Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

マニュエル・ポンセのヴァイオリン協奏曲を聴きながら横浜から星川まで歩く

2009-03-26 04:31:27 | 古典~現代音楽メキシコ編
昨日は、横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1882年メキシコ生まれのポンセの作品。
ポンセはイタリアやドイツで音楽を学び、
パリではデュカスに師事し、才能を開花させたようだ。
フランス近代音楽の要素とメキシコ民族音楽の伝統を、
融合させ、独自の作風を確立した作曲家である。
ヴァイオリン協奏曲は、1942年に作曲された。
ヴァイオリン奏者のヘンリク・シェリンクにより1943年に初演された。
今回のCDはそのシェリンクのヴァイオリン、バティスの指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によるものである

第一楽章アレグロ・ノン・トロッポは、
短い序奏のあと独奏ヴァイオリンが主題を奏する。
色彩豊かなオーケストレーションの素晴らしさは、
フランス留学して培ったものが反映されている感じを受ける。
伝統的なソナタ形式により作られたものであるが、
展開部の終わりにはカデンツァも用意され、
ヴァイオリンが自由奔放に鮮やかな演奏技術を披露する。
そのカデンツァのあとは短いコーダで、
フランス近代音楽らしく盛り上がって終わる。
第二楽章アンダンテ・エスプレッシーヴォは、
主題に基づく変奏曲風の音楽で、幻想的な雰囲気で、
独奏ヴァイオリンがゆったりと主題と変奏を奏でていく。
第三楽章ヴィーヴォ・ジオコーソは、ロンド形式で書かれ、
スペイン風の舞曲的な活気のある旋律が管弦楽に現れる。
これに独奏ヴァイオリンも絡み合いながら、
楽しく軽快な中、最後華やかに終わる。
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エイトル・ヴィラ=ロボスのピアノ協奏曲第5番を聴きながら西谷から二俣川まで歩く

2009-03-25 06:32:40 | 古典~現代音楽ブラジル編
昨日は、西谷駅から二俣川まで歩きました。
今回から協奏曲編は中南米編に入る。
途中聴いたのは1887年生まれのヴィラ=ロボスの作品。
ピアノ協奏曲第5番は、1954年に作曲された。
フェリシア・ブルメンタールに献呈された作品である。
今回のCDはフェリシア・ブルメンタールのピアノ、
ヴィラ=ロボスの指揮、フランス国立放送管弦楽団によるものである
第一楽章アレグロ・ノン・トロッポは、
情熱的なオーケストラの合奏に続き、
独奏ピアノがセンチメンタルな旋律を奏でる。
この情熱的で感傷的なメロディーは、
いかにもヴィラ=ロボスらしい感じである。
独奏ピアノの流れるような速い旋律が流れ、
盛り上がったところで最後勢いよく終わる。

第二楽章ポコ・アダージョも感傷的な旋律が、
冒頭からオーケストラによって奏される。
この旋律はそれに続く独奏ピアノに引き継がれ、
この哀愁漂う主題をもとにゆったりとしたテンポで、
音楽は進行していくが、中間部はやや軽やかとなり、
全般の部分とは対照的にやや明るい感じである。
そのあと最初の感傷的な旋律が再現され、
最後は独奏ピアノ中心に静かに終わる。
第三楽章アレグレット・スケルツァンドは、
ピアノの流れるような速い旋律が印象的で、
途中から独奏ピアノによるカデンツァがあり、
ピアニストのあざやかな演奏技術が披露される場面で、
フェリシア・ブルメンタールの演奏はなかなかよい。
第四楽章アレグロは、前楽章に切れ目なく入る。
独奏ピアノに続き、管弦楽の生き生きとした軽快な音楽を奏で、
独奏ピアノの流れるような旋律が絡み合っていく。
2分ほどの短い楽章で、最後は力強く堂々と終わる。
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アレクサンドル・スクリャービンのピアノ協奏曲嬰へ短調作品20を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2009-03-24 15:54:33 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1872年生まれのスクリャービンの作品。
彼の略歴については交響曲編で触れたので省略する。
ピアノ協奏曲嬰へ短調作品20は、1896年に作曲された。
彼が作り上げた協奏曲というとこのピアノ協奏曲しかない。
初期の作品ということもあってロマンティックな作品である。
今回のCDはウラディーミル・アシュケナージのピアノ、
ロリン・マゼール指揮のロンドン交響楽団によるものである
第一楽章アレグロは、ホルンから始まる短い序奏に続き、
独奏ピアノが何ともロマンティクな旋律を奏でる。
ショパン風のピアノタッチで、幻想曲風に、
そして繊細で叙情的な旋律が展開されていく。
オーケストラに見られるロマンティックな音楽は、
ラフマニノフを思わせるようで、ロシア的である。
最後はオーケストラ全体で悲劇的な感じで終わる。

