毎週月曜日の朝は、全校朝会があった。
5分間程度であったが、全校児童と全職員を前に話をした。
それを、12年間くり返した。
また、始業式、終業式をはじめ様々な全校行事でも、
壇上に上り、マイクの前に立った。
その都度、話題を決め、コンパクトに話をまとめようとし、
それでも、子どもや先生達に届けたい私の想いを言葉にした。
時には、若干の変化をと思い、
その場でできるゲームを全員でしたり、手品を披露したりもした。
また、私のマスコット人形『ダッチャン』を登場させたこともあった。
ふり返ると、そんな小さな工夫をしながら、
「子どもの背中を押してあげることができれば。」と、
そんな願いを、5分間に託したように思う。
不定期になるが、シリーズ『届けたかったこと』と題し、
全校に話したことを、記していくことにする。
1 『教室はまちがうところ』です
新しい学年が始まりました。
クラス替えがあった学年も、そうでない学年も、
まだワクワクした毎日ではないでしょうか。
そんな時だから、是非みなさんに紹介したい詩があります。
長い長い詩です。
もう何十年も前になりますが、
静岡市にある安倍川中学校の蒔田晋治先生が書いた詩です。
では、読みますね。聞いて下さい。
教室はまちがうところ
蒔田 晋治
教室はまちがうところだ
みんなどしどし 手をあげて
まちがった意見を 言おうじゃないか
まちがった答えを 言おうじゃないか
まちがうことを おそれちゃいけない
まちがったものを ワラッちゃいけない
まちがった意見を まちがった答えを
ああじゃないか こうじゃないかと
みんなでだし合い 言いあうなかでだ
ほんとうのものを みつけていくのだ
そうしてみんなで 伸びていくのだ
いつも正しく まちがいのない
答えをしなくちゃ ならないと思って
そういうとこだと 思っているから
まちがうことが こわくてこわくて
手もあげないで 小さくなって
だまりこくって 時間がすぎる
しかたがないから 先生だけが
かってにしゃべって 生徒はうわのそら
それじゃあちっとも 伸びてはいけない
神さまでさえ まちがう世の中
ましてこれから 人間になろうと
しているぼくらが まちがったって
なにがおかしい あたりまえじゃないか
うつむき うつむき
そうっとあげた手 はじめであげた手
先生がさした
どきりと胸が 大きく鳴って
どきっどきっと からだが燃えて
立ったとたんに 忘れてしまった
なんだかぼそぼそ しゃべったけれども
なにを言ったか ちんぷんかんぷん
わたしはことりと すわってしまった
からだがすうっと 涼しくなって
ああ言やよかった こう言やよかった
あとでいいこと うかんでくるのに
それでいいのだ いくどもいくども
おんなじことを くりかえすうちに
それからだんだん どきりがやんで
言いたいことが 言えてくるのだ
はじめからうまいこと 言えるはずないんだ
はじめから答えが あたるはずないんだ
なんどもなんども 言ってるうちに
まちがううちに
言いたいことの 半分くらいは
どうやらこうやら 言えてくるのだ
そうしてたまには 答えもあたる
まちがいだらけの ぼくらの教室
おそれちゃいけない ワラッちゃいけない
安心して 手をあげろ
安心して まちがえや
まちがったって ワラッたり
ばかにしたり おこったり
そんなものは おりゃあせん
まちがったって だれかがヨー
なおしてくれるし 教えてくれる
こまった時には 先生が
ない知恵しぼって 教えるで
そんな教室つくろうやあ
おまえへんだと 言われたって
そりゃあちがうと 言われたって
そう思うんだから しょうがない
だれかがかりにも ワラッたら
そう思うんだ なにが悪い
まちがってること わかればヨー
ひとが言おうが 言うまいが
おらあ自分で あらためらあ
わからなけりゃあ そのかわり
だれが言おうと こずこうと
おらあ根性 まげねえだ
そんな教室つくろうやあ
お話を終わります。
2 三つの汗を流す日がきた
心配していたお天気も回復し、絶好の運動会日和になりました。
町会長さんをはじめ、多くのご来賓の皆様をお迎えし、
また、皆さんのお家の方も、早朝からこんなにも大勢おいでくださり、
皆さんを囲んでいます。嬉しいですね。
ご来賓の皆様、そして保護者並びにご家族の皆様、
ご来校、誠にありがとうございます。
