「小清水原生花園 花保存の為に野焼き」
釧路から網走に抜ける「釧網線」の小清水(網走)原生花園はエゾスカシユリ、ハマナスなどが咲く見事な花園です。
この原生花園の砂州の所をむかしはSLが走っていました。
蒸気機関車がもくもくと煙りを上げながら走っていたのですから、SLマニアにはたまらない風景であたのです。
もくもく上がる蒸気機関車からの煙に交じり、火の粉も時には花園に落ちました。
時折この火の粉が草わらに燃え広がり、毎年のようにこの火災が新聞に報道されていたのです。
当時は、火災がおこると困ったことだなと思っていたのですが、今ではジーゼル機関車となり草わらは火災が起こらなくなりました。
原生花園の草わらが自然そのままとなり、今度は一つの問題点が出てきました。
草むらには虫が発生し、原生花園の花たちに影響してきたのです。
前によくこの原生花園に出向いていたのですが、エゾノコリンゴの木に毛虫がついて、葉は全て食べつくされ、見苦しい風景となっていたのです。蒸気機関車の火入れが無くなったことによる問題が新しく発生したのです。
今年は5月9日早朝、植生を守るために地表を覆う枯草を燃やす「火入れ」が行われました。
むかしは汽車からの火で起こった自然野焼きは、今では人の手で行われているのです。
今年も小清水原生花園風景回復対策協議会の職員など135人がでて野焼きを行いました。
野焼きによっていつもの素晴らしい花園の原生花園がよみがえるのです。