昨日までの強風で、満開のさくらもほとんど散ってしまった。「明日ありと思う心の仇桜よはに嵐の吹かぬものかは」この歌は親鸞上人絵詞伝に見える。人の世は無常なものである、という教えである。こんなコロナ感染のパンデミックによって、世界中がこのような状態になることは誰が予期したであろうか。誰にも予期できないことが、ふいにやってくる。それが、我々が住んでいる地球である。この危機を救うもの、それを克服することに有用なもの、それがはっきりと見える。心眼をもって見極めていきたい。
オンライン飲み会というものがあるらしい。スマホやタブレットで、テレビ電話でつながって酒を飲むことらしいが、今度のコロナの専門委員会でも、外にでないようにこの飲み方を勧めていた。その際には、井伏のこんな詩のやりとりをしながら、飲んでみてはどうだろうか。
コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガジンセイダ
人の世界とは関係なく、自然ははっきりと移ろっていく。その自然の移ろいをお手本にして、泰然として、孤独にも負けずに生きて行くことが一番である。