昨年3月のブログは、『旅先ジョギング』と題して、
由仁町「ユンニの湯」に宿泊した朝のジョギングと、
都心の皇居周辺を走った体験を書いた。
そして最近だが、何回か『旅ラン』というテレビ番組を見た。
主に東京都内になるが、10キロ程度の行程を走りながら、
ランナーが道沿いで目に止まったものを紹介していた。
私の旅先での体験も同じで、
いつもとは違うランニングコースが、
意外な新鮮さに触れさせてくれ、楽しいのだ。
走ることにプラスアルファが加わる、
と言っていいのだろう。
あるランナーが、
『旅先でRUNを勧める5つの理由』を上げていた。
① 「ただの観光」だけでは気づかない発見がある
② 「発見」にワクワクするから距離が気にならない
③ 普段走らない人ほど意外と走れる
④ 友だちと走ると旅の思い出が圧倒的に充実する
⑤ 「土地勘」が良くなる
私の体験も『旅ラン』も5つの理由通りで、納得する。
さて、それ以外に旅先でのRUNに、
惹かれることはないだろうか。
探してみた。2つ記す。
▼まだ道端に根雪が残る春先のことだ。
まもなく95歳を迎える義母を誘って、
1泊の予定で温泉に行った。
いつもなら母が暮らしている同じ市内の、
奥地にある温泉ホテルに行く。
しかし、今年は少しだけ遠出をした。
母の所から、車で1時間余りのところだ。
広大な石狩平野のはずれ、小高い丘の中腹に、
その温泉宿舎はあった。
夕暮れが迫っている頃だった。
その宿舎までのダラダラと続く、
やや傾斜のある坂道に愛車がさしかかった。
その上り坂で、道路脇を1人2人、
時には5人程が縦に並んで走る人たちがいた。
男性だけでなく、女性もいた。
ランニング用の小さなナップザックを背負ったランナーも。
どの人も、1歩1歩ゆっくりと坂道を駆け上っていた。
その足どりには、疲労感が漂って見えた。
宿舎の広い駐車場まで進むと、
10数人のランナーが腰を下ろしていた。
「雪融けを待って、今日、
ランニングサークルで走っているんだ。」
そう思いつつ、母と家内、私の3人、
温泉施設の玄関を入った。
しばらくしてから、入浴しにいった。
日帰り温泉を兼ねたお風呂は、予想以上に混んでいた。
その更衣室に、ランナー姿の方がいた。
興味がわいた。
思い切って尋ねてみた。
「ここまでの坂道を走っていた方ですよね。」
「はい。」
「どこからですか。」
私の問いかけに、遠慮がちに答えてくれた。
「白石駅からです。」
驚いた。
私の知っている白石駅は、札幌にあるのだ。
半信半疑で、再び訊いた。
「ここまで、どの位ですか。」
「60キロちょっとですね。」
「そうですか。それは・・」。
間違いなく札幌から走ってきたのだ。
もう私には、言葉がなかった。
同時に、ゆっくりとした足どりで、
あの坂を上っていた訳が分かった。
実は、あのダラダラとした、やや傾斜のきつい坂を、
上るのは無理だろうと思っていた。
でも、一応ジョギングの準備だけはしてきていた。
まさに触発された。
60キロを走っても、上りきった坂道だ。
5キロの終わりに駆け上れない訳がない。
尻込みするのが、恥ずかしかった。
翌朝、家内を誘って、宿舎から坂道を下り、
平坦な道をしばらく走り、2,5キロで折り返した。
坂道からは、石狩平野に広がる雪融けの農地が、
大空の下どこまでも続いて見えた。
二人して息を切らせながら、
その北の大地の田園に、時々目をやりながら、
坂道を上がり、そして上りきった。
昨日のランナー達の10分の1にも満たない距離だ。
でも、坂道での出逢いがあったから、
だから走れた坂道だった。
吐く息が白いのに気づいたのは、
5キロを走り終えてからだった。
体が冷える前に、温泉に浸かった。
RUNを終えての『朝湯』、これがまたいい。
札幌のランナー達に、感謝!
▼ 結婚してから伊達に移住するまでの約40年余り、
何度か転居はしたが、ずっと千葉市の海浜地区で暮らしていた。
3年程前になる。
所用で、千葉へ行った。
なので、あの頃の最寄り駅、
その隣駅にあるホテルに宿泊した。
翌朝、旅先RUNに出た。
40年も暮らした近辺である。
周辺の道の土地勘には自信があった。
5キロのRUNを予定し、
事前にコースを設定し、その道を走り出した。
見慣れないビルやマンションが建っていた。
建築中のものもあった。
変わりゆく街の活気に、
今の暮らしとは随分と違うと感じながら、
朝の爽やかな風を切った。
埋め立て地の平坦な道の途中で、
GPS機能の腕時計で走行距離を確認した。
驚いた。
想定していた距離と、大きく違っていた。
車ではよく通った道ばかりだ。
でも、走るのは初めてだった。
その距離感には、すごいギャップがあった。
思っていたほど走った距離が、長くないのだ。
所々でコースを変更し、距離をのばした。
「5キロがこんなに長いとは・・」。
不思議な感覚と、いつもより疲れを感じながら、
ホテルまで戻った。
「なぜだ?」。
今も納得できずにいる。
確かに初めてのRUNコースだ。
歩いたこともない。
だが、車ではよく通った道だ。
両脇の景色だって見慣れている。
なのに、あの距離感の違いは、なんだ・・。
私を納得させるには、
もう一度あの道を走るしかないのでは・・・。
『呆れる!』
花菖蒲? アヤメ? どっち?
由仁町「ユンニの湯」に宿泊した朝のジョギングと、
都心の皇居周辺を走った体験を書いた。
そして最近だが、何回か『旅ラン』というテレビ番組を見た。
主に東京都内になるが、10キロ程度の行程を走りながら、
ランナーが道沿いで目に止まったものを紹介していた。
私の旅先での体験も同じで、
いつもとは違うランニングコースが、
意外な新鮮さに触れさせてくれ、楽しいのだ。
走ることにプラスアルファが加わる、
と言っていいのだろう。
あるランナーが、
『旅先でRUNを勧める5つの理由』を上げていた。
① 「ただの観光」だけでは気づかない発見がある
② 「発見」にワクワクするから距離が気にならない
③ 普段走らない人ほど意外と走れる
④ 友だちと走ると旅の思い出が圧倒的に充実する
⑤ 「土地勘」が良くなる
私の体験も『旅ラン』も5つの理由通りで、納得する。
さて、それ以外に旅先でのRUNに、
惹かれることはないだろうか。
探してみた。2つ記す。
▼まだ道端に根雪が残る春先のことだ。
まもなく95歳を迎える義母を誘って、
1泊の予定で温泉に行った。
いつもなら母が暮らしている同じ市内の、
奥地にある温泉ホテルに行く。
しかし、今年は少しだけ遠出をした。
母の所から、車で1時間余りのところだ。
広大な石狩平野のはずれ、小高い丘の中腹に、
その温泉宿舎はあった。
夕暮れが迫っている頃だった。
その宿舎までのダラダラと続く、
やや傾斜のある坂道に愛車がさしかかった。
その上り坂で、道路脇を1人2人、
時には5人程が縦に並んで走る人たちがいた。
男性だけでなく、女性もいた。
ランニング用の小さなナップザックを背負ったランナーも。
どの人も、1歩1歩ゆっくりと坂道を駆け上っていた。
その足どりには、疲労感が漂って見えた。
宿舎の広い駐車場まで進むと、
10数人のランナーが腰を下ろしていた。
「雪融けを待って、今日、
ランニングサークルで走っているんだ。」
そう思いつつ、母と家内、私の3人、
温泉施設の玄関を入った。
しばらくしてから、入浴しにいった。
日帰り温泉を兼ねたお風呂は、予想以上に混んでいた。
その更衣室に、ランナー姿の方がいた。
興味がわいた。
思い切って尋ねてみた。
「ここまでの坂道を走っていた方ですよね。」
「はい。」
「どこからですか。」
私の問いかけに、遠慮がちに答えてくれた。
「白石駅からです。」
驚いた。
私の知っている白石駅は、札幌にあるのだ。
半信半疑で、再び訊いた。
「ここまで、どの位ですか。」
「60キロちょっとですね。」
「そうですか。それは・・」。
間違いなく札幌から走ってきたのだ。
もう私には、言葉がなかった。
同時に、ゆっくりとした足どりで、
あの坂を上っていた訳が分かった。
実は、あのダラダラとした、やや傾斜のきつい坂を、
上るのは無理だろうと思っていた。
でも、一応ジョギングの準備だけはしてきていた。
まさに触発された。
60キロを走っても、上りきった坂道だ。
5キロの終わりに駆け上れない訳がない。
尻込みするのが、恥ずかしかった。
翌朝、家内を誘って、宿舎から坂道を下り、
平坦な道をしばらく走り、2,5キロで折り返した。
坂道からは、石狩平野に広がる雪融けの農地が、
大空の下どこまでも続いて見えた。
二人して息を切らせながら、
その北の大地の田園に、時々目をやりながら、
坂道を上がり、そして上りきった。
昨日のランナー達の10分の1にも満たない距離だ。
でも、坂道での出逢いがあったから、
だから走れた坂道だった。
吐く息が白いのに気づいたのは、
5キロを走り終えてからだった。
体が冷える前に、温泉に浸かった。
RUNを終えての『朝湯』、これがまたいい。
札幌のランナー達に、感謝!
▼ 結婚してから伊達に移住するまでの約40年余り、
何度か転居はしたが、ずっと千葉市の海浜地区で暮らしていた。
3年程前になる。
所用で、千葉へ行った。
なので、あの頃の最寄り駅、
その隣駅にあるホテルに宿泊した。
翌朝、旅先RUNに出た。
40年も暮らした近辺である。
周辺の道の土地勘には自信があった。
5キロのRUNを予定し、
事前にコースを設定し、その道を走り出した。
見慣れないビルやマンションが建っていた。
建築中のものもあった。
変わりゆく街の活気に、
今の暮らしとは随分と違うと感じながら、
朝の爽やかな風を切った。
埋め立て地の平坦な道の途中で、
GPS機能の腕時計で走行距離を確認した。
驚いた。
想定していた距離と、大きく違っていた。
車ではよく通った道ばかりだ。
でも、走るのは初めてだった。
その距離感には、すごいギャップがあった。
思っていたほど走った距離が、長くないのだ。
所々でコースを変更し、距離をのばした。
「5キロがこんなに長いとは・・」。
不思議な感覚と、いつもより疲れを感じながら、
ホテルまで戻った。
「なぜだ?」。
今も納得できずにいる。
確かに初めてのRUNコースだ。
歩いたこともない。
だが、車ではよく通った道だ。
両脇の景色だって見慣れている。
なのに、あの距離感の違いは、なんだ・・。
私を納得させるには、
もう一度あの道を走るしかないのでは・・・。
『呆れる!』
花菖蒲? アヤメ? どっち?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます