外山(とやま)よりしぐれてわたる浮き雲に木の葉ふきまぜ行くあらしかな(風雅和歌集)
外山ふく嵐のかぜの音(おと)きけばまだきに冬の奥ぞ知らるる(千載和歌集)
ながむればそこはかとなく袖ぬれぬむなしき空の四方(よも)の嵐に(新千載和歌集)
木の葉散るあらしの風の吹くころは涙さへこそ落ちまさりけれ(新勅撰和歌集)
山里は世のうきよりもすみ侘びぬことの外(ほか)なる嶺のあらしに(新古今和歌集)
住みわびぬ人はおとせぬ柴の戸に嵐ばかりのゆふぐれの空(続拾遺和歌集)
日も暮れぬ人も帰りぬ山里はみねの嵐のおとばかりして(後拾遺和歌集)
冬の夜(よ)のながきをおくる袖ぬれぬ暁がたの四方(よも)の嵐に(新古今和歌集)
神無月わが身あらしの吹く里は言の葉さへぞうつろひにける(秋萩帖)