「山菜の王者は 山菜の代表格は」
特に春は忙しい。
次から次にと山菜が採れて、食が追いつかなくなります。
保存にも限度があり、この時期限定で季節を味わいます。
秋田県では5月30日、タケノコ採りの女性が熊に襲われて亡くなりました。
鈴を二つも付けていたというですから、秋田のクマには鈴は効き目がないという事になります。
春、山菜の王者はもしかするとタケノコかも知れません。昨年も何人も熊に襲われ命を落としているのにかかわらず、山に入る人が多いのです。それだけにタケノコ狩りには魅力があるのです。
苦労して取りに行くタケノコの価値は誰もが認める山菜と言えるのです。食べて良し、売っても高値で儲けにもなります。
タケノコの価値を認めるとして、次に頭に浮かんでくる山菜の王者とは? 「ウド」かも知れません?。茹でて酢味噌和え、マヨネーズ和えにして食べると、至福を感じます。
ここのウドは伸びきった感はありますが、先の方の芽を取ってきてテンプラに仕立てます。
アクが強い山採りのウドは体内の毒素を取り除くのに良い感じがあります。
田舎の道の駅で売られていたウドの根。特に根の白い部分が美味です。
今朝のテレビで野生のクマがミズバショウを食べている場面が映されていましたが、クマがミズバショウを食べて体内の毒素を取り除くのと、我々が春の「ウド」や「ワラビ」などを食して体内のあく(毒)抜きをするのとよく似ていると思います。
ココミも売られています。
まず春は、山から採って来たウドを食べないと始まりません。そうした意味から、山菜の王者は「ウド(独活)」という事にしました。
しかし、私の心の中にはタケノコが春「山菜の王者」であるという気持ちは心に残ります。
山菜の種類はいくらでもあるのですが、庶民派の中では「小豆菜(アズキナ)」が山菜の代表格にあげている人が多いのです。
小豆菜の本当の名は「ユキザサ」です。ユキザサも売られています。
雪のような小さい白い花を付け、葉は笹の形状をしています。そのことから「ユキザサ」の名が付けられています。
ユキザサ 花が雪の様、葉は笹の様。
それではなぜアズキナ(小豆菜)の名が付けられているのでしょう。
私が植物の「蝦夷山草木散策」という本を作っていた時、まだアズキナの由来については誰も知りませんでした。
カムイラビットもなぜアズキナの名が付けられていたのか苦労していたのです。今では誰もが知る「茹でると小豆を煮た時の匂いがする」ことが由来とわかるのですがね。
ところで、「ユキザサ」はどのような実を付けるかご存知でしょうか? ある年の秋、葉の枯れたユキザサに真っ赤な実が一面について見事な光景に出会いました。
そこで、間違いの早やガッテンを私はしたのです。「そうか、小豆のような赤い実をたわわに付ける植物である事からアズキナといわれるのだ」と大発見した思いで心に納めたのでした。
アズキナの赤い実の光景もカメラに納めることもしないでおりました。何日かしてアズキナの名の由来を知り、文章に添えたのでした。
あのユキザサの大群落と赤い実の光景は目に焼き付いたままでおります。当時は今から28年前のことで、アズキナを食べる習慣も私は持ち合わせていませんでした。