韓国のソウルで悲しい転倒事故が起こった。繁華街のイテウォンにハロウィンの集いに10万人もの若者が繰り出し、狭い路地で人津波が起こり、149名もの圧死者が出た。ここ数年、コロナの感染者が出て、繁華街の人出は規制されて3年振りで規制がゆるんだ矢先のことであった。日本でも1960年の安保デモで国会に入ったデモ隊、近年では花火大会で歩道橋での圧死事故など悲惨な記憶がある。
何故、古代ケルトの祭りが、ソウルや日本で盛り上がりを見せるのか、理解に苦しむ。先日、散歩の途中、カボチャのジャック・オー・ランタンをかたどった置物を飾った庭があった。こんな田舎町でも、ハロウィンのシンボルが置いてある。ハロウィンがそれだけ人々に浸透しているのであろうか。このカボチャは目や口をくり抜いて、中でローソクを灯し、悪霊を驚かして家に入ること防ぐものだ。
10月31日がハロウィンを祝う日である。アイルランドのケルト人の間で行われていた風習だ。ケルトではこの日が一年の終りで、この日に死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた。日本のお盆のような行事だが、キリスト教ではこの祭りを認めていない。子どもたちが仮装して、家々を回り「お菓子をくれる?それとも悪戯」といいながら回った。日本でのコスプレは、この時代の仮装が伝えられているのか。司祭は焚火を焚いて作物や動物の生贄を捧げた。この焚火の残り火を家々に与え、この火が新年の火種になった。古代のこんな風習が現代によみがえり、10万人もの人が集まる大きな祭りになろうとは、古代ケルトの神様も驚いているのではないか。