monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

2011年10月23日 | 日本古典文学-和歌-冬

難波がた葦べはるかに晴るる日はこゑものどかにたづ ぞ鳴くなる(続千載和歌集)

沖つしほ入江はなぎて夕浪も立たぬ洲崎にたづ ぞむれゐる(草根集)

和歌の浦の葦べさむけき冬がれにつるのはがひも霜やおくらむ(津守国冬)

沖つ島しほ風いかに寒からし霜おきまよふ鶴のけごろも(続古今和歌集)

冬来ては入り江の葦のよをかさね霜おきそふる鶴のけごろも(拾遺愚草)

風わたる沢べの葦のさむきよは鶴の毛衣(けごろも)霜やかさねむ(為家千首)

月落ちてこほる入江の葦の葉に鶴のつばさもさやぐ夜の霜(草根集)

志賀の浦や氷もいくへゐる鶴の霜のうは毛に雪はふりつつ(夫木抄)

よそなれば汀(みぎは)に立てるあしたづ を浪か雪かとわきぞかねつる(貫之集)

降る雪をかさねてしろく見ゆるかな葦まに立てる鶴の毛衣(為忠家後度百首)

難波がた葦の枯れ葉に風さえて汀のたづ も霜に鳴くなり(新後拾遺和歌集)

玉つ島あしべに寄するかたをなみ夜ぞかなしきたづ のもろごゑ(宝治百首)

たぐひなくあはれとぞ聞くさ夜ふけて雲ゐにわたるたづ の一声(新拾遺和歌集)

.
うちわたす竹田の原になくたづ のまなく時なし我が恋ふらくは(万葉集)

まな鶴のまなく時なき松のはのねぐらの霜の下に恋ひつつ(草根集)

わすらるる時しなければあしたづ の思ひ乱れてねをのみぞなく(古今和歌集)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒蘆(かんろ)

2011年10月22日 | 日本古典文学-和歌-冬

みなと江の氷にたてるあしの葉に夕霜さやぎ浦風ぞふく(風雅和歌集)

なには潟いりえにさむき夕日かげのこるもさびし葦のむらだち(風雅和歌集)

なにはがた枯れても立てる葦の葉の折れふすまでと浦風ぞ吹く(新後拾遺和歌集)

葦の葉の霜がれはてて難波潟いりえさびしき波のうへかな(玉葉和歌集)

難波江におふるのみかはおしなべて豊葦原は冬がれにけり(草根集)

なにはがた汀(みぎは)の葦に霜さえて浦風さむき朝ぼらけかな(新拾遺和歌集)

(2009年11月19日の「寒蘆」の記事は削除しました。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒草(かんさう/ふゆくさ)

2011年10月21日 | 日本古典文学-和歌-冬

吹く風のおとのみ秋のかたみにて霜枯れはつる庭の荻はら(新千載和歌集)

秋見しはそれとばかりの萩が枝(え)に霜の朽ちばぞひと葉残れる(風雅和歌集)

枯れのこる冬野の尾花かぜすぎて夕露はらふ袖かとぞ見る(続後拾遺和歌集)

霜枯れのあさぢがもとの刈萱の乱れてものを思ふころかな(是則集)

人めさへかれゆく霜のふるさとに残るもさびし庭の冬草(新後拾遺和歌集)

霜むすぶ草の袂の花すすきまねく人めも今やかれなむ(続千載和歌集)

かれはつる契りもつらし跡絶えてふる野の道の霜のした草(続千載和歌集)

枯れのこる霜のした草ありとだに人に知られぬうき身なりけり(新千載和歌集)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

枯野(かれの)/冬の野

2011年10月20日 | 日本古典文学-和歌-冬

はるあきの花のをりにもまさりけり霜枯れわたる野べのけしきは(源大納言家歌合)

冬されば野原もいとど霜枯れてものさびしくもなりまさるかな(夫木抄)

さびしさは秋みしよりも真葛はふ小野のあさぢの冬がれの色(詩歌合)

あさぢはら霜のした葉は枯れはてて見しにもあらぬ野べの色かな(新続古今和歌集)

見し秋の露の花野のおもかげはのこるともなき霜のした草(天正五年親王家五十首)

霜枯れの草のしげみにかくろへてひと花のこる女郎花かな(夫木抄)

しもがれのあさぢ色づ く冬野には尾花ぞ秋のかたみなりける(続拾遺和歌集)

をのづ からのこる小笹(をざさ)も霜さえてひとつ色なる野べの冬くさ(新千載和歌集)

ふけゆけば置きそふ霜は見えわかで月にぞなびく小野の篠はら(新続古今和歌集)

(2009年11月18日の「枯れ野」の記事は削除しました。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初霜

2011年10月17日 | 日本古典文学-和歌-冬

難波潟入り江の浪に風さえて葦の葉しろき夜半の初霜(続後拾遺和歌集)

有明の残るもうすき庭の面(おも)にそれかとばかり置ける初霜(新続古今和歌集)

草の葉にむすびし露のけさみればいつしか霜になりにけるかな(続後撰和歌集)

初霜も置きにけらしな今朝みれば野べのあさぢも色づ きにけり(詞花和歌集)

いつのまに苔さへ色のかはるらむ今朝はつ霜のふるさとの庭(風雅和歌集)

初霜の岡の茅原(かやはら)いつのまに秋みし露のむすびかふらむ(新千載和歌集)

うら枯れて野ぢさへ色ぞかはりぬる初霜しろし谷のかげ草(正治二年初度百首)

なよ竹のよながき上に初霜のおきゐてものを思ふころかな(古今和歌集)

よをかさねうきふし見えて笹の葉におく初霜といかで消えなむ(新後拾遺和歌集)

(2009年11月17日の「初霜」の記事は削除しました。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする