ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

旅先でRUN あれやこれや

2019-06-08 16:26:39 | ジョギング
 昨年3月のブログは、『旅先ジョギング』と題して、
由仁町「ユンニの湯」に宿泊した朝のジョギングと、
都心の皇居周辺を走った体験を書いた。

 そして最近だが、何回か『旅ラン』というテレビ番組を見た。
主に東京都内になるが、10キロ程度の行程を走りながら、
ランナーが道沿いで目に止まったものを紹介していた。

 私の旅先での体験も同じで、
いつもとは違うランニングコースが、
意外な新鮮さに触れさせてくれ、楽しいのだ。
 走ることにプラスアルファが加わる、
と言っていいのだろう。

 あるランナーが、
『旅先でRUNを勧める5つの理由』を上げていた。

 ① 「ただの観光」だけでは気づかない発見がある
 ② 「発見」にワクワクするから距離が気にならない
 ③ 普段走らない人ほど意外と走れる
 ④ 友だちと走ると旅の思い出が圧倒的に充実する
 ⑤ 「土地勘」が良くなる

 私の体験も『旅ラン』も5つの理由通りで、納得する。
さて、それ以外に旅先でのRUNに、
惹かれることはないだろうか。
 探してみた。2つ記す。

 ▼まだ道端に根雪が残る春先のことだ。
まもなく95歳を迎える義母を誘って、
1泊の予定で温泉に行った。

 いつもなら母が暮らしている同じ市内の、
奥地にある温泉ホテルに行く。
 しかし、今年は少しだけ遠出をした。
母の所から、車で1時間余りのところだ。

 広大な石狩平野のはずれ、小高い丘の中腹に、
その温泉宿舎はあった。

 夕暮れが迫っている頃だった。
その宿舎までのダラダラと続く、
やや傾斜のある坂道に愛車がさしかかった。

 その上り坂で、道路脇を1人2人、
時には5人程が縦に並んで走る人たちがいた。

 男性だけでなく、女性もいた。
ランニング用の小さなナップザックを背負ったランナーも。

 どの人も、1歩1歩ゆっくりと坂道を駆け上っていた。
その足どりには、疲労感が漂って見えた。 

 宿舎の広い駐車場まで進むと、
10数人のランナーが腰を下ろしていた。

 「雪融けを待って、今日、
ランニングサークルで走っているんだ。」
 そう思いつつ、母と家内、私の3人、
温泉施設の玄関を入った。

 しばらくしてから、入浴しにいった。
日帰り温泉を兼ねたお風呂は、予想以上に混んでいた。
 その更衣室に、ランナー姿の方がいた。
興味がわいた。
 思い切って尋ねてみた。

 「ここまでの坂道を走っていた方ですよね。」
「はい。」
 「どこからですか。」

 私の問いかけに、遠慮がちに答えてくれた。
「白石駅からです。」
 驚いた。

 私の知っている白石駅は、札幌にあるのだ。
半信半疑で、再び訊いた。
 「ここまで、どの位ですか。」
「60キロちょっとですね。」
 「そうですか。それは・・」。

 間違いなく札幌から走ってきたのだ。
もう私には、言葉がなかった。
 同時に、ゆっくりとした足どりで、
あの坂を上っていた訳が分かった。

 実は、あのダラダラとした、やや傾斜のきつい坂を、
上るのは無理だろうと思っていた。
 でも、一応ジョギングの準備だけはしてきていた。

 まさに触発された。
60キロを走っても、上りきった坂道だ。
 5キロの終わりに駆け上れない訳がない。
尻込みするのが、恥ずかしかった。

 翌朝、家内を誘って、宿舎から坂道を下り、
平坦な道をしばらく走り、2,5キロで折り返した。

 坂道からは、石狩平野に広がる雪融けの農地が、
大空の下どこまでも続いて見えた。
 
 二人して息を切らせながら、
その北の大地の田園に、時々目をやりながら、
坂道を上がり、そして上りきった。

 昨日のランナー達の10分の1にも満たない距離だ。
でも、坂道での出逢いがあったから、
だから走れた坂道だった。

 吐く息が白いのに気づいたのは、
5キロを走り終えてからだった。
 体が冷える前に、温泉に浸かった。
RUNを終えての『朝湯』、これがまたいい。
 札幌のランナー達に、感謝!


 ▼ 結婚してから伊達に移住するまでの約40年余り、
何度か転居はしたが、ずっと千葉市の海浜地区で暮らしていた。
 
 3年程前になる。
所用で、千葉へ行った。
 なので、あの頃の最寄り駅、
その隣駅にあるホテルに宿泊した。

 翌朝、旅先RUNに出た。
40年も暮らした近辺である。
 周辺の道の土地勘には自信があった。

 5キロのRUNを予定し、
事前にコースを設定し、その道を走り出した。

 見慣れないビルやマンションが建っていた。
建築中のものもあった。
 変わりゆく街の活気に、
今の暮らしとは随分と違うと感じながら、
朝の爽やかな風を切った。

 埋め立て地の平坦な道の途中で、
GPS機能の腕時計で走行距離を確認した。
 驚いた。
想定していた距離と、大きく違っていた。

 車ではよく通った道ばかりだ。
でも、走るのは初めてだった。
 その距離感には、すごいギャップがあった。

 思っていたほど走った距離が、長くないのだ。
所々でコースを変更し、距離をのばした。

 「5キロがこんなに長いとは・・」。
不思議な感覚と、いつもより疲れを感じながら、
ホテルまで戻った。

 「なぜだ?」。
今も納得できずにいる。
 確かに初めてのRUNコースだ。
歩いたこともない。
 だが、車ではよく通った道だ。
両脇の景色だって見慣れている。

 なのに、あの距離感の違いは、なんだ・・。
私を納得させるには、
もう一度あの道を走るしかないのでは・・・。

 『呆れる!』





  花菖蒲? アヤメ? どっち?    

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 71歳の薄暑 ~ 30Kまで... | トップ | まさかまさかの 展開 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ジョギング」カテゴリの最新記事