暦の上では、今年は20日に大寒を迎える。一年で一番寒い季節だ。ここ10日ほど居座っていた寒気がようやく峠を越し、少し緩んでいる気がする。20日から週末にかけて、再び寒気の張り出しがありそうで、大寒が去っていくのを身をこごめてやり過ごすしかない。唐の詩人杜甫は、暖かいはずの南方の四川州で雪に降られ、打ち震える経験を詩に詠んだ。
漢時の長安雪一丈
牛馬毛寒くして縮んで蝟の如し
楚江巫峡氷懐に入り
虎豹哀しく号んで又記するに堪えたり
牛馬の毛が針鼠のようになるとか、虎や豹が寒さに耐えられずに鳴き叫ぶ、など誇張のきいて表現をしているが、寒波を経験するとその誇張もうなずくことができる。だが、一陽来復、冬至を過ぎてひと月、昼の時間は確実に長くなりつつある。