前回記事に続いて、東京界隈で開業したばかりの温泉施設を取り上げます。
今回ご紹介するのは、2021年3月にオープンした川崎市川崎区の「朝日湯源泉ゆいる」です。私は開業した同じ月の下旬に訪問しました。前回記事では「新規開業やプレオープンなどという言葉にあまり心が躍ら」ないと豪語しちゃいましたが、昨年も今年も新規開業の温泉施設を何軒も訪問していますので、なんだかんだ言って所詮はミーハーな人間なのかもしれません。
まずは尻手駅から南武線浜川崎支線に乗車します。川崎から立川を結ぶ南武線は、データイムの場合で1時間に各停6本と快速2本が運転されていますが、尻手と浜川崎の間を2両編成の電車が行き来する浜川崎支線は、大都市圏にもかかわらず、1時間に2本程度しか運転されないので大変不便。川崎市臨港地区の貴重な公共交通機関であるはずですが、あまりに不便なため、このエリアの方はほとんどが川崎駅から路線バスを利用しています。この記事の後半でお伝えしますが、今回取り上げる「朝日湯源泉ゆいる」へ公共交通機関でアクセスする場合も、実は川崎駅から路線バスを利用した方がはるかに便利です。
週末の日中だからか、2両編成だというのに車内はガラガラ。その一方で、乗客の絶対数が少ないにもかかわらず、昼間から車内で缶酎ハイを飲む乗客が複数名いらっしゃり(しかも男女問わず)、この地域のカラーが良く現れているように思います。全線乗り通しても10分かからないのに、それすら我慢できずにアルコールを口にしてしまうのですから、余程なんでしょうね。そんな左党に驚きながら、車窓に工場が広がり、貨物用の線路が輻輳し始めると、終点浜川崎駅に到着。
浜川崎駅からあまり雰囲気の良くない歩道を進んで貨物線を潜り、バスの車庫を左に見ながら、産業道路を横断して、広い道をしばらく歩くと、今回の目的地「朝日湯源泉ゆいる」に到着です。
以前は臨港地区の住宅街で営業する一軒の銭湯でしたが、一旦閉館した後、川崎区では初となる大深度掘削により温泉を掘り当てて、温泉入浴施設としてリニューアルオープンしたんだそうです。
リニューアルした朝日湯は、以前のような地域庶民の生活に根差す銭湯というより、温泉やサウナで体を温めながら館内でゆっくり過ごすことを目的としたリラクゼーション施設と称すべき営業スタイルへ変貌しています。それゆえ、料金設定は物価統制令に依らない少々高めの設定となっており、それを知らずにいきなり訪ねると、その料金設定に面食らうかもしれません。
まず館内に入り、下駄箱の鍵をフロントに預けます。番台ではなくフロントというカタカナ表記が相応しい雰囲気です。下駄箱の鍵と引き換えに、精算用バーコードが付いたロッカーキーと、大小1枚ずつのレンタルタオルを受け取ります。なお館内着の用意もあるのですが、こちらは別料金です。
1階にはフロントとレストランが設けられています。上画像はレストランの様子。お風呂上がりに館内着姿でビールを飲みながら寛ぐお客さんの姿も見られました。銭湯らしくないその光景から察するに、早くも施設側の目論見通りに利用されているようです。
浴場は2階ですので、エレベーターか階段で2階に上がります。玄関から2階浴場まで真新しい館内を進んでいると、限られたスペースを上手く工夫しながら各設備を配置しているような印象を受けました。
脱衣室にはロッカーがたくさん設けられており、しかも一つ一つのロッカーは縦長なので容量が比較的大きく使いやすいかと思います。またドライヤーもたくさん用意されているので、他人が終わるのを待つことなく髪を乾かすことができるでしょう。
新しいだけあってどこもかしこもピカピカでしたが、スタッフの方がこまめに清掃していらっしゃるので、その新しい輝きに磨きをかけているようでした。
なお建物は3階建てで、3階には休憩ゾーンが設けられており、近年のスーパー銭湯と同様に漫画の蔵書多く、お座敷でみなさん横になっていました。
浴場の様子については、文章のみで説明させていただきます。また、私が実際に利用した男湯の説明となります。
悪しからずご了承ください。
お風呂は内湯のみで露天風呂はありません。脱衣室から浴室に入り、サウナ、そして垢擦りルームの間を抜けると、右手に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付きカランが11基並んでおり、さすがに新しい施設なのでシャワーからの吐出圧力は良好でした。なお洗い場に用意されているアメニティ類は、「アロマドール(ダージリンティー)」という名前の、良い香りがするちょっとクオリティの高そうなものでした。