どうぞ、今日一日、
子ども達の勇姿に精一杯の声援を頂ければ、幸いに存じます。
さて、児童の皆さん、いよいよ待ちに待った運動会が始まりました。
運動会は、3つの汗を流す日です。どんな汗だと思いますか。
1つ目の汗、それは、自分のために流す汗です。
今日は、各学年ごとに短距離走をはじめ、
団体競技、団体演技などがあります。
そのために、皆さんは今日までしっかりと練習に取り組んできました。
そして、今日です。
その成果をどうぞ思う存分に発揮してください。
そして、自分のため、そう、あなた自身のために沢山の汗を流して下さい。
運動会の一つ目に流す汗、それはは、自分のために流す汗です。
続いて2つ目の汗、それは、友のために流す汗です。
運動会は、赤組は赤の勝利のため、白組は白の勝利のためにあります。
だから、自分の持っている力は、
赤の人は赤組勝利のために、白の人は白組勝利のために使うのです。
それは、競技だけではなく、応援も同じです。
今日は、赤組は同じ赤の友のために、白は同じ白組の友のために、
競技に、応援に沢山の汗を流す日です。
それが2つ目の汗です。
そして、3つ目の汗、それは何でしょう。
それは、みんなのために流す汗です。
朝早くから、いや昨日から、それ以前からも、
そして今日一日中、赤も白も関係なく、
運動会のためみんなのために、汗を流す仕事があります。
自分の椅子や友だちの椅子を運ぶ。この万国旗を張る。
鼓笛の演奏をする。そして、ラインを引いたり、
用具の出し入れをしたり、音楽を流したり、
色々色々とあります。
これらのの仕事のすべては、今日の運動会のため、
つまりは、みんなのために流す汗です。
運動会は、みんなのために流す汗があるからできるのです。
それが、3つ目の汗です。
さあ、運動会の始まりです。
今日一日、沢山たくさん、3つの汗を流しましょう。
みなさんの、流した汗に、そんな頑張りに、
おいで頂いたご来賓やお家の方々から、
きっと、惜しみない声援と拍手がいただけると、私は思います。
お話を終わります。
新雪の朝 2階の窓から見た有珠山
5分間程度であったが、全校児童と全職員を前に話をした。
それを、12年間くり返した。
また、始業式、終業式をはじめ様々な全校行事でも、
壇上に上り、マイクの前に立った。
その都度、話題を決め、コンパクトに話をまとめようとし、
それでも、子どもや先生達に届けたい私の想いを言葉にした。
時には、若干の変化をと思い、
その場でできるゲームを全員でしたり、手品を披露したりもした。
また、私のマスコット人形『ダッチャン』を登場させたこともあった。
ふり返ると、そんな小さな工夫をしながら、
「子どもの背中を押してあげることができれば。」と、
そんな願いを、5分間に託したように思う。
不定期になるが、シリーズ『届けたかったこと』と題し、
全校に話したことを、記していくことにする。
1 『教室はまちがうところ』です
新しい学年が始まりました。
クラス替えがあった学年も、そうでない学年も、
まだワクワクした毎日ではないでしょうか。
そんな時だから、是非みなさんに紹介したい詩があります。
長い長い詩です。
もう何十年も前になりますが、
静岡市にある安倍川中学校の蒔田晋治先生が書いた詩です。
では、読みますね。聞いて下さい。
教室はまちがうところ
蒔田 晋治
教室はまちがうところだ
みんなどしどし 手をあげて
まちがった意見を 言おうじゃないか
まちがった答えを 言おうじゃないか
まちがうことを おそれちゃいけない
まちがったものを ワラッちゃいけない
まちがった意見を まちがった答えを
ああじゃないか こうじゃないかと
みんなでだし合い 言いあうなかでだ
ほんとうのものを みつけていくのだ
そうしてみんなで 伸びていくのだ
いつも正しく まちがいのない
答えをしなくちゃ ならないと思って
そういうとこだと 思っているから
まちがうことが こわくてこわくて
手もあげないで 小さくなって
だまりこくって 時間がすぎる
しかたがないから 先生だけが
かってにしゃべって 生徒はうわのそら
それじゃあちっとも 伸びてはいけない
神さまでさえ まちがう世の中
ましてこれから 人間になろうと
しているぼくらが まちがったって
なにがおかしい あたりまえじゃないか
