温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

いわき湯本温泉 古滝屋

2018年02月27日 | 福島県

いわき湯本温泉の「古滝屋」で日帰り入浴を楽しんでまいりました。こちらは江戸時代にまで遡ることができるほどの老舗なのですが、肩ひじ張るような堅苦しいお宿ではないのがありがたいところ。玄関には日帰り入浴の案内が出されており、入浴だけの利用も歓迎してくれるようです。
いまでは他の宿と同じように配湯を受けていますが、かつては別箇の源泉があったらしく、お宿の正面には湯つぼと称される旧湧出地跡があり、実際にその小さな「壺」にはお湯が溜まっていました。



玄関を入ると立派なロビーが広がっています。その左手にあるフロントで日帰り入浴したい旨を伝え、湯銭を支払ってエレベーターで浴場があるフロアへ上がります。エレベーターの中に掲示されている館内図によると、大浴場は4階と6階に分かれており、時間帯によって男女を入れ替えているんだとか。



私が訪れた日中は、6階「大黒の湯」に男湯の暖簾がさげられていました。
暖簾の前に設置されている自販機で売られているビン牛乳は、地元の木村牛乳のもの。話が前後しますが、風呂上がりに飲んだこの牛乳が美味しかった!



とても広い脱衣室。少々古い造りですが手入れは行き届いており、エアコンも効いているので快適に着替えることができました。ベビーベッドも用意されていますから、赤ちゃん連れのお客さんも安心して利用できますね。



大きな窓に面した内湯も広く、その窓からは湯本の街並みを一望できます。奥行が長い浴室の手前側には洗い場が配置され、奥の方に湯船がお湯を湛えています。大きな窓のお蔭で日中は明るくて伸び伸びできる入浴環境が確保されていました。



洗い場は二手に分かれており、計7基のシャワー付き混合水栓が取り付けられています。



浴室内の3分の2を占める大きな湯船。手前側と奥、それぞれのサイドから撮ってみました。
浴槽は左右に2分割されています。左側は台形を横にしたような形状をしており、その寸法は目測で左辺5m・右辺6m・幅1.8m、やや浅いものの湯加減は適温です。一方、右側(窓側)はそれよりひとまわり大きく、同じく目測で左辺6m・右辺7m強・幅3mで、こちらは一般的な深さを有していますが、左側の浴槽より若干ぬるめにセッティングされているようでした。



右側の大きな浴槽には打たせ湯があり、天井近くに突き出た筒からお湯が落とされていました。とはいえ、かなり熱いので、打たせ湯として使いにはちょっと無理があるかな。一方、左側の浴槽には湯口があり、熱いお湯を石積みの上へ落とし、適温へ冷ましてから浴槽へ供給されていました。主に左側の湯口から注がれたお湯は、仕切りの間を流れて右側浴槽へ注ぎ込み、右側の大きな浴槽に設けえられた2ヶ所の切り欠けからお湯が排出されていました。湯使いは放流式かと思われます。



洗い場付近には露天風呂へ上がる階段があります。この階段の下には子供の遊具が用意されていました。家族連れでも心置きなく利用できるお風呂なんですね。さすがに私はこうした遊具で遊ぶような齢ではないので、見るだけに留め、武骨な階段を上がって露天風呂を目指すことに。



1フロア上がったところが露天風呂。屋外でありながら洗い場も設けられているんですね。露天風呂の浴槽は1つ。奥行6m×3mほどの比較的大きなサイズです。頭上にはこれまた武骨なルーフが掛けられています。たしかに露天風呂ですが、どちからと言えば屋上風呂と称した方が良さそうな雰囲気です。なおこの露天風呂があるフロアにも脱衣室と思しき空間が用意されているのですが、現在は使われていないようです。



7階に位置するこの露天風呂は眺めが良く、湯本の街並みを一望できます。ということは、街並みからこの露天風呂も丸見えってことかな? 



擁壁に設けられた湯口よりお湯が落とされ、洗い場側の切り欠けよりオーバーフローしています。内湯同様、こちらも放流式の湯使いです。私の利用時は内湯よりも露天風呂の方が若干湯加減が高く、入り応えのある温度でした。
こちらのお宿では、他の旅館と同様に常磐湯本温泉株式会社から配湯されたお湯が引かれています。以前は硫黄感の強さが特徴的でしたが、震災以降はお湯の質が変わってしまったのか、最近は大人しくなったような気がします。具体的には、見た目は無色透明で湯の花などは見られず、味や匂いに関しては湯面でほろ苦みと薄い鉱物油臭が感じられる程度でした。このインパクトの弱さは源泉由来なのか、あるいは加水などが行われているのか…。震災以後は他のお宿でもお湯の個性が変わったように感じたので、これは致し方ないことなのでしょうね。とはいえ、大きなお風呂で気持ち良く入浴できるので、私のように些末なことに拘泥しなければ、きっと満足のゆく湯浴みが楽しめることでしょう。


含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 58.0℃ pH8.0 5095L/min(動力揚湯) 溶存物質1839mg/kg 成分総計1844mg/kg
Na+:547.8mg(85.45mval%), Ca++:70.7mg(12.66mval%),
Cl-:647.9mg(65.72mval%), Br-2.3mg, I-:0.5mg, HS-:6.2mg, S2O3--:1.0mg, SO4--:316.4mg(23.70mval%), HCO3-:149.5mg(8.81mval%),
H2SiO3:58.2mg, HBO2:21.8mg, H2S:0.7mg,
(平成27年8月11日)

JR常磐線・湯本駅より徒歩8分(約650m)
福島県いわき市常磐湯本町三函208 地図
0246-43-2191
ホームページ

日帰り入浴12:30~19:00
800円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤー

私の好み:★★
コメント (3)
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