自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

大放浪 その2

2005-05-04 | オーディオ・ドラマ
*続きです。その1からご覧下さい。

ツトムが合流地点へバイクを走らせて行くと、またまたブロムフィールド登場!(笑)
突如登場するのも全く前と同じでした。
合流地点で待っていた物、それは巨大な飛行船タイタンだった。
R.R がやがて地上に疫病が流行する事を見越して建設した飛行船だ。
この飛行船は現代の「ノアの箱舟」であり、ツトムはR.R に選ばれた人間の一人だった。
地上で人類が全滅した後、選ばれた彼らが新しい「アダム」と「イブ」になるのだ。

乗船客達は、エリート中のエリート。その為かやや自己中心的な人物もいる様だった。
羽佐間さんのジョン・ロバーツはマサチューセッツ工大の若い教授。専門は量子力学。
小谷野さんのマーシャの専門は核融合理論。
堀さんのファン・ロドリゲスは遺伝子工学の専門家と言った具合。
そんな中で、六朗さんのドン・マルツバーグがとても優しい感じでした。
マルツバーグは詩人。ちょっと繊細な感じだった。

飛行船は地球を巡りながら、さらにゲストをピックアップして行く。
ほとんどの乗船客は若者だったが、ただ一人高齢の大哲学者ジャン・ピエール・シモン(厳金四郎)がパリで若い妻イサベル(武藤礼子)を伴って乗船してくる。イサベルは有名なピアニストだった。

イサベルの夫のシモン氏は、本当はこのノアの箱舟計画には反対だった。
人間が人間を選ぶと言う考えに耐えられなかった。が、若い妻を死なせたくなかった。
例え妻の為とは言え、自分の信念を貫けなかった彼は、悩み続け自殺する。

イサベルは少しでも夫の意思を継ごうと考え、飛行船の中枢部に時限爆弾をしかける。
そしてツトムを誘いタイタンから遠く離れた海へ向かう。
その間にエンジンの近くに仕掛けられた爆弾が爆発。
悟朗さんのブロムフィールドが陰険(笑)に犯人の捜索をし、イサベルが犯人である事を突き止め、彼女をタイタンから追放する。
イサべルを愛しているツトムも一緒に船を降りる決心をし、この計画は間違っている、一緒に船を降りる者はいないか?と他の乗船客に問うが、ツトムに共感し行動を共にしたのは、ドン・マルツバーグ(六朗さん)一人だけだった。

ツトム、イサベル、マルツバーグは絶海の孤島に置き去りにされるが、アメリカ海軍の原子力潜水艦アーマゲドンに助けられる。アーマゲドンは、NATO の命令でタイタンの後を追っていた。
NATOは疫病の病原菌を創り、世界中にばら撒いたのが R.R である事を突き止め、追跡していたのだ。疫病に対抗するワクチンを入手する事が最優先の指令だった。

タイタンは日本へ向かっていた。
ツトム達が日本の八丈島に降りると、そこには沢山の日本人が銃殺されていた。
彼らもまたタイタンに乗るはずだったが、イサベルの爆弾のせいでタイタンの浮力が落ち、これ以上乗客を乗せるのは危険だと船長が判断した為、殺されたのだった。
乗務員のシェパード(中田浩二)は、この殺戮に反対した為、リンチに合い、島に残されていた。
シェパードは死に際にタイタンがハワイのオアフ島へ向かっていると告げる。

タイタンはハワイの基地に停泊していた。
ブロムフィールド(またまた登場!!笑)がタイタンから降り立って来た。
イサベルの爆弾は船体には被害を及ぼさなかったが、爆発のショックで、ワクチン製造室の培養菌が飛び散った。その為船内の病原菌の密度が濃くなり、全員がネクターを大量に再投与した。
ネクターのお陰で疫病の発病は防げたが、ネクターには彼らが知らなかった副作用があった。
大量にワクチンを服用すると即効性のガンを誘発するのだ。全員そのガンの為に亡くなってしまい、ブロムフィールドが最後の生存者だった。
彼はR.R のノアの箱舟計画が完全な失敗に終わった事を痛感し、ワクチンとその製造法を置きに降り立ったのだ。ツトム達が来ている事を知ったブロムフィールドは彼らにワクチンを託して、船へ帰っていった。
タイタンを安息の場所に選んだのだった。
死んでも R.R の側に居たいと言うのが彼の願いだった。

結局最後はいい人(?)になって、なかなか美味しい役だったと思います。(笑)

ツトムとイサベルは、ハワイに残る決心をする。

最初から最後まで、お上手な方ばかりで面白かったです。
若山さんが登場されていたのを、当時「スゴイ」と思いました。
そして悟朗さんは、絶対にとっても得な役でした!!(笑)
こんな大掛かりなドラマを放送してくれて感激でした。

