徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

谷汲観音様に参拝!

2010-10-23 17:49:44 | 熊本
 買物のついでに浄国寺に立ち寄り、谷汲観音様とついに対面。ご住職の案内で観音様の前におずおずと進み、両手を合わせて見上げると、ちょうど視線が合う角度になっている。その存在感に圧倒的されそうだ。なんだか観音様はすべてお見通しのような気がして、思わず目をそらしそうになる。
 作者の松本喜三郎は文政8年(1825)の生まれというから、勝海舟や坂本龍馬などと同じ時代に生きた人だ。若い頃から造り物に天賦の才を発揮し、郷里の熊本から大阪に出て、活人形(いきにんぎょう)師として成功を収めたそうだが、この谷汲観音像は、明治4年、浅草において行った「西国三十三ヶ所観音霊験記」という活人形興業で大喝采を博した三十三体の観音像のうちの一つだそうである。喜三郎にとってこの谷汲観音は会心の作だったそうで、晩年、郷里の熊本に戻った際、松本家の菩提寺であった、この浄国寺に寄進したものだそうだ。
 いや、とにかく眺めていると離れがたくなるような不思議なひと時だった。