この写真は僕の「原風景」とも言える写真の1枚である。場所は玉名市小浜の菊池川右岸堤防沿いの道と玉名市内から来る県道が交わる辺りに、かつて「一本榎」と呼ばれていた大木があった。僕がまだ小さい頃、母の実家がある大浜町へ行くのは上熊本から高瀬駅(現玉名駅)まで汽車に乗り、高瀬駅から大浜までの約3kmを歩くしかなかった。母に手を引かれ、てくてく歩いた行程のちょうど中間あたりにあったのがこの「一本榎」だった。
長く熊本を離れていて20年ほど前に帰って来た時、ふと思い出してここへ来てみたが、既に枯死したそうで無くなっていた。海達公子の日記にも、「一本榎」の辺りから大浜まで川舟で川下りを楽しんだことが書かれている。
ここ菊池川の堤防はかつての木蝋生産の名残であるハゼ並木が有名だ。寛文年間から熊本藩ではハゼが特産品奨励として植栽されて木蝋生産が盛んに行われ、藩の財政を支えた。現在では木蝋生産は行われていないが、秋には美しく紅葉するハゼ並木として、市民に親しまれている。
なお、この写真は一昨年他界された河野龍巳先生からいただいたものである。
長く熊本を離れていて20年ほど前に帰って来た時、ふと思い出してここへ来てみたが、既に枯死したそうで無くなっていた。海達公子の日記にも、「一本榎」の辺りから大浜まで川舟で川下りを楽しんだことが書かれている。
ここ菊池川の堤防はかつての木蝋生産の名残であるハゼ並木が有名だ。寛文年間から熊本藩ではハゼが特産品奨励として植栽されて木蝋生産が盛んに行われ、藩の財政を支えた。現在では木蝋生産は行われていないが、秋には美しく紅葉するハゼ並木として、市民に親しまれている。
なお、この写真は一昨年他界された河野龍巳先生からいただいたものである。