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園長のつぶやき

こんにちは 長坂保育園の園長です。日々成長する子ども達を見ながら、日頃の思いを綴ります。

飲食乾坤

2012-09-05 10:24:54 | 日記

園長です。

 昨日、9月4日、服部幸應氏の講演会に行ってきました。地方の片田舎ではなかなか聞くことのできない先生ですので、是非聞いてみたいと思いました。先生は「食育」の提唱者で、「食育基本法」の推進者でもあります。日本人の食のあり方に疑問と危機感を持ち、堕落した日本人を救うためには「食の健全性」を取り戻すことが重要だと考えたようです。講演では世界中を回り、食の様子を見たり、家庭や教育の様子を聞いたりした内容で、現在の日本はその中でも危機的状態にある環境だそうです。日本の食糧自給率が39%であることから始まり、世界では日本に食糧を輸出しない雰囲気にあること、日本の経済力の低下で、国力の衰退、日本人自体の危機感の喪失などこれから日本を背負っていく子供たちを育てている私たちには大変面白くない内容、言い換えれば日本の教育制度の崩壊がもたらした日本自滅の道筋を「食」を通して話してくれました。一部「子供は3歳まで親から離すな」的な内容には納得しかねる部分もありましたが、我が家の家庭を振り返ってみても、私が育ったころとは食卓の様子がずいぶん変わったような気がします。私の母親はあまり料理が得意ではなく、おふくろの味・・・というものは特になかったように思います。時代もあまり豊かな状態ではなく、野菜が中心で、肉料理の思い出は、の人たちが近くで獲ってきた来た「キジ」肉と「うさぎ」肉が最初でした。ウサギの肉は色が赤く「因幡の白ウサギ」を連想させました。キジは今も我が家の近くでは普通に見られますが、捕獲するまでには至っておりません。当時は肉料理は特別な日でないと口にできない時代でした(我が家だけだったのかもしれませんが・・)。調味料も塩が中心で、味噌と醤油は欠かせませんでした。冬になると全員が勢ぞろいして「味噌つくり」をした記憶があります。「味の素」などの化学調味料は当然無く、昆布、煮干しでだしを取るのが普通でした。我が家は農家だったので両親は朝早くから夜遅くまで外で仕事をしていたので、小学生のころは自分でお昼ご飯を作って食べていました。おかずはほとんどが漬物中心で、たまには放し飼いにしていた鶏から生みたての卵を失敬して、「茶わん蒸しもどき」を作って食べたりしました。今の私は、当時の鶏と卵で大きくなったといっても過言ではないような気がします。大学時代も気が向けば自炊をしていたので、自分では食に困ったことはなかったような気がします。

 結婚してからは妻が「食育」担当になったので、私は「食べる専門」になってしまいました。はっきり言って妻は料理が上手です。妻の父親が味にうるさい人だったらしく、味付けには特に心がこもっています。最近はインスタントみそ汁が出てくることが多くなりましたが、子供たちが小さかったころは「昆布」と「煮干し」でしっかりだしを取っていたことを思い出します。妻の作る料理の中で私が一番おいしいと思うのは・・・「茶わん蒸し」です。毎年、大みそかの夜は、ごちそうを作り、いただくのですが、妻が作った「茶わん蒸し」は自分が言うものなんですが、絶品です。我が家の子供たちが全員集まることは最近多くはありませんが、集まると「茶わん蒸し」コールが起こります。基本的に「煮物」が得意な妻の料理ですが、高野豆腐と私が収穫したキノコで作った煮物は最高です。まさに「おふくろの味」だと思います。女性にとって「料理」は大事です。最近は「主夫」なる男性も増えてきましたが、「親父の味」というまでは表現しないのではないかと思います。料理人の世界は男性社会ですが、家庭の料理は女性にはかなわないと思います。我が家の娘たちも料理を作るのは楽しいらしく(長女はだいぶ苦戦しているらしい)、これからが楽しみです。ちなみに末娘は今年から料理学校へ通っていて、たまに晩御飯のおかずを作ってくれるようになりました。現代風の味付けが多いのですが、たまに食べると新鮮でおいしいです。ちなみに「マイ包丁」も何本か持っているので、あまり気分を害さないように気を付けています。とにかく人間が生きていくうえで「食」は大切です。食卓と教育は同じだと先生は言っています。表題の「飲食乾坤」(いんしょくけんこん)は先生の座右の銘だそうです。乾坤は天と地を表し、食は大切だということを言っています。「乾坤一擲」(けんこんいってき)ということわざもありますが、食は博打ではありません。天下の大一番でもありません。毎日の食事を大切にしましょう。「早寝、早起き、朝ご飯」は基本中の基本です。家族の大事な「団欒」を守るためにも心にとどめておきたい言葉です。これを機にもう一度食育について真剣に考えてみたいと思います。

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