縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

かっぱ橋だから郵便ポストは緑なのっ!・・・浅草のアバウトさ

2024年11月30日 06時55分42秒 | 民俗学ごっこ
外国人観光客が来るようになった「かっぱ橋道具街」に緑色の郵便ポストがあった。40年ちかくも通っているのに気が付かなかったが、昔から緑だったっけな?
河童だから緑なのだろうけど、外国人にこのシャレがわかるのか?そもそも外国人に河童って判るのか?誰がデザインしたんだかねw
背景に青海波が描かれて江戸情緒は取り入れてあるが、ところどころに丸で囲まれた「ア」が散らされている意味もわからん。いわゆる「判じ物」という江戸の遊び心ですナ。このアバウトさが浅草らしい。
河童は裸なのでマフラーが唯一のオシャレというつもり?でもマフラーよりフンドシが先でしょ!と突っ込みどころをつくってあるのが、江戸っ子の了見なのだw
 
浅草のアバウトさは伝統だ。江戸城下から風紀を乱す無法者を追い出して住まわせた新開地が浅草だから、今でも日本橋あたりの住民には「ホントの下町は日本橋・神田のことで、浅草は端っこの新開地だし、川向うなんて江戸じゃないの!」と悪口をいったりする人もいる。
 
ちなみに「川向う」とは隅田川の左岸のことで、この定義だと葛飾柴又のフーテンの寅さんや、本所に生まれ育った「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵は江戸っ子じゃなくなる。江戸府中といっても時代によって広がっていったので江戸っ子の定義も様々。
 
足立区出身のビートたけしが売れた時、浅草育ちの毒蝮三太夫から「江戸っ子だって?どこよ?」と聞かれて「足立区です」と答えたら、「なんだ、川向うかよ!」と笑われたと言っていたが、東京出身者にも出身地区のヒエラルキーがあるらしい( ´艸`)
 
そんな風土からかマイノリティやホームレスも居心地がいいのが浅草。他人の価値観に口出しせず共存するのも浅草。
 
浅草のアバウトさが好きだねぇ。
 
 
 

勾玉探偵、弓矢探偵になる・・・大田区立郷土博物館企画展「矢を放て!」探訪記

2024年11月29日 07時07分25秒 | 縄文
糸魚川翡翠展2024が終わったあと、大田区立郷土博物館で開催中の企画展「矢を放て!」を堪能。
常設展入場無料!すごい内容なのに企画展のみ500円という安さ。国立博物館で開催中のはにわ展が長蛇の列と聞いて諦めたが、大田区立郷土博物館は裏切らない!w
 
どうやって知ったのか、受付してたら多忙な斎藤学芸員がかけつけてくれて、30分ほど立ち話しで前回の「大勾玉展」に感銘した旨を伝え、勾玉と弓矢談義ができたのが僥倖。
図録も充実している。帰宅後にコタツにはいって読んでいるがいつの間にか睡眠学習・・・これが愉しいのよ。
 
弓矢もわかっているようで謎は多い。例えばアイヌの仕掛け弓(アマッポ)に使用されるトリカブト毒が、なんで本州で使われなかったのか?
アイヌの弓と和弓では形状もちがうのは何故だろうか?
弓の素材
 
この件については中国で生まれ、朝鮮半島から移入した高さ5センチほどの馬鐸が、日本列島で巨大化して銅鐸となっていったように、外来物が文化のフィルターを通すと、ある種の美意識によって取捨選択と変容すると説明できるが、斎藤学芸員も同じ意見だった。
矢の素材は時代によってちがうのよ~。
 
「大勾玉展」と同様に、縄文から現在に至るまでの系譜がわかりやすく展示されていたが、またもや新たな謎が浮かび上がってくる。
 
時代ごとの遺物の行間のモノガタリに正解はなく、系譜から伺い知ることしかできない。
 
より確からしさを求め続けて迂闊なことを言えないのが考古学者で、自由にモノガタリを語ることができるのが、わたしのようなアマチュアの歴史探偵。
 
それが系譜を無視して、都合よく情報を切り張りしたモノガタリをするとニュー・アカデミーおじさんと呼ばれるから自戒しておりますw
 
 
 

大団円・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月26日 06時53分17秒 | ぬなかわヒスイ工房
大団円という言葉を覚えたのは、小学生の時に読んだ「少年探偵団シリーズ」や「十五少年漂流記」などの冒険活劇だったが、おめでたい最終章のタイトルとして秀逸ではないか。
目玉商品の眞名井勾玉の複製「黒眞名井」を買うのは、ベストセラー作家のひすいこたろうさんだろうなと思っていた。
ひすいさんは昨年同様に最終日の夕方に来場して、やっぱり買ってくれた。
撤収と会計を終えて主催者の天川彩さん、パートナーの亨ちゃんと大団円を締めくくる三本締めと打上げ。多くの仲間たちから支えられてやっと終わったぁ・・・。
作品展は根津の「ホピショップ」だったが、お話し会と休憩は2軒となりの「ハミングバード・カフェ」が恒例。戸締りして打上げの居酒屋に向かう前に感謝の記念撮影をした。
 