うつむき うつむき
そうっとあげた手 はじめであげた手
先生がさした
どきりと胸が 大きく鳴って
どきっどきっと からだが燃えて
立ったとたんに 忘れてしまった
なんだかぼそぼそ しゃべったけれども
なにを言ったか ちんぷんかんぷん
わたしはことりと すわってしまった
からだがすうっと 涼しくなって
ああ言やよかった こう言やよかった
あとでいいこと うかんでくるのに
それでいいのだ いくどもいくども
おんなじことを くりかえすうちに
それからだんだん どきりがやんで
言いたいことが 言えてくるのだ
はじめからうまいこと 言えるはずないんだ
はじめから答えが あたるはずないんだ
なんどもなんども 言ってるうちに
まちがううちに
言いたいことの 半分くらいは
どうやらこうやら 言えてくるのだ
そうしてたまには 答えもあたる
まちがいだらけの ぼくらの教室
おそれちゃいけない ワラッちゃいけない
安心して 手をあげろ
安心して まちがえや
まちがったって ワラッたり
ばかにしたり おこったり
そんなものは おりゃあせん
まちがったって だれかがヨー
なおしてくれるし 教えてくれる
こまった時には 先生が
ない知恵しぼって 教えるで
そんな教室つくろうやあ
おまえへんだと 言われたって
そりゃあちがうと 言われたって
そう思うんだから しょうがない
だれかがかりにも ワラッたら
そう思うんだ なにが悪い
まちがってること わかればヨー
ひとが言おうが 言うまいが
おらあ自分で あらためらあ
わからなけりゃあ そのかわり
だれが言おうと こずこうと
おらあ根性 まげねえだ
そんな教室つくろうやあ
お話を終わります。
2 三つの汗を流す日がきた
心配していたお天気も回復し、絶好の運動会日和になりました。
町会長さんをはじめ、多くのご来賓の皆様をお迎えし、
また、皆さんのお家の方も、早朝からこんなにも大勢おいでくださり、
皆さんを囲んでいます。嬉しいですね。
ご来賓の皆様、そして保護者並びにご家族の皆様、
ご来校、誠にありがとうございます。
どうぞ、今日一日、
子ども達の勇姿に精一杯の声援を頂ければ、幸いに存じます。
さて、児童の皆さん、いよいよ待ちに待った運動会が始まりました。
運動会は、3つの汗を流す日です。どんな汗だと思いますか。
1つ目の汗、それは、自分のために流す汗です。
今日は、各学年ごとに短距離走をはじめ、
団体競技、団体演技などがあります。
そのために、皆さんは今日までしっかりと練習に取り組んできました。
そして、今日です。
その成果をどうぞ思う存分に発揮してください。
そして、自分のため、そう、あなた自身のために沢山の汗を流して下さい。
運動会の一つ目に流す汗、それはは、自分のために流す汗です。
続いて2つ目の汗、それは、友のために流す汗です。
運動会は、赤組は赤の勝利のため、白組は白の勝利のためにあります。
だから、自分の持っている力は、
赤の人は赤組勝利のために、白の人は白組勝利のために使うのです。
それは、競技だけではなく、応援も同じです。
今日は、赤組は同じ赤の友のために、白は同じ白組の友のために、
競技に、応援に沢山の汗を流す日です。
それが2つ目の汗です。
そして、3つ目の汗、それは何でしょう。
それは、みんなのために流す汗です。
朝早くから、いや昨日から、それ以前からも、
そして今日一日中、赤も白も関係なく、
運動会のためみんなのために、汗を流す仕事があります。
自分の椅子や友だちの椅子を運ぶ。この万国旗を張る。
鼓笛の演奏をする。そして、ラインを引いたり、
用具の出し入れをしたり、音楽を流したり、
色々色々とあります。
これらのの仕事のすべては、今日の運動会のため、
つまりは、みんなのために流す汗です。
運動会は、みんなのために流す汗があるからできるのです。
それが、3つ目の汗です。
さあ、運動会の始まりです。
今日一日、沢山たくさん、3つの汗を流しましょう。
みなさんの、流した汗に、そんな頑張りに、
おいで頂いたご来賓やお家の方々から、
きっと、惜しみない声援と拍手がいただけると、私は思います。
お話を終わります。
新雪の朝 2階の窓から見た有珠山
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