洗い場の向かいには、区内初の大深度掘削により揚湯した温泉を張る主浴槽(温泉風呂)が据えられています。大きなL字形をしたタイル張りで、湯加減はぬるめにセッティングされており、私の体感で38~40℃だったように記憶しています。後述しますが、こちらのお湯は非常に塩辛いタイプの食塩泉であり、一般的な湯加減にしてしまうとすぐ逆上せてしまうため、このようにぬるめに調整してくれると、体への負担を重くすることなく湯あみできるんです。長湯仕様のおかげで実に心地良く入浴できました。
この温泉浴槽で面白いのは、10~15分ごとに湯口から非加温の生源泉と思しきお湯を投入していることです。浴槽のお湯は加温循環されているのですが、これだけではなく、間欠的に源泉と思われるお湯を投入し、お湯の鮮度を向上させているのです。分析表によれば湧出時のお湯は35℃だそうですから、そのまま湯口まで導かれたらそこそこの温度が維持されているはずですが、メタンガスを多く含む東京湾岸の化石海水型温泉ですからどうしてもガス抜きを行わなければならず、またお湯の量も限られているために一旦貯湯槽でストックする必要があり、湯口から出てくる源泉(と思しきお湯)は水道水並みに冷たいものでした。でも、浴槽内では循環された熱い加温湯が投入されているわけで、この非加温湯の投入により上述のような入りやすいぬるめの湯加減になっているのでした。
主浴槽の隣にある3人サイズの小浴槽には熱い温泉が張られており、私の体感で43℃前後だったかと思うのですが、こちらにも主浴槽と同じく間歇的に非加温の源泉が投入されていました。
なお、露天風呂は無いものの「外気浴」と称する小さな空間が設けられており、鎧戸越しに入ってくる外気をデッキチェアーで横になりながら全身に受け、これによってクールダウンを図ります。この空間には天井扇風機が回っており、外気によるクールダウンを補助していました。
こちらのお風呂で、実は温泉以上にプッシュしているのではないかと思われたのがサウナです。一見すると普通のこじんまりしたサウナなのですが、定時にロウリュウのサービスが実施され、ちょうど私が入浴した時もその実施時間がやってきて、浴室内のおじさんやお兄さんたちが「待ってました」と言わんばかりに続々とサウナへ入っていったのでした。
またサウナに関連してこの施設の特徴のひとつになっているのがサウナの隣にある水風呂です。施設側の説明によると、何と関東地方で最も深い水風呂なんだそうで、実際に入ってみますと、身長165cmの私が完全に沈んでしまうほど深く、しかも井戸水を使っているのでとっても冷たいのです。冷たいので回転が早く、皆さん早々に出ていきます。深いので溺れないよう注意してくださいね。この水風呂は上述の外気浴と並んでクールダウンに役立つ施設であり、ロウリュウが人気なサウナで熱くなったり、あるいは強食塩泉のお風呂で逆上せかかった体を、こうしたクールダウン設備によってしっかり冷ますことができるのは有難いところです。
更に面白いのが、水風呂と温泉風呂の間に挟まれた炭酸風呂。最近は多くのスーパー銭湯でも炭酸風呂を見かけますが、こちらのはひと味違うのです。と申しますのも、6~7人サイズの浴槽に張られた真湯に炭酸ガスが溶かされているのですが、炭酸ガスが溶けやすいようお湯がかなりぬるめにセッティングされており、その温度を活かしているのか、炭酸の濃度がかなり濃いのです。他の施設ではなかなかお目に掛かれない濃さの炭酸であり、実際に入ってみますと、忽ち全身が泡だらけになり、肌の表面でパチパチ弾けるのでした。
さて肝心のお湯に関するインプレッションについて述べましょう。間歇的に湯口から吐出される非加温の生源泉と思しきお湯は無色透明に見えますが、浴槽のお湯は薄く緑色を帯びた暗めの黄色で、例えて表現すれば濃く淹れたジャスミンティーみたいな色をしています。分析表によれば、ヨウ素や臭素が相当多く含まれているはずなのですが、しっかり抜いているのか、あるいは私が鈍感だからか、あまり感じられませんでした。またこの手の化石海水には鉄分などの金気も多く多く含まれているはずですが、やはりあまり伝わってきませんでした。ストックの段階でしっかり取り除かれているのでしょうか。でも非常に塩辛く、食塩泉らしいツルスベの滑らか浴感もしっかり肌に伝わってきます。また、強食塩泉ですから、たとえぬるいお湯に浸かっていても、パワフルどころか凶暴なまでに温浴効果が発揮され、湯上がり後は汗がいつまでも引きませんでした。あまり温泉に長湯せず、適度に水風呂へ入るなどクールダウンを図りつつ、お風呂から上がるときには上がり湯を掛けるなどして、しっかり火照り対策をとりましょう。
