射干
2018年05月06日 | 花
庭の日陰に咲いているので園芸種と思われるが、山地に自生するアヤメ科の植物である。スエーデンの植物学者ツュンベリーの命名である。この学者は安永4年に来日、オランダ商館長の江戸参府に随行し、日本に一年半滞在、日本の植物の観察、採集を行い、『日本植物誌』を著した人である。日本の初夏、日の当たる斜面にワラビ、ウドが伸びる季節、木立の影で静かに咲いているのが射干である。
ウグイスの鳴く方を
みれば深山の桜はもう散っていた
岩にしがみつく青ざめた菫 シャガの花は
むらがって霞のなかにたれていた
西脇順三郎詩集『近代の寓話』より
昨日、立夏。植物も鳥も、野でも水辺でも、生きとし生けるものの活動が活発になる。部屋の西の窓から午後の日が眩しく差し込んでくる。日よけのカーテンをつける。いつものグリーンのカーテンであるゴーヤはこれから苗を植える。