常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

満月

2018年03月30日 | 日記


陽が残っているうちに満月が出た。青空に浮かぶ満月、またとないシャッターチャンスである。日が落ちて中空に浮いた月も、滅多にみられないきれいな満月である。古人が月を愛でたのが納得できる今日の月である。遠くにいる友に知らせたくなるような月でもある。

三井寺の門叩かばやけふの月 芭蕉

推敲の故事に、「僧は推す月下の門」か「僧は敲く月下の門」のどちらにしようかと悩んだ詩人の話を題材に詠んでいる。すでに賈島の時代に敲くに軍配が上がっている。当然のことに芭蕉もこの故事にならって叩くとした。
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白梅

2018年03月30日 | 日記


スマホに登山アプリのヤマップを入れてみた。朝の散歩で、このアプリを起動しながら歩く。電池を多く消費するので、モードを機内に設定する。地図上に現在位置が表示され、軌跡が刻々と記録される。桜の開花状況は、昨日とあまり変っていない。川の向いの畑にある白梅が、青空のもとにきれいに咲いていた。スマホ写真も使ってみるときれいに写る。水仙はすっかり頭を上げて、大きなラッパを日に向けている。軌跡の上に写真を撮った場所も記録される。今、持っているガーミンは写真機能がついていないので、こちらの方が使い勝手がいい。問題は、電池の消費だ。今持っているモバイルバッテリーを増やすことも必要になる。

しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり 蕪村

春が来て、香りとともに朝が来る。蕪村はよほど白梅が好きだったようだ。死の床について、弟子の書きとらせた辞世の句である。ある評者が蕪村の梅の句を数えると50句に及ぶという。代表作を上げてみる。

白梅や墨芳しき鴻臚館

しら梅や北野ゝ茶店にすまひ取

紅梅の落花燃ゆらむ馬の糞

うめ散るや螺鈿こぼるる卓の上

梅に取り合わせている色彩に注目してほしい。墨痕鮮やかに揮毫する使節の書と白梅。北野天神の緋毛氈どっかりと腰を下ろす力士を囲む白梅の林。卓上に散った梅の花が螺鈿を散りばめた調度になる。画家にして俳人の蕪村ならでは句境である。朝日を受けて青空に開く今朝の白梅は、まさに蕪村の句境そのままの鮮やかな色彩であった。



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