「幸せの青い鳥」 ~“ルリビタキ”
ずっと、探していたのに、現れるときは突然だ。
鮮やかな瑠璃色の鳥が私の目前を横切った。
「ルリビタキ」・・・メーテルリンクの「青い鳥」のモデルとも云われている鳥だ。
そして、小さい頃、大好きだった、あの物語を思い出した。
クリスマスイヴ、貧しい木こりの家では2人の子どもが寝ていました。
兄のチルチルと妹のミチルです。二人の部屋には醜い妖女が現れ、「これからわたしの欲しい青い鳥を探しに行ってもらうよ」といいます。
妖女から、ダイヤモンドのついた魔法の帽子を貰ったチルチルとミチルは、光やイヌやネコやパンや牛乳や砂糖や火や水たちと一緒に不思議な冒険の旅に出かけます。
「思い出の国」で青い鳥を見つけますが、これは籠に入れると黒い鳥に変わってしまいました。
二人は、その後も「夜の御殿」「森」「墓地」を訪れ、こわい思いをしながら青い鳥を探し続けます。
「森」の中で青い鳥を見つけますが、捕まえられませんでした。
「夜の御殿」では捕まえることに成功しますが、死んでしまいました。
「幸福の花園」を経て、最後に訪れた「未来の王国」でも青い鳥を捕まえますが、赤くなってしまいます。
こうして、二人は妖女との約束を果たすことができず、失意のうちに家に帰ってきます。
そこへ隣に住んでいるおばあさんがやって来て、病気の娘がチルチルの飼っている鳥を欲しがっていると告げます。
そういえば、鳥を飼っていたことを思い出し、見てみると、驚いたことに青い色に変わっています。
さんざん探し回った青い鳥は自分たちの家にいたのでした。
二人がこの青い鳥を病気の娘にあげると、娘の病気が良くなってお礼にやって来ます。
ところが二人で餌をやろうとしたときに、青い鳥は逃げて飛んでいってしまいます。
チルチルは、読者に向かって、次のように呼びかけるのです。
「どなたかあの鳥を見つけた方は、どうぞぼくたちに返してください。
ぼくたち、幸福に暮らすために、いつかきっとあの鳥がいりようになるでしょうから」
私が一番、印象深かったのは、二人が「思い出の国」に行くシーン。
そこには、祖父母が昔の姿のままで、昔の家に住んでいる。
懐かしく安らぎを感じる、その国にも「青い鳥」はいなかった。
私は子どもの頃、祖父母の家に行くのが好きだった。
そこには、何故か心温まる安らぎの空間があった。
祖父母は私のこと、すべてを肯定してくれたからかもしれない。
祖父が亡くなる、ちょっと、前のことだった。
帰り際、悪い足を引きずるようにして、私を玄関まで見送ってくれると、「また、おいでや。」と言ってくれた。
そして、それが最後だった。もう二度と迎えてくれることはなかった。
もう存在しない空間だけれど、今でも、「思い出の国」は私の中にある。
幸せなんて、探し求めるものではなくて、一番、身近にあるんだ。
だから、それを大切にしなくちゃいけない。
この物語は、そう告げていた。
メスは茶色っぽい。
(馬見丘陵公園にて撮影)
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