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東京生まれのミモロにとって、京都、粟田神社のお祭りは、不思議なことばかり。
「知恩院さんと一緒に行う神事でしょ。ナリカンだけで町をめぐったり、あんな高い剣鉾も見る初めてだったし・・・」と、珍しいものだらけのお祭りです。
さて、今日は、剣鉾巡行と同時進行で行われた神輿の巡行のリポートを・・・。

剣鉾が三条通に戻った時、ミモロは、剣鉾の一行から離れ、神輿の巡行を探します。
「どこ行っちゃたんだろ?」とキョロキョロ。でも、どこにも神輿の姿はありません。耳をピクピクさせて、太鼓の音を探しても、何も聞こえてきません。「どうしようー」。いろいろ歩き回って、通りがかりの人に「あのーお神輿見ませんでしたか、ゼーゼー」と息を弾ませ尋ねるミモロ。
「それなら、もうすぐ青蓮院さんゆくのとちがう?」と教わり、急いで神宮道を南へ。
「でも、なんでお寺に行くの?」と思いながらも、大きな楠が茂る「青蓮院」へと急ぎます。
「青蓮院」は、天台宗の総本山比叡山延暦寺の三門跡のひとつ。皇室とも深い関わりのある格式高いお寺です。10月24日~12月4日には、夜の特別拝観も。幻想的な雰囲気の中、お庭が拝見でき、夜の観光にお勧めです。詳しくは、ホームページで。
すでに門の前には、人だかりが。「ちょっと遅かったかも…」と心配になるミモロです。
この門は、観光客が出入りする門とは別で、神宮道に面した大きな楠の脇に。普段は、固く門を閉ざし、ここを通れるのは、皇室の方々と粟田神社のお神輿だけ。その門が開いているのを見るだけでも貴重なこと。
人だかりの隙間をぬい、ラッキーにもミモロは、門につづく階段のすぐ脇に立つことができました。
「小さくてよかったーホッ」。
ほどなく、大勢の男たちの波に乗るように神輿が、神宮道を進んできます。そして、ミモロのすぐ横の急勾配の階段を、ドンドン登ってゆくではありませんか。

「ワー、スゴイ迫力!」そばで見物できたミモロは、ただ茫然。近づくと吹き飛ばされてしまいそうな勢いに動けないよう。
神輿は、やがてお寺の門の中に姿を消してゆきました。
「なにするの?みんなは一緒に行かないの?」粟田神社の大祭では、神輿は、必ず青蓮院で参詣儀式を行うことになっているそう。これも昔からの深い繋がりがあるからとか。また寺院の中には、最少人数で赴くそう。なので、ほかの担ぎ手は、門の前でしばし休憩。ミモロもいっしょにひと休み。

神輿が青蓮院の中にいる間、とても陽気でやさしい氏子の方々が、祭りの手ぬぐいと身代わり札を観客に勧めます。


そうこうしている内に、神輿が再び門に姿を現しました。
今度は階段を下るため、上り以上に担ぎ手は、気を使いつつ慎重に一歩一歩階段を下ります。

無事に神宮道に下りた神輿は、歓声の中、高々と差し上げられ、青蓮院の参詣儀式がつつがなく終わったことを祝うよう。

その様子を、門の内から静かに見守る僧侶の姿が、なぜか心に残るミモロです。

神輿は、それから夕方まで、町を歓喜と興奮に包みながら巡行します。
粟田神社の宮司さまも馬に乗り、神輿の巡行を見守ります。

多くの人で賑わう神宮道と三条通の交差点に至った時、神輿も何度も揺さぶられ、いっそう高く差し上げられました。

来年の祭りまで、みんなが、つつがなく平穏に暮らせますように…神輿に乗った神様のお力が、町全体を包みます。
神輿は、先ほど通り過ぎた剣鉾につづき、神社の境内へ。そこで、祭りの締めくくり、神様を本殿にお戻しする「還幸祭」が行われ、粟田神社の大祭は、無事に納められました。
*「粟田神社」の詳しい情報は、ホームページで。ぜひ・・・。