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今年、久方ぶりに順延となった「時代祭」。
明治時代から室町、平安へと、その時代装束の華やかな行列が楽しめる京都三大祭のひとつです。
さて、そこにも多数登場するのが、鎧兜を身に付けた武家の行列。
実は、時代祭の見物の前に、ミモロは、ある文化講座に出かけました。
会場は、北野天満宮近くの「平野の家 わざ永々棟(えいえいとう)」。


「りっぱな町家だねぇー」と恐る恐る門をくぐるミモロです。

ここは、大正末期の木造建築を3年がかりで改修し、昨年11月に完成。大工、左官、庭師などさまざまな職人が伝統の技を駆使し、また現代の技術と機能性を盛り込んだ、日本建築の技の結晶。
今、さまざまな文化講座やイベントに利用できるようになっています。
「こういう場所で、文化講座が開催されるのが、京都らしい魅力!」とミモロは、文化講座が楽しくてたまりません。
今回開催されるのは、特別講座「ふれてみよう、武家文化」と題し、10月19日~11月9日に4回にわたり行われるもの。

時代装束や甲冑、道具などを多数所蔵する「高津古文化会館」の学芸員である雨宮六途子先生

「高津古文化会館」

4回シリーズの初回は、「甲冑にふれよう」というテーマで、講座には、甲冑が運ばれ、その成り立ちの歴史、形の変遷、構造、素材などを詳しく解説され、実際に手で触れ、さらに飾り方を体験するという盛りだくさんの充実した内容です。
「ここで甲冑のお勉強をしたら、きっと時代祭が、もっと面白く見られるはず…」と密かに思うミモロです。
講義を1時間ほど受けた後、いよいよ本物の甲冑にご対面。まずは、納めた箱から、取り出すことから。
「割と小さな箱に入ってるんだね。もしかして、子供用?」と箱を覗くミモロ。

いいえ、もちろん大人サイズの当世具足です。兜、銅、両手、両足の部分が離れており、また動きやすくするために、紐で小さな板を繋げていたり、金属メッシュのようになっているので、コンパクトに収納できます。
箱から、ひとつひとつの部分を慎重に取り出し、机の上に並べます。
「ギャー、怖い顔…」

「鎧の胴の下にあるプリーツスカートみたいな部分は、フムフムこうなっているのかぁー」と、しげしげと手にとって見ることに。

ミモロがいうのは、草摺(くさずり)といわれる部分。武将の好みでさまざまな色の紐で漆で塗り固められた小札を連結し、鎧の独特の趣を作る部分です。
箱から、すべて出し終えたら、次に鎧を入っていた箱の上に飾ります。

次々に手際よく飾られて

完成!

「では、今度は、みなさんに飾ってもらいます!」と雨宮先生。飾った甲冑を、もう一度、分解します。
受講生が、それぞれ甲冑の部分を担当。体の小さなミモロは、脛当を飾り用に組み立てます。
「えーと中に新聞紙を丸めて、それから薄いきれいな白い紙で包んで…。クルクル巻いて、正面の部分の金具の上でチョウチョ結びにするんだった…これでいいですかぁー」とミモロ。

「あら、よくできてますね。上手ですよ」と雨宮先生に褒められて、ホッとします。
受講生がそれぞれの部分を組み立てて、ついに完成。「やったー!」と思わず歓声をあげるミモロです。

飾られた甲冑の隣りで記念撮影をする大学院生の受講生。

なかなかりっぱ!甲冑と同じポーズが決まっています。
講座の最後は、再び、甲冑を丁寧に箱の中へと仕舞う練習。
「講座は、楽しかった?」と雨宮先生。
「ハイ、こんなに近くで甲冑を見たり、触れたりするのは、初めて・・・すごく感激!とても勉強になりました。先生のお話も、スゴーク楽しかったでーす。こういう講座って京都ならではですね」とミモロ。
「甲冑は、日本の伝統の技の結晶のようなもの。さらに、そこには、日本人の美意識が、見事に反映されています。世界中の甲冑の中で、これほど美しいものはありません。命を掛ける戦場でも、美意識を示してこそ武士。本当に日本の文化は、素晴らしいですね」と雨宮先生。
深く頷くミモロです。
「さぁ、下のお座敷にお茶の用意ができているから、そちらへ行きましょう」「えーお茶ー。お菓子も?」
ミモロは、急いで下へ。
広い座敷には、毛氈が敷かれ、すでに他の受講生の皆さんは、お席についています。ミモロも末席に加わりました。

美味しいお茶と栗の入ったお菓子をいただいた後、ミモロは、お庭を拝見。

風情あるお庭の向こうは、北野天満宮のお土居が続いているそう。
「あのーまた次回も来ていいですか?だって、すごく面白かったんだもの…」

ぜひ、みなさんにもおすすめしたい、深い内容の文化講座です。
*特別講座は、10月26日「うるし工芸にふれよう」、11月2日「小袖入門」、11月9日「刀剣入門」です。
毎水曜日の14:00~17:00 参加費:3000円(茶菓代、高津文化会館の入館料込)お問い合わせ、お申込みは、「平野の家 わざ永々棟」まで。電話075-462-0014
また、「高津文化会館」の詳しい内容は、ホームページで。いずれも北野天満宮の近所です。