鬱から解放されるために大切なことは、鬱を客観視することだ。
だがこれは大変難しい。何とかしなければと思ったときにはすでに鬱を自分のものとして意識してしまっているからだ。鬱が自分のすべてだと意識してしまったら、心はどんどん沈んでいく。
そのとき有効だったのは医師の診たててくれた抗鬱剤だった。
自分ではどうすることも出来ない頭脳の働きが、薬の力で抑制された。鬱の状態は相変わらず続いていても、それを客観視する力が薬によって生まれたのだ。
鬱に悩まされても、その鬱と自分との間に壁が出来たように感じられるようになり、私は冷静に鬱を見つめられるようになった。
心はプラスとマイナスの波で出来たエネルギーだ。当然毎日、なぎさのように波が訪れる。
マイナスのエネルギーに誘われて気分が塞ぎ、悪い考えが浮かぶ。その悪い考えに捉えられて、自己否定や自己嫌悪、不安や恐れが芽生える。その自己嫌悪や不安に誘発されて更に悪い考えが浮かんでくる。
苦悩が苦悩を呼ぶ悪循環に陥って、やがて心は地獄のような牢獄に閉じ込められる。これが鬱だ。
その鬱の正体は、なんでもない心のマイナス波だったのだ。気分が塞いだら、ゆっくりとくつろいで悪い考えを遠ざける。すると沈んだ心が鬱に陥ることはない。
避けて通れない悪い考えがあるのなら、心がプラスに転じ、高揚した気分のとlきに、それをぶつけて原因を考える。それが正しい反省と解決方法を与えてくれる。
そして心がマイナスに転じたら、良い考えを心にぶつける。塞いだ気分に対して、生きている感謝と喜びをささげてお茶を飲む。するとマイナスのエネルギーは命の深さを教えてくれるだろう。
心の波はプラスもマイナスも等分に大切な命の証だ。私を生み出してくれる奇跡なのだ。そう思うと自然に感謝が生まれてくる。欝はそのことを理解するために与えられた近道だったのかも知れない。
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