難波潟入り江の浪に風さえて葦の葉しろき夜半の初霜(続後拾遺和歌集)
有明の残るもうすき庭の面(おも)にそれかとばかり置ける初霜(新続古今和歌集)
草の葉にむすびし露のけさみればいつしか霜になりにけるかな(続後撰和歌集)
初霜も置きにけらしな今朝みれば野べのあさぢも色づ きにけり(詞花和歌集)
いつのまに苔さへ色のかはるらむ今朝はつ霜のふるさとの庭(風雅和歌集)
初霜の岡の茅原(かやはら)いつのまに秋みし露のむすびかふらむ(新千載和歌集)
うら枯れて野ぢさへ色ぞかはりぬる初霜しろし谷のかげ草(正治二年初度百首)
なよ竹のよながき上に初霜のおきゐてものを思ふころかな(古今和歌集)
よをかさねうきふし見えて笹の葉におく初霜といかで消えなむ(新後拾遺和歌集)
(2009年11月17日の「初霜」の記事は削除しました。)