常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

カンタベリー物語

2020年04月02日 | 読書
新型コロナは、まだ感染を出していなかったここ山形県でも、ここにきて3日続けて感染者が発見された。米沢、上山、新庄の3市だ。このために、趣味の活動が大きく制約を受ける。楽しみにしていた登山、人前で声を出す詩吟は、今月からいずれも活動休止となった。残されたものは、これから始まる野菜作りと読書、それと毎日書いているブログだけである。

時は四月。
夕立がやわらかにやってきて、三月ひでりの根本までしみとおってしまう。そのおしめりの精気で花が生まれて咲いてくる。
そよ風もまた、香ばしい息を吹いて、どこの山林地にも荒野にも、柔かい新芽が枝にふいてきた。

チョーサー『カンタベリー物語』のプロローグである。14世紀のロンドンのとある宿屋。そこにカンタベリーの聖廟への巡礼をする人々が集まってくる。法律家、地主で郷士、そして帽子屋、大工、機織、染物屋に家具商。様々な職業の人々が集まってくる。長旅の無聊を慰めるため、一人一人が面白い話を語る。あのアラビアンライトやデカメロンなどの系譜のイギリス版である。

今日、霞城公園の散策に出て見た。多少風が強いが、チョーサーの序詩に似た季節の中を歩く。ここは、高齢の夫婦が二組ほどで、後は早歩き、単独行。桜が咲きかけている公園だが、毎日のウォーキングコースであるらしい。脇目をふらず、ひたすら歩く姿の人ばかりである。堀の水も満たされて、カモたちも元気で泳いでいる。土手に一人、釣り竿を水に入れる人が二人、ウキの行方を見守っている。

コメント
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