台風が送り込んでくる湿った暑い空気のために、5日連続の猛暑日となる。義母の様子が思わしくなく、ショートで医者つきの施設に入所することになった。妻はその準備にきのうからかかり切りになっている。早朝の畑は自転車を使う。もう終わりだと思っていたズッキーニが重たいほどの収穫になった。古くなったものは、輪切りにして干し野菜にする。少々食べ飽きてきたきらいもあるので、新しいレシピを探す。
石川忠久『夏の詩100選』を拾い読みする。白居易の「苦熱」という詩がある。
頭痛み汗巾に満つ
連宵復た晨(あした)に達す
苦熱に逢うに堪えず
猶お頼るは是閑人
朝客は応に煩倦すべし
農夫更に苦辛す
始めて慚ず此の日に当たって
自由の身と作るを得たるを
西暦830年、白居易59歳の作である。暑さのために頭は痛み、汗で頭の頭巾がびっしょりである。いわゆる熱帯夜か、朝まで暑熱苦しめられる。当今のクーラーなどあるはずもなく、朝の太陽とともに苦熱はまたくり返す。そこで、居易は自分の身が閑人であることを強調する。まあ、定年退職した今の自分と大差はない。居易は病気を理由に、刑部侍郎という官職を辞し、閑職につく。閑適な生活、それは居易が目指したものである。そこで、かつての同僚たちへ同情を寄せる。ましてや農夫は、暑い日のなかでの作業の辛さに思いを寄せる。
退職して閑適な生活である筈が、好き好んで農作業に汗水をたらす。だがそうした生活も悪いものではない。苦熱はそう長く続くものではなく。やがて秋風が吹き、その後には寒い冬が控えている。居易さん、そんなに苦しまないで、暑い日を楽しむことを心がけてはどうですか。
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