のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

セリナの物語53

2007-09-30 | 小説 セリナ(短編)
次の日会社に向うため地下道を通りかかったときだった。 何気なく国道の交差点を見渡したその視線に、市の清掃車の姿が映った。 それは一瞬で視界から消えたが、私は何が起こったのかすぐに了解した。 その直感にたがわず、通り抜けた地下道はきれいに清められて靴は跡形もなかった。 「ウオーッ」 私は人目もはばからず、こぶしを虚空に突き上げて叫んだ。 間違いなくあれは芹里奈だった。私のためにあの靴はあったのだ。 . . . 本文を読む
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