※2022年12月末を以て閉業します。
宮城県の鳴子温泉郷は複数の温泉地から成り立っていますが、その中でも川渡温泉は私が大好きなエリアのひとつ。2019年春の某日、その川渡温泉にある「玉造荘」で日帰り入浴を楽しんできました。拙ブログで以前取り上げたことのある「板垣旅館」の奥に位置しており、国道からはわかりにくい場所ですが、奥まった立地の割には規模の大きな施設です。そしていかにも昭和の公共施設らしい雰囲気が強く漂ってきます。
なおこちらは公立学校共済組合のお宿ですから、公立学校の教職員の方でしたらお安く利用することができるほか、私のような教職とは無縁な零細企業のしがない勤め人でも一般料金で宿泊や入浴といった各サービスの利用が可能です。一般料金でも他の宿に比べて安く泊まれるためか、駐車場では県外ナンバーの車が目立っていました。
表側(駐車場側)からは見えませんが、建物の反対側にまわると、池を擁する庭が広がり、そして開放感あふれるパークゴルフ場が設けられています。緑豊かなお庭やパークゴルフ場は綺麗に整備されており、眺めているだけでも気分爽快です。
さて玄関から中へと入りましょう。玄関にはスリッパが備え付けられていたので私は律儀に履き替えたのですが、他のお客さんは土足のまま入館している様子。履き替えるのと土足のまま、どちらが正しいのかしら…。そんなことに戸惑いながら受付で日帰り入浴をお願いしますと、スタッフの方は快く受け入れてくださいました。こちらの日帰り入浴に関しては、11:00~16:00は大広間の休憩が付いて平日800円・土日祝1000円ですが、各曜日とも14時以降は休憩無しで400円という料金設定も利用でき、二つの料金体系が重複する14:00~16:00はどちらかを選択することになります。今回私は後者の安い料金プランで利用させていただきました。
受付前の物販コーナーを抜け、廊下をまっすぐ進んだ突き当たりに浴室があります。途中の中庭(坪庭)には、鳴子らしくこけしが飾られていました。
また浴室手前の左側には上画像のような休憩室があり、マッサージチェアーや瓶牛乳などの自販機が設置されています。
館内には本館の内湯と別館の露天風呂がありますが、日帰り入浴客に開放されている浴室は本館の男女別内湯のみです。
浴室の内装は全体的にホワイト基調で、窓にはガラスブロックが採用されており、目隠しと採光を両立させています(なお脱衣室の窓もガラスブロックです)。残念ながら屋外の景色は見られませんが、窓の外は上述したお庭なので、やむを得ず目隠ししないといけないわけです。
浴室へ入って右側に浴槽、正面向かい側と左側の窓下に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付き混合水栓が7基ほど(正確な数は失念)設置されており、馬油のシャンプー類が用意されています。
浴槽は大小1つずつ。左側の大きな浴槽(8~10人サイズ)は一般的な温泉槽で、右側の小さな槽(2~3人サイズ)はジャグジー槽です。両者は仕切りの中ほどに開けられた穴でつながっており、湯口から落とされたお湯はまず左側の浴
槽を満たし、穴を通じて右側浴槽へと流れていきます。両浴槽の縁には切り欠けがあり、そこからお湯がしっかりと溢れ出ていました。
湯口から滔々と落とされているお湯は、自家源泉の1号泉と2号泉をミックスさせたもの。純然たる掛け流しであり、加温や加水も行われていません。お湯の色はジャスミン茶のような色合いと表現すればよいのでしょうか、あるいは出涸らしのお茶みたいに緑色が退色して褐色になったような色と言うべきでしょうか。底まで透き通って見えるほどの透明度はありつつも、若干緑掛かった黄色を呈しているのですが、鶯色の美しいお湯で知られる川渡温泉の他の源泉に比べると、やや薄い色合いであるように思われます。色のみならず、味や匂いも大人しく、湯口でほろ苦い味が感じられるほか、茹ですぎたゆで卵のような匂いと味が得られますが、やはり近所の他源泉に比べるとマイルドであるような気がします。同エリアの他源泉の泉質が含硫黄重曹泉などであるのに対し、こちらの源泉は単純硫黄泉ですから、お湯に溶けている成分の量が若干薄いわけです。でも重曹泉型の単純泉ですから、湯中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感があり、しっかり温まるのに湯上がりはさっぱりします。やや薄いとはいえ川渡の湯の特徴はしっかり現れていますから、個性の強いお湯が苦手な方にはむしろオススメかもしれません。
また、日帰り入浴に関して言えば、お昼過ぎに入館すれば安くなり、また受付時間も他施設に比べると遅くまであいているので、外湯かわりとしても重宝するでしょう。私が訪れた日も常時5~6人のお客さんが出入りしていました。上述したように別館には宿泊者専用の露天風呂もありますから、次回訪問の際には泊って露天にも入ってみようかと思っています。
玉造荘1号・2号混合泉
単純硫黄泉 45.2℃ pH8.1 溶存物質990.4mg, 蒸発残留物691.6mg/kg
Na+:183.7mg(76.53mval%), NH4+:2.0mg, Ca++:31.1mg(14.85mval%),
HS-:12.8mg, SO4--:145.1mg(27.53mval%), HCO3-:422.0mg(63.08mval%),
H2SiO3:152.7mg, CO2:14.8mg, H2S:1.5mg,
(平成30年4月27日)
加水加温循環消毒なし
宮城県大崎市鳴子温泉字川渡62
0229-84-7330
ホームページ
日帰り入浴
①11:00~16:00 平日800円(土日祝日1,000円)
②14:00~20:00 平日休日とも400円
ロッカー有料(100円)、シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★
