丹などの華やかなものではなく、木瓜や菫、この福寿草などそそとした、つつましやかな花を好んだ。正月に実物の福寿草がなかったのであろう。光琳が書いた屏風の福寿草を、座敷の飾りに置いた。
こんな陽気の日が続くと、フキノトウやオオイヌノフグリ、水仙、福寿草などが顔をのぞかせる悠創の丘の春が待ち遠しい。