温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

谷川温泉 テルメ谷川

2018年05月18日 | 群馬県

昨年夏のお盆休みに、避暑とトレーニングを兼ねて谷川岳を登った時のこと。下山後の汗を流すべく、谷川温泉の有名日帰り入浴施設「テルメ谷川」へ立ち寄りました。このエリアで営業している日帰り温泉施設の中では、比較的古参の部類に入るのではないでしょうか。そのためか、木造建築の外観もいささか年季が入っているようです。

玄関入って左手の受付で料金を支払います。そして女湯は左手、男湯は右手へ進みます。なお受付の前では農産物やお土産物などが販売されているほか、2階には休憩室が用意されています。
私が訪れた日はお盆休みの夕方であったため、館内は混雑しており、あまり落ち着いて利用できる状況ではなかったため、今回のレポートでは文量が少なく、且つ自前の館内画像もございません。館内画像に関しては、谷川温泉観光協会の公式サイトからお借りしています。あしからずご了承ください。

浴室は、床が石板張りで、側面はオフホワイトのタイル張り。窓の外には周囲の木立の緑が広がり、清々しい雰囲気です。洗い場にはシャワー付き混合水栓が計9基設置されています。一方、浴室内には3つの浴槽があり、それぞれ源泉が異なります。そして各浴槽には、使用している源泉の名前がそのまま浴槽名として付けられています。ひとつずつ見ていきましょう。


窓側に設けられた最も大きな主浴槽は「不動の湯」。適温に維持されているこのお風呂は、掛け流しと循環消毒が併用されており、絶妙な湯加減を求める多くのお客さんで賑わっていましたが、循環消毒の影響かお湯の特徴を掴みにくく、私個人としてはあまり印象が残っておりません。



主浴槽の向かい側には扇形の浴槽が大小ひとつずつ設けられており、いずれの浴槽も掛け流しの湯使いです。小さい2人サイズの浴槽は「蛍の湯」。ちょっとぬるめのお湯からは、少々タマゴ味と弱い石膏味のような味覚が感じられます。しかしながら、分析書によればイオウは含まれていないようなので、このイオウ感は一体どこから来ているのかしら。ぬるいために水風呂の代わりとして使われているような印象を受け、クールダウンをしたかった私はこの浴槽を気に入って繰り返し入りましたが、私以外にあまりニーズが無かったようでした。

その隣にある4人サイズの扇型浴槽は「河鹿の湯」。他の源泉はみな単純泉ですが、この源泉だけカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉という泉質名を名乗っています。42℃の源泉をやや絞り気味で投入しているため、「蛍の湯」ほどではありませんが、こちらも一般的な湯加減よりややぬるい程度の湯温でした。ただ残念だったのは、混んでいる夕方でしかも投入量が少ないために、掛け流しを実施している2つの浴槽では、いずれもお湯がぼんやり白く霞んでおり、明らかに鈍っていました。通常時ならばそこまで鈍ることは無いのでしょうけど、混雑時には循環しているお風呂の方がよほど綺麗に見えます。湯使いの難しさを実感させられます。


 
屋外に出て階段を下ると露天風呂です。とても大きくて開放的な岩風呂は、30人近く入れそうなキャパを有しています。こちらでは「不動の湯」と「河鹿の湯」の2源泉を混合しており、状況によって加水や加温が行われた上での放流式が実施されているようですが、浴槽の大きさに対して投入量が足りておらず、それゆえここでも混雑の影響によってお湯が鈍っていました。とはいえ、ちょっとぬるめの長湯仕様でしたたから、夏の湯あみには最適かもしれません。その一方、緑に囲まれ、且つ沢沿いというロケーションなので、アブが飛び回っており、正直なところ私は長居することはできませんでした。
なお、露天風呂から更に下る階段があり、その先には木立の中に囲まれたテラスが設けられていて、デッキチェアーに座りながら沢を眺めて涼めるようなつくりになっています。季節のよってはここでゆっくり休んで過ごすのも良いでしょう。

今回は私の訪れたタイミングが悪かったため、あまり良いレポートができませんでしたが、時を改めて再訪し、こちらのお湯の良さと人気の理由をもう一度探ってみたいと思います。


(不動の湯)
不動の湯2011
単純温泉 56.1℃ pH8.6 蒸発残留物0.480g/kg 成分総計0.445g/kg
Na+:66.0mg, Ca++:57.0mg,
Cl-:71.4mg, SO4--:162.5mg, HCO3-:20.7mg, CO3--:6.6mg,
H2SiO3:53.8mg,
(平成23年8月22日)
加温あり(気温の低い期間のみ、入浴に適した温度に保つため)
循環ろ過あり(温泉資源保護と衛生管理のため)
消毒あり(県条例を満たすため、塩素系薬剤を使用)
加水なし

(蛍の湯)
蛍の湯
単純温泉 39.4℃ pH8.3 蒸発残留物0.73g/kg 成分総計0.67g/kg
Na+:62.8mg, Ca++:130mg,
Cl-:58.0mg, SO4--:247mg, HCO3-:12.2mg, CO3--:6.0mg,
H2SiO3:52.1mg,
(平成23年10月11日)
加水加温循環消毒なし

(河鹿の湯)
河鹿の湯
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 42.0℃ pH8.2 蒸発残留物1.11g/kg 成分総計1.03g/kg
Na+:81.4mg, Ca++:215mg,
Cl-:84.3mg, SO4--:561mg, HCO3-:17.1mg,
H2SiO3:50.9mg,
(平成23年10月11日)
加水加温循環消毒なし

(露天風呂)
不動の湯2011及び河鹿の湯の混合泉
単純温泉 48.6℃ pH8.6 蒸発残留物0.420g/kg 成分総計0.38g/kg
Na+:54.8mg, Ca++:51.7mg,
Cl-:58.2mg, SO4--:144mg, CO3--:6.0mg,
H2SiO3:48.8mg,
(平成24年7月25日)
加水あり(温泉資源保護と入浴に適した温度に保つため)
加温あり(入浴に適した温度に保つため温水を加えている)
循環消毒なし

群馬県利根郡みなかみ町谷川514-12
0278-72-2619
紹介ページ(谷川温泉観光協会website内)

10:00~20:30(7月~10月は9:00~20:30) 第3木曜定休。毎週木曜は15時より露天使用不可(清掃のため)
570円/2時間
ロッカー(貴重品用無料、脱衣室内は100円有料)、シャンプー類、ドライヤーあり

私の好み:★★

コメント (3)
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