退館時、フロントでバーコード付きリストバンドキーを返却し、利用料金を精算します。支払いにはクレジットカードが使えます。建物から出て、裏手の駐車場を覗いてみると、そのの一角に源泉施設と思しきものがありました。京浜地区の温泉・鉱泉といえば黒湯が有名ですが、当然ながら目の前には東京湾が広がっており、地下深くには古東京湾の化石海水が眠っているわけですから、深く掘削すれば高確率でこのような強食塩泉が湧出するのでしょうね。
そういえば、退館時に、ロッカーの番号がその日の抽選番号と同じ(つまり抽選に当たった)ということで、上画像の手拭いをいただき、施設の方と記念撮影しちゃいました。どうやら施設のツイッターアカウントでその写真が掲載されたようです。興味がある方はご覧あれ(3月下旬の投稿かと思います)。
冒頭で路線バスの方がはるかに便利と申し上げました。この施設の目の前には「川24系統」の「臨港中学校前」バス停があるんです。川崎駅から出る「川24系統」のバスは本数が多いので、私のように南武線浜川崎支線ではなく、路線バスの利用を強くおすすめします。
川崎朝日湯温泉
含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉 35.0℃ pH7.44 蒸発残留物25.86g/kg 成分総計25.80g/kg
Na+:8825.0mg, NH4+:101.3mg, Mg++:218.0mg, Ca++:400.0mg, Fe++:9.5mg,
Cl-:15250.0mg, Br-:70.1mg, I-:23.6mg, HCO3-:458.2mg,
H2SiO3:137.6mg, HBO2:10.5mg, CO2:21.6mg,
(平成29年4月26日)
加水あり(温泉供給量が不足した場合)
加温あり(入浴に適した温度に保つため)
循環あり(衛生管理のため)
消毒あり(衛生管理のため)
川崎市川崎区鋼管通3-1-2
044-333-4126
ホームページ
10:00~23:00(受付終了22:00) 毎週水曜定休
平日1540円(5時間) 土休日1760円(5時間) (別途入湯税150円)
料金にはレンタルタオル(大小1枚ずつ)が含まれています
私の好み:★★
今回ご紹介するのは、2021年3月にオープンした川崎市川崎区の「朝日湯源泉ゆいる」です。私は開業した同じ月の下旬に訪問しました。前回記事では「新規開業やプレオープンなどという言葉にあまり心が躍ら」ないと豪語しちゃいましたが、昨年も今年も新規開業の温泉施設を何軒も訪問していますので、なんだかんだ言って所詮はミーハーな人間なのかもしれません。
まずは尻手駅から南武線浜川崎支線に乗車します。川崎から立川を結ぶ南武線は、データイムの場合で1時間に各停6本と快速2本が運転されていますが、尻手と浜川崎の間を2両編成の電車が行き来する浜川崎支線は、大都市圏にもかかわらず、1時間に2本程度しか運転されないので大変不便。川崎市臨港地区の貴重な公共交通機関であるはずですが、あまりに不便なため、このエリアの方はほとんどが川崎駅から路線バスを利用しています。この記事の後半でお伝えしますが、今回取り上げる「朝日湯源泉ゆいる」へ公共交通機関でアクセスする場合も、実は川崎駅から路線バスを利用した方がはるかに便利です。
週末の日中だからか、2両編成だというのに車内はガラガラ。その一方で、乗客の絶対数が少ないにもかかわらず、昼間から車内で缶酎ハイを飲む乗客が複数名いらっしゃり(しかも男女問わず)、この地域のカラーが良く現れているように思います。全線乗り通しても10分かからないのに、それすら我慢できずにアルコールを口にしてしまうのですから、余程なんでしょうね。そんな左党に驚きながら、車窓に工場が広がり、貨物用の線路が輻輳し始めると、終点浜川崎駅に到着。
浜川崎駅からあまり雰囲気の良くない歩道を進んで貨物線を潜り、バスの車庫を左に見ながら、産業道路を横断して、広い道をしばらく歩くと、今回の目的地「朝日湯源泉ゆいる」に到着です。
以前は臨港地区の住宅街で営業する一軒の銭湯でしたが、一旦閉館した後、川崎区では初となる大深度掘削により温泉を掘り当てて、温泉入浴施設としてリニューアルオープンしたんだそうです。
リニューアルした朝日湯は、以前のような地域庶民の生活に根差す銭湯というより、温泉やサウナで体を温めながら館内でゆっくり過ごすことを目的としたリラクゼーション施設と称すべき営業スタイルへ変貌しています。それゆえ、料金設定は物価統制令に依らない少々高めの設定となっており、それを知らずにいきなり訪ねると、その料金設定に面食らうかもしれません。