第二楽章アンダンテは、変奏曲形式に基づいている。
ゆったりとオーケストラが叙情的な旋律を奏でて始まる。
それに絡み合うように独奏ピアノが入り、
甘美で繊細な旋律を奏でていく。
主題に基づく四つの変奏と主題の再現から構成され、
その変奏の部分は独奏ピアノの腕の見せどころとなっている。
アシュケナージのピアノも繊細で美しい音を聴かせてくれる。
第三楽章アレグロ・モデラートは、いきいきした、
しかし力強さも見せてくれるフィナーレ楽章で、
ところどころで叙情的な部分も見せてくれる。
この曲がスクリャービンの初期の作品であることは、
後期の作品ばかりが印象に残っているとわからない。
でも若き日の彼の姿がこの音楽にこめられていることは確かだ。
激しい感情の高ぶりや、いきいきした躍動感、繊細なところや、
情緒的な部分などをこの音楽から垣間見ることができる。
最後は情熱的に盛り上がり、華やかに終わる。

なお、今回とりあげた協奏曲ロシア・ウクライナ(旧ソ連)編の
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/concerto-music-cd-rusia.html
参考にしていただければ幸いです。
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嵐の日、レフ・クニッペルのチェロと7つの金管楽器と2つのティンパニのための協奏的モノローグを聴く

2009-03-23 05:44:34 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は、夕方嵐のように風雨が強まったためウォーキングは休みました。
途中聴いたのは1898年生まれのクニッペルの作品。
彼は、ドイツ系・ユダヤ系の家系で、トビリシに生まれた。
モスクワでグリエールジリャーエフなどに作曲を師事し、
グネーシン音楽学校でも学んだようで、ドイツでも学んでいる。
歌曲「ポーリュシカ・ポーレ」の作曲家として日本では有名である。
交響曲も20曲近く作曲しているらしいが、聴いたことはない。
チェロと7つの金管楽器と2つのティンパニのための協奏的モノローグは、
1962年に作曲され、ロストロポーヴィッチに献呈されている。
今回のCDはムスティスラフ・ロストロポーヴィッチのチェロ、
ロジェストヴェンスキー指揮のソビエト交響楽団によるものである

ティンパニの連打から始まる冒頭の部分に続き、
独奏チェロが入ってくるが、シリアスな感じである。
独奏チェロが雄弁に旋律を奏でていくが、
それを取り囲む音楽は荒涼とした感じである。
やがてチェロによる激しい演奏に合せて、金管楽器が加わる。
独奏チェロが弾く旋律はモノローグというように独白のようで、
感傷的というよりは、現実的でクールな感じさえする。
チェロの高度な技巧を示しつつ、
打楽器と金管楽器が荒々しい音楽を奏し盛り上がる。
そのあとは静まったかと思うと、再び盛り上がり、
これを繰り返してから、最後全体で盛り上がって終わる。
「ポーリュシカ・ポーレ」の作曲家というイメージは、
ここからはわからないが、こんな曲も書いているという意味では面白い。
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ボリス・ティシチェンコのチェロと17の管楽器と打楽器とハーモニウムのための協奏曲を聴きながら

2009-03-22 07:25:48 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は、二俣川から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは1919年生まれのティシチェンコの作品。
レニングラードで生まれた彼は、レニングラード音楽院で学び、
作曲法はショスタコーヴィチなどに師事したようだ。
チェロと17の管楽器と打楽器とハーモニウムための協奏曲作品23は、
チェロ協奏曲第1番とも言われ、1963年に作曲され、
ロストロポーヴィッチに献呈されている。
今回のCDはムスティスラフ・ロストロポーヴィッチのチェロ、
イーゴリ・ブラズコフ指揮によるものである

曲はアンダンテ―アレグレット―アンダンテで構成されている。
アンダンテの部分の冒頭は、歌うような独奏チェロの旋律で始まる。
その長い独奏が6分近く続いたあと、
トランペットに始まり管楽器群が加わってくる。
そして打楽器が加わり、荒々しくなっていく。
その中で独奏チェロは最初の主題を続けて奏する。
アレグレットの部分は激しく動きのある部分である。
ショスタコーヴッチ風な部分も見られその影響を感じる。
もちろん管楽器の扱いなどティシチェンコ独特の部分も見られ、
リズミックなところや、チェロと各楽器の掛け合いもいい。
アンダンテの部分に入ると最初の主題がチェロに現れ、
ハーモニウムが入ってきて、チェロと絡んでいく。
ハーモニウムの神秘的な響きと、管楽器の室内楽的な響きの中を
独奏チェロがピッチカートで刻み、最後は静かに終わる。
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