大鳥池は朝日山地にある以東岳の北西にある自然湖である。標高963m、面積34.2万水深は平均で35mである。湛えられた水は、周囲の山にある沢水が流入し、七つ滝沢と池の斜面は、花崗岩の岩屑が堆積して、自然のダムサイトとなっている。地学によれば、今から50万年前に起きた、村山変動という、造山運動によって、朝日連峰が隆起した。その時、山地の花崗岩の崩落が起き、沢の水をせき止めたためにできた湖という説が有力である。
湖の畔には、大鳥小屋があり、朝日連峰登山の基地となっている。以東岳の頂上から池を見下ろせば、熊のなめし皮を広げたような姿をしている。沢がせき止められために、沢を遡上した海へと下ったイワナをはじめとするマス科の魚たちが、この池に封じられた格好で、タキタロウなどの巨大魚を誕生させることになった。
1917年、七つ滝沢の水門工事を行っているが、滝のあたりにダイナマイトを仕掛けて、岩盤を爆破した際、巨大な魚が二匹浮かびあがってきた。二人の作業員が持ち帰って食べたが、あまりの大きさに食べきるのに4日かかったと言い伝えれている。以来、大鳥池で巨大魚の目撃情報が相次ぎ、矢口高雄の漫画『釣り吉三平』でも取り上げられることになり、有名になった。幻の魚、タキタロウを求めて、今なお釣り人がこの池に入る。
我が山の会では、大鳥小屋に2泊して、以東岳を周遊する。降り続いた雨で、一部道が通行不能の状態であるが、久しぶりの好天に、2年がかりの計画を実行する。