常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

戻ってきた日常

2017年08月07日 | 日記


白馬へ出かける前に、咲きそうになっていたカサブランカは、切り花になって玄関に飾られている。3日行かなかった畑では、見たこともないような太くて長くなったキュウリとオクラ。取ったつもりの雑草も、背を大きく伸ばしている。しかし、胃にやさしい野菜中心の食事は、日常が戻ってきたことを実感させてくれる。山行のときは、ラッキーだと思っていた迷走台風は、高い海の水温で成長して、東海から東日本、東北を直撃しそうな形勢だ。

本棚の奥に眠っている伊藤幸司『歩く本』を取り出す。思い返せば、会社勤めをしていたころ、歩くことを生活に取り入れることを真剣に考えた時期があった。出勤前に1時間歩くことを日課にしていたこともある。何年そんな生活を続けてだろうか。その生活を続けるための刺激材として「歩く」ことをテーマに本を、何冊も何冊も買い込んだ。その継続として始めたのが山登りである。後期高齢者となった今こそ、歩く日常を取り戻さなければならない。

ブックカバーの見返しある言葉。

歩け歩け、もっと歩け

街を山をどんどん歩け

健康のために、新しい世界を見つけるために

さあ、レッツ ウォーク!

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白馬岳山行記(3)鑓温泉のご来光

2017年08月07日 | 登山


8月5日、白馬三山の山歩きもいよいよ最終日となる。露天風呂の先の雲海に赤味が増してくると、ご来光を見ようと、宿泊した登山者が集まってくる。手に手にスマホやカメラを持ち、太陽が顔を見せるのを待っている。どの山に行っても、山小屋での泊りとなれば、必ずと言っていいほど、ご来光を見ることは欠かせないことのようだ。さすがにご来光に手を合わせて拝む姿は少なくなっているが、日本人の古来からの慣習である。

明治中期、イギリスの宣教師で来日したウォルター・ウェストンという人がいるが、布教のかたわら、日本アルプスを踏破し、海外にその姿を紹介している。木曽の御岳山に登ったとき、日本人が、日の出へ礼拝する姿に出会い、その不思議な姿を『日本アルプス』と著書のなかで紹介している。

「白衣を着たそのパーティーは、うやうやしく社に近づき、熱心な祈りをあげて捧げものをした。それからその人々は社が向かっている東の方に向いた。そして黄金の光の最初の線がかすかに昇り始めたとき、太陽の女神に祈りをささげ始めた。まず第一に彼らは自分たちの願いに神様が耳を傾けてくれるように柏手を打ち、それに続いて清めの祓、つまり「清めの祈り」の聖歌を唱えた。それにまじって別の祈りを繰り返すのが聞こえてきた。この別の祈りというのは、巡礼団の一隊が登山して来る時、絶えず聞こえてくるもので、「六根清浄・御山快晴」つまり「六つの感覚が清浄ならんことを、お山が快晴ならんことを」というのである。」

白馬岳で、富士山で日本人は今なお太陽が昇り始める姿を見、自らのまた家族の健康を祈る、この風習は連綿として続いている。



今日の行程は、猿倉の登山口まで9キロの道のりを下って行く。いくつもある雪渓は、アイゼンの必要はないが、草木の背が高くなっていく中を下る。きのうまでに20キロ近くを歩いた足には疲労が蓄積している。下りが長く続くと膝に負担がかかり、ガタガタになる。私の足は、3日目の急な下りでこんな状態になっている。「靴底の摩擦を働かせ、膝と足首にクッションを効かせて下りないと駄目だ。」先輩から口がすっぱくなるほど聞かせれ歩き方のコツだが、いまだに習得できない。歩く速度を落として、転倒の危険を避けるほか、方法はない。事実、山歩きで起きるアクシデントは圧倒的に下りが多い。どんなに素晴らしい光景を目にしたとしても、最後の下りで転倒したり、怪我をしたりしては、この山行は失敗に終わる。雪渓ちかくの池塘などで咲いている花を撮影して、ゆっくりと下ることにする。


ワタスゲ


ニッコウキスゲ


キヌガサソウ


サンカヨウ

高山では、花たちは短い夏の日待って、春の花を咲き急ぐ。日当たりによって、花を終わらせて実をつけているものもあれば、春に見る花をみごとに咲かせているものある。突然、霧にまぎれて猿の一団が、我々の行動に注意を払いながら就餌しているのを見つける。草藪の手を入れて食べているのは、やわらかい草木の芽なのだろう。花も動物も鳥も、短い夏の時間を使って、自らの生命維持に余念がない。

やがて、鑓温泉への分岐にくると、猿倉の駐車場は指呼の間となる。好天に恵まれて、白馬岳の景観を堪能した3日間であった。リーダーの的確な指示、運転を担当したGさんの頑張り、初参加のIさんの強い意志、体調を崩しながら頑張りとおしたMさんの気力、そして全員のこの日に合わせて精進してきた自己管理。そのすべてが今回の山行の成功につながっている。もちろん反省することも多い。気づいた反省点を次回に生かすことができれば、チームはさらに進化する。
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