まず館内に入り、下駄箱の鍵をフロントに預けます。番台ではなくフロントというカタカナ表記が相応しい雰囲気です。下駄箱の鍵と引き換えに、精算用バーコードが付いたロッカーキーと、大小1枚ずつのレンタルタオルを受け取ります。なお館内着の用意もあるのですが、こちらは別料金です。
1階にはフロントとレストランが設けられています。上画像はレストランの様子。お風呂上がりに館内着姿でビールを飲みながら寛ぐお客さんの姿も見られました。銭湯らしくないその光景から察するに、早くも施設側の目論見通りに利用されているようです。
浴場は2階ですので、エレベーターか階段で2階に上がります。玄関から2階浴場まで真新しい館内を進んでいると、限られたスペースを上手く工夫しながら各設備を配置しているような印象を受けました。
脱衣室にはロッカーがたくさん設けられており、しかも一つ一つのロッカーは縦長なので容量が比較的大きく使いやすいかと思います。またドライヤーもたくさん用意されているので、他人が終わるのを待つことなく髪を乾かすことができるでしょう。
新しいだけあってどこもかしこもピカピカでしたが、スタッフの方がこまめに清掃していらっしゃるので、その新しい輝きに磨きをかけているようでした。
なお建物は3階建てで、3階には休憩ゾーンが設けられており、近年のスーパー銭湯と同様に漫画の蔵書多く、お座敷でみなさん横になっていました。
浴場の様子については、文章のみで説明させていただきます。また、私が実際に利用した男湯の説明となります。
悪しからずご了承ください。
お風呂は内湯のみで露天風呂はありません。脱衣室から浴室に入り、サウナ、そして垢擦りルームの間を抜けると、右手に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付きカランが11基並んでおり、さすがに新しい施設なのでシャワーからの吐出圧力は良好でした。なお洗い場に用意されているアメニティ類は、「アロマドール(ダージリンティー)」という名前の、良い香りがするちょっとクオリティの高そうなものでした。
洗い場の向かいには、区内初の大深度掘削により揚湯した温泉を張る主浴槽(温泉風呂)が据えられています。大きなL字形をしたタイル張りで、湯加減はぬるめにセッティングされており、私の体感で38~40℃だったように記憶しています。後述しますが、こちらのお湯は非常に塩辛いタイプの食塩泉であり、一般的な湯加減にしてしまうとすぐ逆上せてしまうため、このようにぬるめに調整してくれると、体への負担を重くすることなく湯あみできるんです。長湯仕様のおかげで実に心地良く入浴できました。
この温泉浴槽で面白いのは、10~15分ごとに湯口から非加温の生源泉と思しきお湯を投入していることです。浴槽のお湯は加温循環されているのですが、これだけではなく、間欠的に源泉と思われるお湯を投入し、お湯の鮮度を向上させているのです。分析表によれば湧出時のお湯は35℃だそうですから、そのまま湯口まで導かれたらそこそこの温度が維持されているはずですが、メタンガスを多く含む東京湾岸の化石海水型温泉ですからどうしてもガス抜きを行わなければならず、またお湯の量も限られているために一旦貯湯槽でストックする必要があり、湯口から出てくる源泉(と思しきお湯)は水道水並みに冷たいものでした。でも、浴槽内では循環された熱い加温湯が投入されているわけで、この非加温湯の投入により上述のような入りやすいぬるめの湯加減になっているのでした。
主浴槽の隣にある3人サイズの小浴槽には熱い温泉が張られており、私の体感で43℃前後だったかと思うのですが、こちらにも主浴槽と同じく間歇的に非加温の源泉が投入されていました。
なお、露天風呂は無いものの「外気浴」と称する小さな空間が設けられており、鎧戸越しに入ってくる外気をデッキチェアーで横になりながら全身に受け、これによってクールダウンを図ります。この空間には天井扇風機が回っており、外気によるクールダウンを補助していました。
こちらのお風呂で、実は温泉以上にプッシュしているのではないかと思われたのがサウナです。一見すると普通のこじんまりしたサウナなのですが、定時にロウリュウのサービスが実施され、ちょうど私が入浴した時もその実施時間がやってきて、浴室内のおじさんやお兄さんたちが「待ってました」と言わんばかりに続々とサウナへ入っていったのでした。
