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ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

ミモロのお祭リポート(1) 祇園祭の原形とも言われる「粟田神社」の大祭はじまる

2011-10-14 | 京都
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10月9日、京都岡崎エリアは、朝から活気にあふれています。それは、2つの大きなお祭りが開催される特別な日にあたるため。ひとつは、昨日ブログにアップした学生たちのお祭り「京都学生祭典」。そしてもうひとつは、「粟田神社の大祭」の祭事で、9日、10日の両日に行われるのです。


祭り好きのミモロは、9日の朝からソワソワ。「お祭りの日は、もうじっとしていられないね」と、朝食を済ませる早々に、近所の「粟田神社」へと向かいます。

途中、祭りに登場する12個の提灯を飾る「十二燈(じゅうにん)」を準備しているところに。「ワー!いよいよお祭りが始まるんだー。お供えも揃ってるー」と、ワクワクするミモロです。


神社の鳥居脇には、祭りを知らせる大きな旗が、秋の爽やかな風にはためいています。


ちょっと急な坂道の参道を登り、境内へ。
すでにそこには大きくて、りっぱな神輿が鎮座し、祭事が始まるのを待っています。

まずは、お神輿にご挨拶。そして宮司さんにもご挨拶。


「あれ、大きな鉾がある・・・鉾といえば、祇園祭の山鉾を思い出すね」とミモロは、真夏の暑さの中、次々に見て回った山鉾を浮かべます。



ここで少し、粟田神社のお話を・・・・。

奈良時代に活躍した粟田氏の氏神さまとして奈良時代に創建されたという説もあり、京都でも屈指の歴史ある神社のひとつです。三条通そばにあり、古くから京都の東の出入り口である粟田口にあるため、東海道などを行き交う旅人の安全と守護を司る神として崇められてきました。

ご祭神は、スサノウノミコトとオオナムチノミコト。
ここでおさらい・・・・スサノウノミコトと言えば、天照大神の弟。オオナムチノミコトは、スサノウノミコトと奇稲田姫(クシイナダヒメ)との間に生まれた子供と伝えられます。(五世孫という説もありますが)大黒様と呼ばれる神様で、つまり、ここでは親子の神様をお祀りしています。

京都で、スサノウノミコトをご祭神にする神社と言えば、祇園祭で有名な「八坂神社」です。そこのご祭神は、スサノウノミコトと奇稲田姫(クシイナダヒメ)のご夫婦です。

スサノウノミコトは、そもそも親にも反抗、さらに問題を起こし、高天原を追放されるほど、気性の荒い神様。しかし、後に、出雲で八俣の大蛇を退治するなど、地上の禍や厄を退治し、祓い清め、幸をもたらす神さまに変わり、今日に至るまで、人々の暮らしの安全・安心を守る神さまとして崇められます。

子供の頃、いろいろ悪さをして、大人になると、人間的に大きく、頼もしいりっぱな人になったなんて話に、どこか通じるものを感じます。

さて、話を戻して・・・
同じご祭神を祀る「粟田神社」と「八坂神社」には、もちろん祭事にも共通点があります。それが、剣鉾。


「剣鉾」は、祭礼の折、神輿にさきがけ、悪霊を鎮め、清める祭具。その地域の人々の禍や厄を祓い、清める大切な神具です。祇園祭では、山や山車の上に祀られていますが、「粟田神社」の祭事では、直接、人が大きな剣鉾を持ち、神輿にさきがけ、町内の巡行を行います。

また、祇園祭では、各町内に祭壇を設け、緞通や旗などを飾りますが、「粟田神社」の氏子も、当家飾り(とうやかざり)というその町内が持つ剣鉾などを飾ります。それぞれ異なった飾りを行う、およそ17か所に点在する当家飾りを見て歩くのも楽しいもの。


実は、「粟田神社」の剣鉾巡行は、祇園祭の原形と言われ、室町時代に祇園祭が行われないときに、ここの祭りが、それに代わるものとなったと伝えられる由緒あるもの。

かわいいお稚児さんも、祭りに登場します。



関東の祭りでは、あまり見ることがない剣鉾ですが、京都の祭りには、欠かせない大切な祭具で、「粟田神社」をはじめ、「平岡八幡宮」「八大神社」「春日神社」など、市内各所の神社で、同じような剣鉾巡行や当家飾りが、見られます。

剣鉾を持つ神社は、すべてではありませんが、ご祭神にスサノウノミコトをお祀りしているところが多いようです。人々にとって、疫病、災害など、まず暮らしにかかわるさまざまな禍を寄せ付けないように、場の穢れ、そして人の持つ心の穢れを祓い、清めることが、何よりも大切と考えられていたのでは・・・。

今年、東日本を襲った未曾有の大惨事。二度とそのような悲劇に見舞われないことを願い、京都市内の各所では、祭事が行われています。


勇壮で神々しい剣鉾巡行のお話は、また後ほど・・・・。

*旅のポイント:京都の祭りというと、京都三大祭として「葵祭」「祇園祭」「時代祭」が知られますが、実は、それ以外の祭りも、見応え十分。本当にりっぱで驚きます。5月、10月が、地域の祭りのピークで、各神社の氏子たちが、毎年、時間と手間をかけて、代々受け継ぎ、祭りを守っています。春や秋の京都への旅に出かける方は、ぜひ、事前に市内の神社の祭事をチェックして、旅の日程に組み込んではいかがでしょう。

*「粟田神社」の詳しい情報は、ホームページで。
コメント (2)
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