師走の恒例「京都料理展示大会」で、さまざまな京料理を目にしたミモロ。「実際に京の冬の味たべたい~」と切に思っています。
そんなとき、京都の町中を散策しているときに訪れたお店を思い出しました。
烏丸通から姉小路通を少し東に入ったところにある、歴史を感じさせる趣ある町家。
この辺りには、今も、古い町家が残っていて、京都らしさが楽しめるエリアです。
「なんのお店かな?」と店頭のガラスケースを覗くと、そこには、陶器製の黄色に柚の容器などが飾られています。
暖簾をくぐり店内へ。「こんにちは~」
店内は、昔の京都にタイムトリップしたよう。井戸などもそこに。
「あの~ちょっと見せてください~」
店の中ほどにいらっしゃるお店の方に声を。「はい、どうぞ~」「あの~ここは、柚のお店なんですか?」とミモロ。
よくわからないでお店に入る、大胆なお客です。「はい、柚味噌のお店なんですよ」「柚味噌?あ、ふろふき大根なんかにつける柚の香りと味がするお味噌でしょ?」「そうです」
ミモロは、柚味噌を試食。
「わ~柚の風味が豊か~。これで大根やおでん食べたい~」と想像が膨らみます。
ここ「八百三」は、宝暦年間に創業した老舗。「宝暦年間って、暴れん坊将軍の吉宗の次の時代だよね~」そう、9代将軍家重の時代です。その当時は、精進料理の仕出し屋さんで、お茶会や寺院などに出入りし、それは大正時代まで続いたそう。
精進料理に欠かせない柚味噌。初代八幡屋三四郎が考案した柚味噌の味が評判となり、精進料理店から柚味噌をメインにしたお店へと変貌します。
多くの京都の人たちに愛され続けるその味噌は、水尾で栽培された柚を使い、独自の製法で丁寧に仕込まれたもの。ほかにはない、豊かな風味と芳醇な味わいが、名物と言われるまでに。
「パッケージも素敵~」
こちらの柚味噌は、京都の有名百貨店でも購入できますが、ここ本店にしかないのが、陶器製の柚型容器。
「この容器、すごく可愛い~。このまま食卓に出せるね~」とミモロは、すっかりお気に入り。
柚味噌は、ふろふき大根や田楽をはじめ、甘鯛やノドグロなどの焼き魚に添えても美味しく、葱や白菜と和えたり、とても便利に使える調味料でもあるのです。
「そのまま酒の肴にしたり、ごはんにのせたり、またパンにつけても美味しいですよ~」と。
「あの~これください~」とミモロは、柚型容器に入った味噌2700円を買うことに。
柚味噌以外にも、白みそもありました。「お雑煮にするのにいいね~」とミモロ。京都の白みそ雑煮は、体が温まるお雑煮。東京生まれのミモロも、お正月には、必ずどこかでいただいています。
さて、改めて店の中を見回すと、大きな木製の看板が。
「なんか力強い文字~」と見ていると、「あの文字は、北大路廬山人の書なんですよ」と。
「え~あの食通で知られる人でしょ?」なんでも彼が京都に暮らしていたころに「書かせてほしい」との要望でお願いしたものだとか。
創業以来、一子相伝で受け継がれた「柚味噌」。時代は流れても変わらぬ味は、京の食に欠かせないもの。
お店の中は、時間が止まったような心地に・・・でも外は、今の時間が流れます。
「きっとここからの眺めも昔とかなり違うんだよね~」と、当たり前なことながら、ふと思うミモロでした。
*「八百三」京都市中京区姉小路通東洞院西入車屋町270 075-221-0318 9:00~18:00 日曜・祝日、第3木曜休み
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