(2020年2月訪問)
一見すると温泉資源が乏しそうな濃尾平野にも、よく調べるとなかなか良質な温泉が点在しており、意外なところで意外な良泉に出会えるといつも以上に嬉しいものです。今回はそんな濃尾平野の西の端、ちょうど平野が養老山地に当たって尽きる辺りに湧く、岐阜県養老町の養老温泉を訪ねます。
養老山地の麓、濃尾平野の西端に位置する養老温泉は、日帰り温泉浴場とホテルが別棟ながら一体的になっている、なかなか規模の大きな施設です。上画像は日帰り温泉施設「ゆせんの里」の玄関ですが・・・
今回は宿泊で利用したため、その裏手にある「ホテルなでしこ」へ廻り、ホテルのエントランスから中へとお邪魔しました。
てっきり客室はフロントやお風呂などがある建物に含まれているのかと思いきや、チェックイン時に説明を受けた客室の場所は、建物の裏手から一旦屋外に出て、中庭を囲むように建ち並ぶメゾネット形式の宿泊棟群でした。一見小洒落ているのですが、まだ朝晩強く冷え込む2月下旬に利用したため、お風呂や朝食で本館へ移動する際には、その都度寒い思いをしてチョッピリ辛かったかも…。
なお客室は南欧をイメージしているそうですが、基本的には普通のホテルそのものであり、快適に過ごすことができました。強いて言えばベッドがちょっと狭かったかも。なお室内にはユニットバスが設置されていますが、水栓から出て来るのはごく普通のお湯ですから、温泉に入りたければ温泉浴場へ移動しましょう。
さて養老温泉には大浴場「みのり乃湯」、内風呂「紫雲の湯」、貸切風呂という3種類のお風呂があるのですが、このうち大浴場「みのり乃湯」、内風呂「紫雲の湯」を利用しましたので、この2浴場についてレポートします。
●紫雲の湯
日帰り入浴客は大浴場「みのり乃湯」を使うことになるかと思いますが、追加料金を支払うことで別棟「温熱療法館」の温浴施設も利用可能になります。具体的には韓国でおなじみのチムジルバンと内風呂「紫雲の湯」です。宿泊客はこうした「温熱療法館」の施設が追加料金不要で利用することができるのですが、チェックインの時間が遅く、チムジルバンの営業時間に間に合わなかったため、今回記事では「紫雲の湯」のみを取り上げます。
上述のように日帰り入浴客が「紫雲の湯」に入る場合は、入館料に加えて所定の追加料金を支払い、連絡通路を進んで「温熱療法館」の2階へ上がります。一方、宿泊客はホテルのフロントで脱衣室のロッカーキーを受け取った上で、同じく「温熱療法館」の2階へ上がります。
脱衣室には「全て源泉かけ流しでございます」という嬉しい文言が掲示されていました。
「紫雲の湯」は男女別の内湯のみ。男湯の場合、浴室に入って左手に洗い場が配置され、右手に浴槽が据えられていいます。また出入口付近にはサウナや立って使うシャワーも設けられています。洗い場にはシャワーが7基並び、それぞれ曇りガラスの仕切り板で区切られています。隣客との干渉を気にせず使えるので良いですね。もちろんボディーソープなどのアメニティ類は完備されています。
浴槽は(目測で)2m×4.5mの長方形で、浴槽内はタイル張りですが縁には太い木材が採用されています。質実剛健な浴槽ながら木材を用いることで見た目と感触の両面でぬくもりや優しさをもたらしています。
私が利用した時、湯口からの投入は絞られていたのですが、その代わり底面から温泉が供給されており、窓側に設けられた縁の切り欠けよりしっかりオーバーフローしていました。
浴槽に張られたお湯は深緑色を帯びながら黄土色に濁っており、比較的濃い塩味と苦汁味、そして鉄錆系の金気味や匂いが感じられました。いわゆる化石海水型の温泉ですね。湯中では食塩泉的なツルスベ浴感とキシキシ引っかかる浴感が拮抗して肌に伝わってきました。湯加減はちょうど良い具合に調整されていましたが、さすがに塩分を多く含む温泉だけあり、湯上り後はいつまでもホコホコと温浴効果が持続しました。
なお館内表示によれば加温加水消毒が行われているようですが、消毒に関しては特に気になりませんでした。
さて、次回記事では露天風呂を擁する大浴場「みのり乃湯」を取り上げます。