原作:田中光二(徳間書店)

*以下はERI様の資料を参考にさせて頂きました。
有難う御座いました。(2010年6月1日追加)

脚色:田波靖男
演出:宮田修
1978年8月19日放送(1978年7月29日、30日収録)

(注)この作品の初版は1977年。ドラマはそれ以降の作品だと思います??
*このドラマ放送をご記憶の方が他にもいらっしゃいましたら、何卒ご連絡下さい。

2010年5月31日追記:放送日が分かりました。有難う御座いました。


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大放浪 その1

2005-05-04 | オーディオ・ドラマ
「大放浪」 (1970年代後半?(注)) 文化放送? 
1978年8月19日放送(1978年7月29、30日収録)NHK
*放送日、放送局資料:ERI様 (2010年5月31日追記)
役名:ポール・ブロムフィールド

田中光二原作のSF「大放浪」のラジオドラマ化です。約2時間の超大作。
わざわざ、松崎しげるさんの歌うテーマソングまで作られていました。
そしてビックリする様な豪華なキャストでした。(これは生ドラマではありません。)

キャスト

ツトム・カナコワ・フォックスワース:仲村秀生 
ブルー・ローズ:鈴木弘子 
ロバート・ロバートソン(R.R):若山弦蔵  
ポール・ブロムフィールド:納谷悟朗
マーシャ・ロマノフ:小谷野美智子 
ジョン・ロバーツ:羽佐間道夫 
ファン・ロドリゲス:堀勝之祐 
ドン・マルツバーグ:納谷六朗 
ビリングワース船長(タイタン):島宇志夫 
イサベル・シモン:武藤礼子 
ジャン・ピエール・シモン:厳金四郎
クレイトン艦長(米海軍、アーマゲドン):小林修 
プレスコット副長(アーマゲドン):小林恭治
ルビー:池田昌子 
シェパード:中田浩二
寺島幹夫 他

全編を通して出てきたのは、主役の仲村さん。
そして、悟朗さんはその次ぐらいにセリフがあったかも??
出演者が多い中、最初から最後まで結構出番があって感激でした。

ツトムはハワイ出身で、カリフォルニア工科大学で気象工学を専攻する学生。
彼はとても優秀な頭脳の持ち主だった。
仲村さん、相変わらず甘い感じで素敵でした。ツトムの独白がナレーションになっており、仲村さんの出番がとても多かったです。

ある日ツトムは大富豪の通称「R.R」こと、ロバート・ロバートソン(若山弦蔵)からパーティの招待を受ける。
悟朗さんはこの R.R の秘書のブロムフィールド。
いつも影の様に、すっと現れる彼。とても礼儀正しいが、何となく傲慢な感じが底にある面白いキャラでした。R.R を心から尊敬し、忠誠を尽くしていた。
声も最高にカッコ良かったです!!!

ブロムフィールドのやり方は、パーティに出席する為RR邸へ向かうツトムの車をつけて、ある所まで行くと、ツトムの車を追い越して止まる・・・と言う具合。
自分のプライバシーを極度に重視するR.R 。彼が 招待したのはツトムだけであり、ツトムが一人かどうか、誰かに追われていないか、一応確認したと言うブロムフィールド。
彼にとって R.R の意思は絶対らしかった。

ブロムフィールドの案内で、ツトムがR.R 邸へやってくると、まず全身を消毒され、仕上げにピンク色のドリンクを飲まされる。
ルビー(池田昌子)が「これであなたは神との契約が済みました。もう不老不死の体となったのです。」と宣言する。ドリンクは神の酒「ネクター」と言う訳らしかった。
その後、パーティ会場へ赴くと、そこには若く眉目秀麗で優秀な人間ばかりが集められていた。
R.R はツトムに銀色のロケットを呈する。
そして近い将来、君にはそれが必要だと告げる。

ツトムは恋人のブルー(鈴木弘子)と大西洋の孤島でバカンスを楽しんでいた。
ブルーはツトムのロケットが嫌いだった。
他の女の子から貰った物と信じているが、それはR.R がツトムに贈ったロケットだった。
二人がカリフォルニアへ戻ると、全てが変貌していた。
疫病が流行し、人がどんどん死んでいるのだ。

やがてブルーも発病し亡くなってしまう。
しかしツトムには何も起らなかった。あの「ネクター」のお陰なのか?
そしてR.R の銀のロケットの中央にある赤いライトが点滅し始める。
ロケットの電子ロックが外れた合図だった。中には地図が入っており、合流地点が示されていた。


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