久しぶりにミモロは、祇園周辺へお散歩に。お家のある岡崎の疎水から続く白川が、町にいっそうの趣をもたらしています。
ミモロがいるのは、「新門前通」。ここは、京都の中でも、骨董屋さんが多い通り。
新門前という名のとおり、知恩院の門前通りで、知恩院の門のある東大路通から、鴨川に近い大和大路通まで、やく500メートルの通りです。
あまり広い道ではありませんが、両脇には、
茶器、仏像などをはじめ、書、絵画、ガラスなど、さまざまな美術骨董品を扱うお店が、軒を連ねています。
店頭に飾られた品々を見て歩くだけでも、なかなか面白く、ミモロも、ひとつひとつのウィンドーを覗きます。
新門前通が、骨董の通りとして、知られるようになったのは、京都の歴史から見れば、それほど昔のことではない、明治時代。日本文化に強い関心を抱く外国人が、祇園近辺へ訪れるようになったころのこと。また、日露戦争の頃、ロシア人捕虜が、妙法院、智積院に収容され、自由行動が許された彼らは、骨董を買いに出掛けたそう。
外国人の美術愛好家などを相手に、多くの美術商が店を出したのが、この新門前通です。そのため、通りには、英語などの表示も多く見受けられます。
外国人向けの京都のガイドブックには、必ず登場している通りです。
でも、お土産物とは質が異なり、ここにあるのは、美術品レベルのものが多いのが特徴。なので、ちょっと知らないと入りにくい感じです。
ミモロも、トコトコとウィンドーめぐり。そんな中、ひとつの看板を見つけました。
「和箪笥・骨董 夢工房」と書かれた看板が、古い風情の町家に掛っています。
通りには、どんな品があるか、わかりません。お店は、門をくぐり、細い道の奥のよう。
「どんなお店かなぁー」とちょっとドキドキしながらも、好奇心旺盛なミモロは、思いきって奥に進むことに。
道の奥には、趣ある戸が。
「あのーごめんください…」ミモロは、勇気を振り絞って、戸をあけて中へ。
目の前には、広い玄関。まるでどなたかのお宅に伺ったような感じです。
「あのーちょっと拝見してもいいですかー」と。「はい、どうぞお上がり下さいませ」とお店の方。「よかった、やさしそうな方が出てきてー」と、ホッとしたミモロです。
広いお玄関で、靴を脱ぎ、上に。
「わー素敵な雰囲気…」
さまざまな美術品が、さりげなく、まるでお家に飾るように置かれています。
昔、旅館だったと言われる建物は、それ自体が素晴らしいもの。
ミモロは、建物の中を見て歩くことに。
廊下の奥には、お座敷が。そこにも美術品がいろいろ。
「前にいったことのある骨董店とは、違った雰囲気。その品物が、本当にしっくりその場におさまっている感じー」と。いくつかあるお部屋には、それぞれ、そのお部屋にぴったりの調度品が置かれています。
「あのーもし、お時間があれば、どうぞ,ご一緒にお茶を召し上がってください…」と。
「え?お茶…、ハイ、遠慮なく…」とミモロ。
同じ時間にいらした常連のお客様といっしょに、ミモロはお茶を頂きました。「この器もいいなぁー。お菓子も美味しい…」
「ここでは、本当にゆっくり気に入られたものを見て頂けたらと…」とお店の方。
骨董や美術品は、めぐりあい。心惹かれたものに、ふと出会う…そこに楽しさがあります。
このお店に、以前もいらしたという東京から来られたご婦人。
「こちらに久しぶりに伺って、またステキなものに出会いました」と、嬉しそう。
「あのー今度、海外の美術好きのお友達と、いっしょに来てもいいですか?」と。
「はい、お待ちしています…」
外国の骨董好きの方の日本美術や骨董の知識は、なかなか深いものが。日本人が知らないことも、本当によく知っています。日本の骨董愛好家の数も多く、それって、日本の美術品のレベルがとても高いという証。
「本物を見ると、心が豊かになるねー」と、充実した面持ちで、お店を後にしました。
骨董、美術好きには、ぜひお勧めのお店です。
時間が経つのを忘れてしまう楽しさが…。
このお店で扱う品々は、ホームページで見てくださいね。
*「和箪笥・骨董 夢工房」京都市東山区新門前通花見小路西入ル 電話075-541-7025 11:00~17:00 詳しくは、ホームページで。
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