温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

鶴岡北京田温泉 SUIDEN TERRASSE その1(客室等)

2022年10月19日 | 山形県

(2021年12月訪問)
相変わらず1年前の訪問記をブログの記事にするタイムリー性の無さに、我ながら呆れかえっておりますが、もしよろしければ引き続きお付き合いください。
2021年の年末に、山形県庄内地方で最近人気を集める「SUIDEN TERRASSE」で2泊利用してまいりました。


東京から庄内地方へ向かう場合は、飛行機のほか、山形新幹線で新庄へ出てそこから陸羽西線に乗り換えるルートか、あるいは上越新幹線で新潟へ出てそこから羽越本線で北上するといったルートが考えられますが、今回は後者のルートを選択し、新潟から鶴岡まで「特急いなほ」に乗車しました。かつて常磐線を疾走していたE653系は、いまや羽越本線へ活躍の場を移して日々日本海の潮風を受けているわけですね。

なおホテルは鶴岡駅から北西へ約2kmほどの場所にあるのですが、公共交通機関での移動は難しく、またホテルの送迎車も無いため、駅からはタクシーを利用するのが一般的のようです。私たちは旅程の関係で、鶴岡駅前でレンタカーを借りてから現地へ向かいました。


ホテル名からも推測できるように、事前に得た情報では水田に浮かぶような姿が印象的なんだそうですが、当然ながらそれは夏の話であり、冬は銀世界に覆われるばかりです。でも全体的なデザイン性が高いためにモノトーンな景色の中でも存在感が強く、アプローチからしてスタイリッシュ。それでいて周囲の景色に違和感なく溶け込む感じが素晴らしいところです。


1階エントランスからエスカレーターで2階ロビーへとあがります。年末に利用したため、エスカレーターの両脇には松飾が施されていました。画像の右上には行列が見切れていますが、これはフロントの前でチェックインを待つ人の列です。年末の繁忙期に利用したので、多くのお客さんが利用していたようです。


木材や暖色系の間接照明を多用した、いかにも現代的なデザインの館内からは、優しさとぬくもりが伝わってきます。このホテルは著名な建築家の方が設計したんだそうですが、私は建築方面に疎いので、知ったかぶりを避けるためにも余計な情報は掲載せず、今回の記事では見たまま感じたままを書いてまいります。


受付棟の2階奥にはレストランがあり、夕食や朝食の他、日中はカフェとしても利用可能。
ということは館内で夜と朝の食事が完結できてしまうわけだ…。私たちはそう考えていたのですが、繁忙期のレストラン利用はそんなに甘くなかったのです。詳しくは次回記事にて。


晴耕雨読というコンセプトなのか、館内にはライブラリが2箇所あり、うち1箇所はフロントの奥に設けられています。こちらの本棚には自然、山形、食、暮らし、子供などといった10のテーマに沿った約1000冊が並んでおり、蔵書は自由に閲覧できます。もう1箇所のライブラリについては次回記事にて。


建物は複数の棟から成り立っており、それぞれが連絡通路で結ばれています。
こちらが我々の客室です。木材のぬくもりと柔らかい照明が心地よく、シンプルながらも広くて快適です。テレビ・エアコン・空気清浄機・Wifiを完備。またお部屋にはタブレットが1台用意されており、館内説明の他、周辺の観光案内やフロントとの連絡に用います。


「スイデンテラス」という名前の通り、窓からは庄内平野の水田を一望。真っ白な田んぼの上を白鳥が飛翔する光景も目にできました。


もちろん室内にはバストイレ(お風呂は非温泉)がついていますよ。


私がこのホテルでユニークだと思ったのが、館内で採用されている素材です。上述のように随所で木材を多用することにより周辺環境との調和を図っているのですが、ベッドやイスなどの一部には紙管が使われているのです。紙管の採用は、このホテルを設計した建築家坂茂さんが手がけた作品の特徴なんだそうで、なぜ紙管を用いるのかについての説明は氏のwikipediaなどでご確認いただきたいのですが、このホテルで私が接した感想としては、決して簡素なわけではなく、寧ろきちっと役割を果たし、かつ見た目にも優しく、おそらく廃棄後の環境問題にも配慮しているかと思われます。安藤忠雄氏といえばコンクリ打ちっぱなしであるならば、坂茂さんは紙管なのかもしれませんが、今後は氏が関係する建築物のみならず、いろんなシーンで紙管が多用されたら、それこそ持続可能性という現代の課題に対する光明の一筋が見いだせるのかもしれません。

さて、次回記事では館内の食事などを取り上げます。

次回に続く。
コメント
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