園長です。
3月12日。地元中学校で卒業式がありました。ここは私の母校でもあり、各小学校に分かれた卒園児たちが再び一緒になり3年間を過ごします。今年の卒業生の中に卒園児は十数名いました。保育園時代と名字が変わっている子もあり、名簿だけでは判断できなかったので正確な人数はわかりませんでした。姿かたちも大きく変わった子。一目でわかる体だけが大きくなった子など9年間の歳月を考えさせられた時間でした。
その式の中で校長先生の言葉が心に残りました。ある人の言葉を引用した言葉だそうです。内容は「人は、心に二つのバケツを持っています。ひとつは黄金水が入るバケツ。もう一つは泥水が入るバケツ。黄金水は他人が入れてくれるもので、自分では入れられない。良い評価や誉め言葉、他人への思いやりで増えていく。泥水は、いじめや暴力、汚い言葉、裏切りなどで増えていく。あふれた水は一番身近な人のバケツへ足されていく。たとえば両親、親友、大事な人。どうか皆さんは泥水でなく黄金水を溢れさせてください。」ということでした。うまく説明できませんが、私自身とても納得でき、こころに響く話でした。自分の意見を通そうとし、ついつい声を荒げたり、自分を飾ったりして、今まで泥水をいくら増量したでしょう。きっとバケツから水があふれ、身近な人へ感染したかもしれません。今日からこの言葉を思い出し、心安らかに過ごしていきたいと思います。
3月は私たちにとって「師走」ともいえる月です。年度末、年度始めの準備から、事業計画、予算、決算、事業報告と役所や官庁へ足しげく通わなければなりません。保育園でも19日が卒園式で準備に余念がありません。昨日、卒園児一人ひとりの「卒園証書」を書きました。これまでの保育園生活を思い出しながら、気持ちを込めて書かせてもらいました。・・・しかし、字が書けない。パソコンでの書類作りがおおいので毛筆(筆ペン)の感覚が戻らない。(私は幼少のころ書道を習っており実は有段者なのです。段位は「じょうだん」。)昔は少し賞状を犠牲にしてもかけたのですが、卒園児の倍以上の卒園証書を書き損じてしまいました。中には字のバランスがとりにくい字があり、一人の証書に10枚ほどかかったものもありました。「誰か上手な人に書いてもらったら・・」と副園長は言うのですが、こども一人ひとりへ私の思いを伝えるために頑張っています。子どもたちは「もっと上手な字がいい。」と言うかもしれませんが、字は上手下手ではないのです。気持ちなのです。卒園式が終わったとじっくり見てください。私が君たちに心をこめて書いた君たちの名前が輝いて見えるはずです。卒園おめでとう。
最近、なかなかブログが書けない状態だったのですが、卒園証書を書きあげたら心に余裕が出来たようです。これから新年度の準備も始まりますが、自分を見失わないよう「黄金水」が増えていくような気持ちで頑張りたいと思います。