「ホーズキに哀愁が!」
北海道ではホーズキの季節と言えば秋です。わが別荘の庭には、今赤橙色のホーズキが目立つようになり心を和ませてくれています。自宅のホーズキがいつの間に別荘に移動していたのです。
ホーズキと言えば浅草のホーズキ市が思い出されますが、風情があります。何時の時だか忘れましたが、その季節に東京にいたことがありました。
終戦近くの幼少の時、秋が深くなり霜が降りる季節には、ホーズキの実を取って食べたものでした。霜に当たるとホーズキのあの苦みが取れる(無くなる)のです。当時は食料不足の時代、食べられるものは何でも口にしたのです。
かつて地方に居た時、ホーズキが庭にない生活がありました。ラビ妻がお寺の奥さんと親しくなり、ホーズキの苗を分けてもらったことがありました。その事を友人に話したらしく、その時「お寺さんから貰うものではない」と言われたそうです。お寺には施すものであって貰うことはおかしいということらしいのです。
物事は四角四面に考えすぎては心の豊かさを無くしそうに思われます。
近年では「食用ホーズキ」も作られるようになり、ホーズキは一律に橙色の実とは限らなくなりました。我が別荘にホーズキの名の付く、大きなホーズキがあります。花の名は「黒ホーズキ」ですが、驚くほど食用ホーズキの実と似ていて、口にしてみて区別が付くぐらいです。
花はブルーで綺麗ですが、花は次々に実となり、先の方にのみ一・二個の花が咲いています。
実の付け方も列状に綺麗に並び、実も飾りになります。ドライフラワーにも使えます。
実の最後は茶色です。
列状に黒ホーズキの実が並ぶのも綺麗です。宿根草ではありませんが、毎年芽が出てきます。
ホーズキと名の付くもので「イヌホーズキ」と言うのがありますが、イヌの名の付く植物は人間に役に立たないという意味で名付けれているものです。
イヌホーズキは、畑などに生えて、白い花が青い実となり、最後に黒い実となります。実は食べられません。一度鉢植えにイヌホーズキを育てたことがありましたが、ガーデニングをされている近所のご夫人から「これは野生の花ですよね」と言われたことがあります。「はいわかっています」と答えたのでしたがね。
野生であれ、その時はわが家の庭に変化を与えてくれていたのでした。