宮城県の鳴子温泉郷は複数の温泉地から成り立っていますが、その中でも川渡温泉は私が大好きなエリアのひとつ。2019年春の某日、その川渡温泉にある「玉造荘」で日帰り入浴を楽しんできました。拙ブログで以前取り上げたことのある「板垣旅館」の奥に位置しており、国道からはわかりにくい場所ですが、奥まった立地の割には規模の大きな施設です。そしていかにも昭和の公共施設らしい雰囲気が強く漂ってきます。
なおこちらは公立学校共済組合のお宿ですから、公立学校の教職員の方でしたらお安く利用することができるほか、私のような教職とは無縁な零細企業のしがない勤め人でも一般料金で宿泊や入浴といった各サービスの利用が可能です。一般料金でも他の宿に比べて安く泊まれるためか、駐車場では県外ナンバーの車が目立っていました。
表側(駐車場側)からは見えませんが、建物の反対側にまわると、池を擁する庭が広がり、そして開放感あふれるパークゴルフ場が設けられています。緑豊かなお庭やパークゴルフ場は綺麗に整備されており、眺めているだけでも気分爽快です。
さて玄関から中へと入りましょう。玄関にはスリッパが備え付けられていたので私は律儀に履き替えたのですが、他のお客さんは土足のまま入館している様子。履き替えるのと土足のまま、どちらが正しいのかしら…。そんなことに戸惑いながら受付で日帰り入浴をお願いしますと、スタッフの方は快く受け入れてくださいました。こちらの日帰り入浴に関しては、11:00~16:00は大広間の休憩が付いて平日800円・土日祝1000円ですが、各曜日とも14時以降は休憩無しで400円という料金設定も利用でき、二つの料金体系が重複する14:00~16:00はどちらかを選択することになります。今回私は後者の安い料金プランで利用させていただきました。
受付前の物販コーナーを抜け、廊下をまっすぐ進んだ突き当たりに浴室があります。途中の中庭(坪庭)には、鳴子らしくこけしが飾られていました。
また浴室手前の左側には上画像のような休憩室があり、マッサージチェアーや瓶牛乳などの自販機が設置されています。
館内には本館の内湯と別館の露天風呂がありますが、日帰り入浴客に開放されている浴室は本館の男女別内湯のみです。
浴室の内装は全体的にホワイト基調で、窓にはガラスブロックが採用されており、目隠しと採光を両立させています(なお脱衣室の窓もガラスブロックです)。残念ながら屋外の景色は見られませんが、窓の外は上述したお庭なので、やむを得ず目隠ししないといけないわけです。
浴室へ入って右側に浴槽、正面向かい側と左側の窓下に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付き混合水栓が7基ほど(正確な数は失念)設置されており、馬油のシャンプー類が用意されています。
浴槽は大小1つずつ。左側の大きな浴槽(8~10人サイズ)は一般的な温泉槽で、右側の小さな槽(2~3人サイズ)はジャグジー槽です。両者は仕切りの中ほどに開けられた穴でつながっており、湯口から落とされたお湯はまず左側の浴
槽を満たし、穴を通じて右側浴槽へと流れていきます。両浴槽の縁には切り欠けがあり、そこからお湯がしっかりと溢れ出ていました。
湯口から滔々と落とされているお湯は、自家源泉の1号泉と2号泉をミックスさせたもの。純然たる掛け流しであり、加温や加水も行われていません。お湯の色はジャスミン茶のような色合いと表現すればよいのでしょうか、あるいは出涸らしのお茶みたいに緑色が退色して褐色になったような色と言うべきでしょうか。底まで透き通って見えるほどの透明度はありつつも、若干緑掛かった黄色を呈しているのですが、鶯色の美しいお湯で知られる川渡温泉の他の源泉に比べると、やや薄い色合いであるように思われます。色のみならず、味や匂いも大人しく、湯口でほろ苦い味が感じられるほか、茹ですぎたゆで卵のような匂いと味が得られますが、やはり近所の他源泉に比べるとマイルドであるような気がします。同エリアの他源泉の泉質が含硫黄重曹泉などであるのに対し、こちらの源泉は単純硫黄泉ですから、お湯に溶けている成分の量が若干薄いわけです。でも重曹泉型の単純泉ですから、湯中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感があり、しっかり温まるのに湯上がりはさっぱりします。やや薄いとはいえ川渡の湯の特徴はしっかり現れていますから、個性の強いお湯が苦手な方にはむしろオススメかもしれません。
また、日帰り入浴に関して言えば、お昼過ぎに入館すれば安くなり、また受付時間も他施設に比べると遅くまであいているので、外湯かわりとしても重宝するでしょう。私が訪れた日も常時5~6人のお客さんが出入りしていました。上述したように別館には宿泊者専用の露天風呂もありますから、次回訪問の際には泊って露天にも入ってみようかと思っています。
玉造荘1号・2号混合泉
単純硫黄泉 45.2℃ pH8.1 溶存物質990.4mg, 蒸発残留物691.6mg/kg
Na+:183.7mg(76.53mval%), NH4+:2.0mg, Ca++:31.1mg(14.85mval%),
HS-:12.8mg, SO4--:145.1mg(27.53mval%), HCO3-:422.0mg(63.08mval%),
H2SiO3:152.7mg, CO2:14.8mg, H2S:1.5mg,
(平成30年4月27日)
加水加温循環消毒なし
宮城県大崎市鳴子温泉字川渡62
0229-84-7330
ホームページ
日帰り入浴
①11:00~16:00 平日800円(土日祝日1,000円)
②14:00~20:00 平日休日とも400円
ロッカー有料(100円)、シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★