今日、スポーツの日。初めての東京オリンピックの開会が10月10日であったからそれを記念して国民の休日になった。体育の日、と命名されていた。以来、この日は秋晴れが続き、晴れの特異日とされた。だが、今年は朝から雨模様だ。散歩は雨が上がってからにする。テレビではこの日に因んで「スポーツ」の語源を当てるクイズがあった。ラテン語のデポルターレ、「ものをあるところから別のところへ運ぶ、移す、転換する」という意味らしい。そこから、意味がふくらんで気分の変える、気晴らしする意味になったと、解説されていた。
近代オリンピックのマラソンは、競技の戦勝を伝える飛脚がその始まりとされている。自分の過去を振り返って、スポーツとは無縁であったが、定年間近になって始めた、ウォーキングや山登りがやっとスポーツと馴染んだはじめであったかも知れない。もっとも、散歩をウォーキングと呼んで、スポーツの仲間に入れたのは最近のことである。イギリスでは、狩猟を貴族のスポーツと称していたが、19世紀になって運動競技をスポーツと呼ぶようになった。サッカー、クリケット、ボートなどが学校教育に取り入れられた。
日本では、江戸時代、三度飛脚というものがあった。江戸の藩邸で家来に大阪まで3日で往復させた。つまり6日間で、藩邸の荷物を江戸屋敷に届け、江戸から手紙などを持ち帰る。持ち物は無論、その反対であってもいい。この制度は、飛脚業となり、民間の業者がこれを請け負うものが現れた。その健脚は、現代ではマラソンランナーのような速さとも言えようか。遠いところまで移動するには、この時代では、自らの足しかない。駕篭屋などもあったが、東海道は歩く旅が主流だ。因みに三度とは、毎月2日、12日、22日の三度往復したのでこう呼ばれた。この飛脚が被るのは傘は、三度傘と呼ばれた。現代のスポーツ家が顔負けの、強靭な足を、みんな持っていた。