またサウナに関連してこの施設の特徴のひとつになっているのがサウナの隣にある水風呂です。施設側の説明によると、何と関東地方で最も深い水風呂なんだそうで、実際に入ってみますと、身長165cmの私が完全に沈んでしまうほど深く、しかも井戸水を使っているのでとっても冷たいのです。冷たいので回転が早く、皆さん早々に出ていきます。深いので溺れないよう注意してくださいね。この水風呂は上述の外気浴と並んでクールダウンに役立つ施設であり、ロウリュウが人気なサウナで熱くなったり、あるいは強食塩泉のお風呂で逆上せかかった体を、こうしたクールダウン設備によってしっかり冷ますことができるのは有難いところです。
更に面白いのが、水風呂と温泉風呂の間に挟まれた炭酸風呂。最近は多くのスーパー銭湯でも炭酸風呂を見かけますが、こちらのはひと味違うのです。と申しますのも、6~7人サイズの浴槽に張られた真湯に炭酸ガスが溶かされているのですが、炭酸ガスが溶けやすいようお湯がかなりぬるめにセッティングされており、その温度を活かしているのか、炭酸の濃度がかなり濃いのです。他の施設ではなかなかお目に掛かれない濃さの炭酸であり、実際に入ってみますと、忽ち全身が泡だらけになり、肌の表面でパチパチ弾けるのでした。
さて肝心のお湯に関するインプレッションについて述べましょう。間歇的に湯口から吐出される非加温の生源泉と思しきお湯は無色透明に見えますが、浴槽のお湯は薄く緑色を帯びた暗めの黄色で、例えて表現すれば濃く淹れたジャスミンティーみたいな色をしています。分析表によれば、ヨウ素や臭素が相当多く含まれているはずなのですが、しっかり抜いているのか、あるいは私が鈍感だからか、あまり感じられませんでした。またこの手の化石海水には鉄分などの金気も多く多く含まれているはずですが、やはりあまり伝わってきませんでした。ストックの段階でしっかり取り除かれているのでしょうか。でも非常に塩辛く、食塩泉らしいツルスベの滑らか浴感もしっかり肌に伝わってきます。また、強食塩泉ですから、たとえぬるいお湯に浸かっていても、パワフルどころか凶暴なまでに温浴効果が発揮され、湯上がり後は汗がいつまでも引きませんでした。あまり温泉に長湯せず、適度に水風呂へ入るなどクールダウンを図りつつ、お風呂から上がるときには上がり湯を掛けるなどして、しっかり火照り対策をとりましょう。
退館時、フロントでバーコード付きリストバンドキーを返却し、利用料金を精算します。支払いにはクレジットカードが使えます。建物から出て、裏手の駐車場を覗いてみると、そのの一角に源泉施設と思しきものがありました。京浜地区の温泉・鉱泉といえば黒湯が有名ですが、当然ながら目の前には東京湾が広がっており、地下深くには古東京湾の化石海水が眠っているわけですから、深く掘削すれば高確率でこのような強食塩泉が湧出するのでしょうね。
そういえば、退館時に、ロッカーの番号がその日の抽選番号と同じ(つまり抽選に当たった)ということで、上画像の手拭いをいただき、施設の方と記念撮影しちゃいました。どうやら施設のツイッターアカウントでその写真が掲載されたようです。興味がある方はご覧あれ(3月下旬の投稿かと思います)。
冒頭で路線バスの方がはるかに便利と申し上げました。この施設の目の前には「川24系統」の「臨港中学校前」バス停があるんです。川崎駅から出る「川24系統」のバスは本数が多いので、私のように南武線浜川崎支線ではなく、路線バスの利用を強くおすすめします。
川崎朝日湯温泉
含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉 35.0℃ pH7.44 蒸発残留物25.86g/kg 成分総計25.80g/kg
Na+:8825.0mg, NH4+:101.3mg, Mg++:218.0mg, Ca++:400.0mg, Fe++:9.5mg,
Cl-:15250.0mg, Br-:70.1mg, I-:23.6mg, HCO3-:458.2mg,
H2SiO3:137.6mg, HBO2:10.5mg, CO2:21.6mg,
(平成29年4月26日)
加水あり(温泉供給量が不足した場合)
加温あり(入浴に適した温度に保つため)
循環あり(衛生管理のため)
消毒あり(衛生管理のため)
川崎市川崎区鋼管通3-1-2
044-333-4126
ホームページ
10:00~23:00(受付終了22:00) 毎週水曜定休
平日1540円(5時間) 土休日1760円(5時間) (別途入湯税150円)
料金にはレンタルタオル(大小1枚ずつ)が含まれています
私の好み:★★