永々翁酒場修行（日曜更新）- Y -

こんにちは、永々翁でございます。貴殿が酒席を共にしたいと思うのはどのような人でしょうか。人は誰しも喜怒哀楽がございます。喜ばしい気持ちの人と御一緒すると当方も嬉しくなります。また怒っている人が御一緒ならばその日のおいしい酒は諦めるべきです。本日お話しするのは、敢えて哀しい時、心に迷いのある時に誘ってくださるY氏です。
若かりし拙生がある試験に落第したとき、Y氏に高級なステーキを御馳走していただきました。正直ステーキの味は覚えておりませんが、Y氏の御心遣いは身に沁みました。心に何か差し障りがある相手と盃を交わすことは、なかなかできることではございません。見えない不安を一緒に受け止めてくださる懐の深さ、その裏にある人生経験を感じます。拙生も友人が哀しいときに静かに隣で飲める人物になりたいものです。なおY氏とは楽しいときに盃を交わすことの方が圧倒的に多かったことを補足しておきます。