オリビアは風になった。 ~追悼オリビア・ニュートン・ジョン
「あれから、どれくらいの時間が経ったの?」
「あれからって?」
「私の歌を聴かなくなってからよ。」
「ずいぶん、時間が経ったような気がするね。あのころは毎日のように聴いていたのに。」
「あれからの人生って、どうだったの?いろんなことあった?」
「そりゃそうさ。人生だもの。いろんなことがあったさ。ひとことでは、とても言えないくらい。」
「でも、あなたは本質的には何も変わっていない。いつも、カメラ持ってるでしょ。」
「そうかな?でも、確かにカメラは持ってる。」
「あなたはいつも言ってた。一瞬は永遠だ。そう写真で撮るように一瞬を切り取れば、すべては変わらない。永遠だって。」
「ふっ。そんな青臭いこと言ってたかな。」
「うそっ!あなたはそれを今でも信じているくせに。私と過ごした一瞬は永遠よ。」
彼女はそう、ささやくと虹色のプリズムのように揺らぎはじめた。
僕は彼女が消えてしまう前に慌てて、付け加えた。
「それから、いつまでも忘れないことも永遠だよ。」
青春の残像がまたひとつ、風になった。ありがとう。オリビア。
「オリビアを聴きながら」という曲はオリビア・ニュートンジョンさんの「Making a Good Thing Better」というアルバムタイトルに触発されて作りました。」と制作秘話を明かしたうえで「改めて感謝の思いを捧げたいと思います。どうか安らかに。」と思いを記した。(尾崎亜美) 同曲は杏里のデビューシングルとして1978年に発売。。「オリビアは淋しい心 なぐさめてくれるから」など名前も歌詞に登場。世代を超えた名曲として知られている。
「話すことなど何もない
Making good things better
愛は消えたのよ 二度とかけてこないで」
聴くたびに、今でも、心のどこかがチクリとする。
今回は中村美優さん、みーちゃんのカヴァーで。