![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/74/bc144b3f43b9c2aaa8c9be49e68f59d0.jpg)
不思議なことだが、買った本に、生後間もない子どもの能力についての記載にぶつかる。ひ孫の写真が来るのと、本の項目が一致する。外山滋比古『「忘れる」力』。その一項に「文法の創造」があるが、生後間もない児の言葉について書かれている。
「ことばをまったく知らずに生まれてくるのに、三年もすると、例外なく、ことばがわかり、使えるようになっている。驚くべきことだ。その間にまわりでしっかりことばを教えることがないのにである。もちろん、”先生”はいる。母親である。」
この本の現場が、孫とひ孫の間の会話の、動画で知らされる。ひ孫は母親の言葉を理解しているとは思えないが、さも分かったような喃語で相づちを打っている。生後間もない児が、ことば使って母にふれている瞬間。母とのつながりは、こんなささいなやりとりで実現していく。生まれたばかりの子には、驚くような能力を等しく持っている。10歳で神童という言葉があるが、その能力が失われずに育っていくことを願うのが、生い先の短い老年の心だ。