今は眠い、とにかく眠い。
帰宅したら冬至イベントの展示販売会と能登に正月餅を贈るプロジェクトがあるので、つかの間の休息。
 
 

ヒスイ販売会で三本締めって、祭りかよ( ´艸`)!・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月23日 08時22分11秒 | ぬなかわヒスイ工房
「糸魚川翡翠展2024」初日に、「ワハハ本舗」創始者のひとり、俳優の佐藤正宏さんがお守りにして舞台にあがりたいと、木の葉形のペンダントをお求め。
佐藤さんとは展示会のプロデューサーの天川彩さんのご縁で知遇を得て以来、年に一度お会いして映画や落語の話しができる兄貴分みたいな仲で、「輪島漆器義援金プロジェクト」の展示販売会でも協力してくれた。
いいよう!かわいいよう!ちょっと拗ねてみて、君って最高だぁ!と、オラは篠山紀信になって写真を撮りまくる。
帰宅してすぐに東日本大震災の時の復興手拭で手つくりした、かわいらしいお守り袋の写真を送って頂く。人柄そのままの温かいお守り袋だ。
 
さっそく「ワハハ本舗」の長野県興行から身に着けて舞台にあがるそうだから、舞台の佐藤さんを観たら、わたしのヒスイ作品を身に着けておられると注目して、拍手を贈ってください!
 
連日、毎年の作品展で馴染になったお得意様、友人たちと再会を愉しんでいる。
お馴染さんの中でお求めになった場合は、「まいどお買上ありがとうございます。Aさんの益々のご繁栄を祝って三本締めをおこないますので、皆さま方にはよろしくご唱和のほどお願いいたします!いよぅ~!」と音頭をとって恒例の三本締め。
目玉商品の「neo縄文大珠」を試着してもらい、「女優になれ!」「魔女になるのだ!」と笑わせてにぎやかに記念撮影。
祭り好きのヒスイ職人だから作品展も祝祭イベントのように華やかで、こんなヒスイ展示販売会は他にはないだろうし、お得意様もそんな雰囲気を愉しみにしているようだ。
 
初日から目玉商品が次々に売れていくので、ご来場はお早目に!
 
 
 

「一隅を照らす」と「秘すれば花」・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月19日 06時52分55秒 | ぬなかわヒスイ工房
「糸魚川翡翠展2024」は、価値がないと省みられることのない端材からの作品つくりに力をいれた。
黄緑色の勾玉はロウカン(琅玕)と尊称される最上級品。淡い蒼の勾玉はイリコンヒスイの不純物のない大トロ部分。濃い蒼の勾玉はコバルトヒスイ。
現在はどれも流通しない希少な原石だから、小さな欠片も大事にとっておき、ここぞという時に作品化する。わたしは希少なヒスイの端材で短冊形のストラップをつくっても作品とはいえないと考える。
 
またこれ見よがしに希少な原石を安売りするのはもったいない話で、世阿弥さんは、得意な演目こそ「ここぞという時」のためにとっておけと戒める意味で、「秘すれば花」という言葉を遺しているではないか。
 
能登半島が二度の激甚災害の被害をうけ、世界中で極右政治やポピュリズムが如実になった今年が「ここぞという時」だろう。
災害で保管場所がなくなった輪島漆器も、災害関連ゴミ扱いしてはかわいそうだ。
 
最澄が天台宗の教理にすえた「一隅を照らす」を、自分の仕事やボランティア活躍に反映させているつもり。
 
昨今流行りの善と悪、真実とフェイクといった二元論では、部屋の角に暗い闇ができる。個人では強烈なライトで照らすことは無理でも、小さな灯りで部屋の隅にできた闇を照らし、差別やイジメを見過ごさずに寄りそう・・・最澄さんって優しいな、と思う。
 
これから上京だ。「一隅を照らす」仲間が増えてくれたら幸い。
 
 
 

微力ながらの縄文回帰バタフライ・エフェクト・・・「糸魚川翡翠展2024」開催のお知らせ

2024年11月16日 07時15分01秒 | ぬなかわヒスイ工房
「糸魚川翡翠展2024」開催のお知らせ。
今年のわたしは能登半島ボランティアに専念した1年だったが、日ごろから多忙なプロデューサーの天川彩さんも、漆器の展示販売の協力や、各種支援に東奔西走していたから開催は微妙だった。
 
天川さんもわたしも時流や世相と共振して仕事するタイプ。特にわたしは能登のみならずパレスチナやウクライナの行く末に心を痛めている。
 
だからなおさら国家という枠組みがなかった、縄文文化への原点回帰への欲求がたかまっている。微力ではあっても、縄文やアイヌ文化をテーマにした人間復興のバタフライ・エフェクトになれば幸い。輪島漆器とヒスイはその象徴だ。
 
今年だからこその作品展にしたいと思う。
 
【チャリティトークショーのお申し込みは、下記サイトから】
◆11月21日(木)22日(金)10時半〜11時半
『被災地支援を通して感じたこと』
山田 修(ぬなかわヒスイ工房 代表)
1,500円(能登支援金含)
【定員15】
◎お申し込み
 

