奥州南部糠部三十三観音十二番札所、我が園の守り神でもある隅の観音堂。保育園から子どもの足で約5分、あっちを見たり、こっちの犬にちょっかいを出しながらも交通ルールを守り、行きかう自動車に手を振りながらの5分です。根城の広場へ行くよりも近いです。この観音堂は商売繁盛でご利益があるといわれますが、我が園では大事な行事や子ども達に結束の必要があるときによく行きます。最近は「コロナ退散」の祈願も欠かせなくなりました。お堂自体は古く、いつ崩壊してもおかしくないくらいですが、その分歴史も感じられます。お堂は周りよりも少し高い位置にあり、太い杉やイチョウ、欅の木が生い茂り、何となく厳かな雰囲気を醸し出しています。
クラスごとにお堂に行き、それぞれお参りしますが、年長組と年中組はお堂の中に入らせてもらい、うす暗い中で七五三を報告します。七五三なのですがほとんどはサッカー大会での報告と来年度の活躍のお願いです。まさに「神頼み」が優勝のキーポイントです。しっかりお願いしてから記念写真を撮ります。
0歳児クラスもお参りしますが、お堂の中が見えると泣き出します。やはりいつもと違う場所だという畏怖の心を感じるのでしょう。
お堂の中は、歴史の宝庫です。えんぶりの烏帽子も保管されていて、この地域の繁盛ぶりがわかります。
神仏混合の観音様ですので、二礼二拍手一礼でも良いし、静かに手を合わせお祈りしても構いません。我が園では一応「神式」を取り入れて二礼二拍手一礼で拝んでいます。子ども達の顔も少しだけ真剣みを見せているのが可愛いです。子ども心にも何となく、神様の存在を身近に感じる場所になっていると思います。ITや機械化が進んでも心のよりどころになってほしいものだと思います。困ったときにはここを訪れ、心静かに瞑想して元気を取り戻す場所にしてほしいと願っています。神も仏もあるんだよ、シンジルモノハ スクワレル。
お参りをし、写真を撮った後は、来た道を降りていきます。私が保育園に勤めて40年、変わらぬ七五三の風景がここにはあります。いつまでも大事にしたい場所の一つです。