次回に続く
一見すると温泉資源が乏しそうな濃尾平野にも、よく調べるとなかなか良質な温泉が点在しており、意外なところで意外な良泉に出会えるといつも以上に嬉しいものです。今回はそんな濃尾平野の西の端、ちょうど平野が養老山地に当たって尽きる辺りに湧く、岐阜県養老町の養老温泉を訪ねます。
養老山地の麓、濃尾平野の西端に位置する養老温泉は、日帰り温泉浴場とホテルが別棟ながら一体的になっている、なかなか規模の大きな施設です。上画像は日帰り温泉施設「ゆせんの里」の玄関ですが・・・
今回は宿泊で利用したため、その裏手にある「ホテルなでしこ」へ廻り、ホテルのエントランスから中へとお邪魔しました。
てっきり客室はフロントやお風呂などがある建物に含まれているのかと思いきや、チェックイン時に説明を受けた客室の場所は、建物の裏手から一旦屋外に出て、中庭を囲むように建ち並ぶメゾネット形式の宿泊棟群でした。一見小洒落ているのですが、まだ朝晩強く冷え込む2月下旬に利用したため、お風呂や朝食で本館へ移動する際には、その都度寒い思いをしてチョッピリ辛かったかも…。
なお客室は南欧をイメージしているそうですが、基本的には普通のホテルそのものであり、快適に過ごすことができました。強いて言えばベッドがちょっと狭かったかも。なお室内にはユニットバスが設置されていますが、水栓から出て来るのはごく普通のお湯ですから、温泉に入りたければ温泉浴場へ移動しましょう。
さて養老温泉には大浴場「みのり乃湯」、内風呂「紫雲の湯」、貸切風呂という3種類のお風呂があるのですが、このうち大浴場「みのり乃湯」、内風呂「紫雲の湯」を利用しましたので、この2浴場についてレポートします。
●紫雲の湯
日帰り入浴客は大浴場「みのり乃湯」を使うことになるかと思いますが、追加料金を支払うことで別棟「温熱療法館」の温浴施設も利用可能になります。具体的には韓国でおなじみのチムジルバンと内風呂「紫雲の湯」です。宿泊客はこうした「温熱療法館」の施設が追加料金不要で利用することができるのですが、チェックインの時間が遅く、チムジルバンの営業時間に間に合わなかったため、今回記事では「紫雲の湯」のみを取り上げます。
上述のように日帰り入浴客が「紫雲の湯」に入る場合は、入館料に加えて所定の追加料金を支払い、連絡通路を進んで「温熱療法館」の2階へ上がります。一方、宿泊客はホテルのフロントで脱衣室のロッカーキーを受け取った上で、同じく「温熱療法館」の2階へ上がります。
脱衣室には「全て源泉かけ流しでございます」という嬉しい文言が掲示されていました。
「紫雲の湯」は男女別の内湯のみ。男湯の場合、浴室に入って左手に洗い場が配置され、右手に浴槽が据えられていいます。また出入口付近にはサウナや立って使うシャワーも設けられています。洗い場にはシャワーが7基並び、それぞれ曇りガラスの仕切り板で区切られています。隣客との干渉を気にせず使えるので良いですね。もちろんボディーソープなどのアメニティ類は完備されています。
浴槽は(目測で)2m×4.5mの長方形で、浴槽内はタイル張りですが縁には太い木材が採用されています。質実剛健な浴槽ながら木材を用いることで見た目と感触の両面でぬくもりや優しさをもたらしています。
私が利用した時、湯口からの投入は絞られていたのですが、その代わり底面から温泉が供給されており、窓側に設けられた縁の切り欠けよりしっかりオーバーフローしていました。
浴槽に張られたお湯は深緑色を帯びながら黄土色に濁っており、比較的濃い塩味と苦汁味、そして鉄錆系の金気味や匂いが感じられました。いわゆる化石海水型の温泉ですね。湯中では食塩泉的なツルスベ浴感とキシキシ引っかかる浴感が拮抗して肌に伝わってきました。湯加減はちょうど良い具合に調整されていましたが、さすがに塩分を多く含む温泉だけあり、湯上り後はいつまでもホコホコと温浴効果が持続しました。
なお館内表示によれば加温加水消毒が行われているようですが、消毒に関しては特に気になりませんでした。
さて、次回記事では露天風呂を擁する大浴場「みのり乃湯」を取り上げます。
次回に続く