どんなヒスイもオンリーワンだから・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月15日 07時05分53秒 | ぬなかわヒスイ工房
文京区根津の「ホピショップ」で開催される、「糸魚川翡翠展2024」まで1週間をきって最後の追込み。
ここにあげた作品は、普通の職人なら短冊形の安いストラップをつくるような端材からつくってあるのだけど、面倒でも愛される作品として世に出したい一心でつくっている。
だから立体感をだすヒネリや、躍動感をだすウネリ、モノガタリを感じる線刻といった、わたし独自の技術を駆使してオンリーワンの「neo縄文アクセサリー」をつくる。
よく同業者から「どうやってつくっている?」と質問されるのだが、原石のもつ個性を活かした作品つくりした結果であって、特殊工具はつかっていない。
輪島漆器を代行販売しているのも、実は同じ想いから。
 
 
 

バナナジャパニーズに輪島漆器をつかってほしい訳・・・輪島漆器義援金プロジェクト

2024年11月14日 07時17分16秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
輪島漆器をつかった身体感覚の投稿をした数時間後、思いがけずヒスイと漆器をみせてほしいと都内で発達障害児教育に取り組むエキスパートがやってきた。
 
そこで勾玉をお求めいただいた後に
①プラスチック製と輪島漆器の箸で新聞を畳む
②同じくお椀をもった時の心地と身体への影響の検証
 
この二つを体験で差異を検証して満足のいく結果を得た。ネタばらしになるから詳細は書けないが、発達障害教育にも応用できると思う。
 
ただしプラスチック製と輪島漆器の優劣を問題にせず、あくまでもモノと身体感覚の関係性を実感してもらい、日本の身体文化を学んでもらう稽古である。漆器の展示販売も協力してもらえることになったゾ。
 
昨今の俳優の時代劇の所作はなっておらず、まるで時代劇コスプレのようだ。外側は黄色くても中身は白い「バナナジャパニーズ」というヤツ。
 
しかし若山富三郎や三船敏郎の殺陣は本物の武術家のそれだったし、笠智衆は存在だけで典型的な日本の男そのものだった。
 
輪島漆器はそんな「失われた日本」を学べる先生だから、みんなにつかって欲しい訳ですネ。
 
 
 

プラスチック製と輪島漆器の身体感覚のちがい・・・文化の有無を検証する

2024年11月13日 07時13分33秒 | 整体・動法・稽古会・体験会
今日は「うるしの日」だそうだ。
 
プラスチック製と機能は同じなのに「何かがちがう」と感じる輪島漆器。わたしは整体協会の指導者だから、ちがう何かとは何か?を身体感覚で判ってもらう工夫をしている。
先日の笹山遺跡のマルシェでプラスチック製と輪島漆器の椀をつかい比べる実験をしたが、誰もが不思議さに驚いていた。
ハラ原人も驚いたプラスチック製と輪島漆器のちがい!つかい心地がちがうのは当たり前で、その身体感覚の検証が整体協会の稽古の一環なのだ。
 
月末以降に都内でイベントが続くので、「輪島キリモト」さんの箸と百円ショップの箸をつかい比べてもらうワークショップを考案した。
大量生産される工業製品と、職人が集中してつくった伝統工芸品は、身体との関係性が明らかに違う。
これはヒスイも同じ。
今度キリモトさんに会ったら試してもらうのが愉しみ。
 
 
 

美人がベンガルや六角精児になる遮光器の神秘!・・・遮光器土偶オカリナ

2024年11月12日 06時52分42秒 | 縄文
犬の毛で自作した帽子がトレードマークのハラ原人が笹山遺跡のマルシェに手伝いにきて、遮光器(しゃこうき)をもってきたので来場者とオモチャにして遊ぶ。
こちらがハラ原人デス。帽子が人気なので最近は5年もかけて犬の毛のチャンチャンコまでつくっちゃったそう。
 
そして新たな発見があった。眉目秀麗な女性であっても、顔の輪郭が四角い人が遮光器をつけたら俳優のベンガルや六角精児になる事実w
本来の遮光器は北極圏地域のスノーゴーグルで、遮光器土偶の命名由来になっているから、縄文時代に日本列島に北極圏から人がやってきた証しとする人もいる。
ぬなかわヒスイ工房の人気商品「縄文オカリナ」で一番人気なのが遮光器土偶オカリナ。ヘルメットをかぶった宇宙人とする人もいたが、こういったことを言う人は日ユ同祖論信者や陰謀論好きなニューアカデミーオヤジが多い( ´艸`)
個人的には目と口を同じ楕円の中央に線を引いた表現の土面もあるので、女性器の抽象表現ではないかと思う。こちらは土面をモチーフにした自作オカリナ
 
外国のトイレで同じ表現の落書きを観たことがあり、これは女性器表現の世界共通認識ではないだろうか。
 
なんで目や口を女性器にする必要があるのかと問われたら、イノチを生み出す女性器を人智をこえた神の領域として崇め、再生や豊穣を予祝する呪術的表現ではないか?と説明はできるが、ホントのことは縄文人でないとわからないデス。