初めて12色の色鉛筆を買ってもらった時のことを覚えている。
もちろん母からだったが、あの時どれだけ心が浮き立ったことだったか。
小学生だった私は、鮮やかな色鉛筆の向こうにある夢の世界を
はっきりと感じていたのだ。
長じて、色数の多い色鉛筆のセットを自分で買うようになってからも
いつまでもそのときめきは私の心の中にある。
60色の色鉛筆を母の前に並べたら
・・・うつくしいの・・・
そうポツリと言っただけだった。
感情の起伏のない枯れた母の心を見たようで淋しさを禁じえなかったが、
好きな色を言うと、しばらく見つめていた母はゆるゆると赤い鉛筆を取り上げた。
マーカーで描いた線描の上に
赤い線が加わった。
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