昨日の雨で、近所の桜はほぼ散ってしまった。少し足を伸ばせば、遅く咲いたところで見ることができるかも知れない。春は高気圧と低気圧が交互にやってくる。移動性高気圧というものだ。高気圧が近づけば北風が強く、通りすぎれば次第の南風が吹き込んでくる。気候が猫の目のように変わる。大陸からの高気圧が、東進して日本をすっぽりとおおうと、朝夕は冷え込むが、日中は暖かくなる。山では次第に木の目が出て、新緑の季節の準備が始まっている。
「春眠暁を覚えず」という詩がある。日中歩くことが多くなったせいもあるのか、睡眠がよくとれるようになった。5時ころに目が覚めても、少し本を読んで、しばらく寝るのが気持ちいい。スマートウオッチに睡眠監視の機能で、昨夜の睡眠を分析してくれる。80点が合格点で、深い眠りの持続が一番大切なことらしい。眠りは一様になっているのではなく、浅い眠りのあとに深い眠りがやってきて、30分もしないうちにレム睡眠になる。この三種類の眠りを交互に繰り返す。夢を見るのは、レム睡眠の間であるらしい。
春眠暁を覚えず 処々に啼鳥を聞く
夜来風雨の声 花落ちること知んぬ多少
唐の詩人、孟浩然の詩である。朝の目覚めがよいと、この詩を思い出す。詩の通りに満開であった桜は、大半が散り、散歩の道には花びらが濡れて落ちていた。