昨日の霞がとれて、山が近く見える。長くしまい込んでいた望遠レンズをつけ変えてみると、山の春景色は手にとるように見える。やはり、望遠レンズで撮るべき景色はある。こまめにつけ変えて、写真の楽しみを広げていくべきのように思える。
雨晴れて南山春の雲を吐く 夏目漱石
漱石は、はるか昔、中国陶淵明の詩「悠々として南山を見る」を意識したものであろうが、私から見れば三吉山もまた南山である。人事を忘れて、ゆったりと山の様子を見る、という人生のゆとり詠んだものだ。もののほんによると、見るは意識的にそうするのではなく、自然と見えるということと説いている。それほど、自然に包まれて、ゆったりと過ごす人生ということであろうか。