厚い雲が垂れ込める京の町。天候不順を心配されながらも、「葵祭」が今年も開催されました。
ミモロも、午後、上賀茂神社へと向かいました。
「葵祭」は、6世紀、古墳時代の後期、欽明天皇が、飢饉や疫病に見舞われた京都を憂い、勅使をつかわし「鴨の神」の祭礼を行ったのが、起源といわれる、歴史ある祭りです。祇園祭、時代祭とともに京都三大祭のひとつで、毎年、大勢の観光客が訪れ、沿道を埋め尽くします。
朝、京都御所を出発する行列は、下鴨神社を経て、上賀茂神社へと向かう、京都三大祭りの中で、最も長距離を移動する祭りです。
ミモロが、向かったのは上賀茂神社。行列のゴール地点です。そこに到着すると、ミモロは、真っ先に神社の売店へ。そこで、「葵桂」の枝を求めました。
「葵祭」は、その名からわかるように、葵の葉を行列に参加する人、いいえ馬や牛も、必ず身に着けています。「やっぱりこのお祭りを見物するなら、葵の葉っぱつけたい…」邪気を払うといわれる葵、芳しい香りを放つ桂の枝に、絡むようにつけられています。葵の葉は、すぐに枯れてしまう繊細なもの。1日たつと、グッタリとした姿になってしまいます。でも、枯れた桂の枝からは、ほんのりと甘い香りが漂い、ミモロは、昨年も、その枝を玄関に飾って、邪気払いをしていました。
「葵桂」の枝をもち、巫女さん姿で、境内を歩くミモロ。
「キャーかわいい…」と、周囲の人から声が…。ちょっとうれしそうにしながら、大きな枝を引きずって歩き回っています。
上賀茂神社に行列が、到着するのは、15時半すぎ。まだ少し時間があります。
鳥居から本殿につづく道は、後に行列が通るところ。
両側には、見物席が設置され、またお清めなどを行う場所が用意されています。
見物人のために、「葵祭」にまつわる品々やお守りのブースも。
また、鳥居の脇には、検非違使などの人たちが、履き替える履物が用意されて、行列の到着を待っています。
「もうすぐかなぁ~」どんよりとした空からは、ポツポツ雨が落ちてきました。
行列の総勢は、約500人。子供も参加しています。歴史装束をまとった雅な行列にとって、雨は、大切な衣装を濡らすことになります。「人は、濡れても、衣装は濡らすな…」といわれる行列。雨天の場合は、翌日へ順延になりますが、祭りを楽しみに訪れた観光客にとって、順延は、避けたいこと。今年は、雨が予想され、順延になるかも…といわれていました。行列をするかしないかの決定は、朝6時に行われます。今年、決定をする人たちは、さぞや悩んだことでしょう。
下鴨神社までは、雨に降られずに済んだ行列も、どうも上賀茂神社までは、天気がもちそうにありません。
「大丈夫かなぁー」と、ミモロは、鳥居のところで、心配そうに行列の到着を待っています。
やっと行列の姿が見え始めました。この時、雨は、次第に強く降り始め…行列の人も馬もびしょ濡れ…。
艶やかな装飾を施した牛車には、ビニールカバーがかけられています。
祭りの主役、斎王代の姿が。毎年、京都の未婚の女性が選ばれる斎王代、今年は、和菓子の老舗「老松」のお嬢様、20歳の大学生、太田梨紗子さんがその大役を担います。乗った輿にも、雨が…。
「あ、傘さしてる…」行列では、日傘をさすことはあっても、命婦たちの雨傘姿は、めったに見られません。
行列に参加する人たちの草履も草鞋も、そして足袋も、雨でグッショリと濡れています。
下鴨神社出発を危ぶむ声もあった行列…。「祭りの後始末大変そうだね~」とミモロ。そう衣装を乾燥させ、修復するのに手間がかかりそう…。ほかのイベントと違い、神事である「葵祭」。中断は、なかなか難しいことなのかも…。
「みんな風邪ひかないようにねー」傘の下から、行列の参加者を気づかうミモロでした。
上賀茂神社に到着した行列は、それから、社頭儀など、さまざまな神事を行い、終了は、18時すぎに…。
終了間際から、青空が見えてきました。参加する人も、見物する人も、びっしょり濡れた今年の「葵祭」でした。
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