神様の住まう「大神島」へ ~宮古島・旅紀行 ⑯
宮古島の北東約4キロに浮かぶ、美しい三角形の形をした大神島(おおがみじま)は昔から「神様が住まう島」として神聖視され、島外の人が見てはならない秘祭ウヤガンや入ってはならない聖域があるなどのミステリアス・アイランドだ。
宮古島からは他の島のような大橋は、もちろんなく、島尻港からの1日たった4~5往復の連絡船が唯一、島へ渡る手段である。
秘境大好きな私はワクワクしながら、その小さな連絡船「ウカンかりゆす」に乗り込んだ。
約15分の航海である。
神様に呼ばれなければ行けない島。
無事、上陸できたところをみると、私は神様には嫌われていないようだ。
港では島の "看板犬ユリ” が出迎えてくれた。
大神島は周囲約3キロの小さな島で、現在人口は20人ほど、猫は人口を上回る60数匹、そして、犬は一匹の看板犬のみ。
ユリは連絡船の入港を待ち構え、上陸する島民や客を出迎えるのが日課らしい。
「神の島」といわれるだけあり、神祭ウヤガンのある日には、観光客の立ち入りが禁止されている大神島。
また、そうでない日でも無断で入ってはいけない "聖域” が存在するなど、島特有のルールがある。
聖域立ち入りだけでなく、ドローン撮影、カヤック等使用やキャンプ・野宿も禁止されている。
また、貝や石ころに至る島内のもの、すべて、島外へ持ち出すことも禁止されている。

港前の島唯一の食堂 兼 土産物店 兼 民宿の「おぷゆう食堂」で腹ごしらえ。


各家の門の両サイドにはシーサーのように、「水字貝」(すいじがい)が置かれていた。
角が飛び出した貝で、漢字の「水」のような形をしているところから「水字貝」と呼ばれている。
この貝、水難を防いだり死者の霊が侵入するのを防ぐ魔除けの役割を担っているそうだ。




小さな集落ながら、コミュニティ・センターもある。


集落の中心にある「カー(井戸)」。
今はもう使われていないが、かつては200人ほどいた島民の生活用水をここから確保していた。

給水塔?の遺構などもあり、水が如何に貴重だったかを窺わせる。

