温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

養老温泉 ゆせんの里 ホテルなでしこ 前半「紫雲の湯」

2021年03月05日 | 岐阜県
(2020年2月訪問)
一見すると温泉資源が乏しそうな濃尾平野にも、よく調べるとなかなか良質な温泉が点在しており、意外なところで意外な良泉に出会えるといつも以上に嬉しいものです。今回はそんな濃尾平野の西の端、ちょうど平野が養老山地に当たって尽きる辺りに湧く、岐阜県養老町の養老温泉を訪ねます。


養老山地の麓、濃尾平野の西端に位置する養老温泉は、日帰り温泉浴場とホテルが別棟ながら一体的になっている、なかなか規模の大きな施設です。上画像は日帰り温泉施設「ゆせんの里」の玄関ですが・・・


今回は宿泊で利用したため、その裏手にある「ホテルなでしこ」へ廻り、ホテルのエントランスから中へとお邪魔しました。


てっきり客室はフロントやお風呂などがある建物に含まれているのかと思いきや、チェックイン時に説明を受けた客室の場所は、建物の裏手から一旦屋外に出て、中庭を囲むように建ち並ぶメゾネット形式の宿泊棟群でした。一見小洒落ているのですが、まだ朝晩強く冷え込む2月下旬に利用したため、お風呂や朝食で本館へ移動する際には、その都度寒い思いをしてチョッピリ辛かったかも…。

なお客室は南欧をイメージしているそうですが、基本的には普通のホテルそのものであり、快適に過ごすことができました。強いて言えばベッドがちょっと狭かったかも。なお室内にはユニットバスが設置されていますが、水栓から出て来るのはごく普通のお湯ですから、温泉に入りたければ温泉浴場へ移動しましょう。

さて養老温泉には大浴場「みのり乃湯」、内風呂「紫雲の湯」、貸切風呂という3種類のお風呂があるのですが、このうち大浴場「みのり乃湯」、内風呂「紫雲の湯」を利用しましたので、この2浴場についてレポートします。

●紫雲の湯
日帰り入浴客は大浴場「みのり乃湯」を使うことになるかと思いますが、追加料金を支払うことで別棟「温熱療法館」の温浴施設も利用可能になります。具体的には韓国でおなじみのチムジルバンと内風呂「紫雲の湯」です。宿泊客はこうした「温熱療法館」の施設が追加料金不要で利用することができるのですが、チェックインの時間が遅く、チムジルバンの営業時間に間に合わなかったため、今回記事では「紫雲の湯」のみを取り上げます。


上述のように日帰り入浴客が「紫雲の湯」に入る場合は、入館料に加えて所定の追加料金を支払い、連絡通路を進んで「温熱療法館」の2階へ上がります。一方、宿泊客はホテルのフロントで脱衣室のロッカーキーを受け取った上で、同じく「温熱療法館」の2階へ上がります。


脱衣室には「全て源泉かけ流しでございます」という嬉しい文言が掲示されていました。


「紫雲の湯」は男女別の内湯のみ。男湯の場合、浴室に入って左手に洗い場が配置され、右手に浴槽が据えられていいます。また出入口付近にはサウナや立って使うシャワーも設けられています。洗い場にはシャワーが7基並び、それぞれ曇りガラスの仕切り板で区切られています。隣客との干渉を気にせず使えるので良いですね。もちろんボディーソープなどのアメニティ類は完備されています。

浴槽は(目測で)2m×4.5mの長方形で、浴槽内はタイル張りですが縁には太い木材が採用されています。質実剛健な浴槽ながら木材を用いることで見た目と感触の両面でぬくもりや優しさをもたらしています。


私が利用した時、湯口からの投入は絞られていたのですが、その代わり底面から温泉が供給されており、窓側に設けられた縁の切り欠けよりしっかりオーバーフローしていました。
浴槽に張られたお湯は深緑色を帯びながら黄土色に濁っており、比較的濃い塩味と苦汁味、そして鉄錆系の金気味や匂いが感じられました。いわゆる化石海水型の温泉ですね。湯中では食塩泉的なツルスベ浴感とキシキシ引っかかる浴感が拮抗して肌に伝わってきました。湯加減はちょうど良い具合に調整されていましたが、さすがに塩分を多く含む温泉だけあり、湯上り後はいつまでもホコホコと温浴効果が持続しました。
なお館内表示によれば加温加水消毒が行われているようですが、消毒に関しては特に気になりませんでした。

さて、次回記事では露天風呂を擁する大浴場「みのり乃湯」を取り上げます。

次回に続く
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蒲郡市 ラグーナの湯

2021年03月01日 | 愛知県
※残念ながら2021年3月末で閉館します。


前回記事では蒲郡市の複合リゾート施設内にある「ホテルラグーナヒル」に泊まり、その客室内にあるユニットバスで自家源泉の温泉に入ったことをご紹介しました。ホテルに隣接する日帰り温泉施設「ラグーナの湯」は自家源泉を有しており、その一部がホテルの客室に供給されているんですね。今回記事では湯元と称すべき「ラグーナの湯」に入ったときのことを書き綴ります。「ホテルラグーナヒル」の宿泊客は無料で利用することができるのです。客室のお風呂は気兼ねなく、しかも放流式のお湯を楽しめるのですが、せっかくでしたら大きなお風呂で足を伸ばして湯あみしたいものです。そこで、リゾート施設内で夕ご飯を食べ、シャトルバスでホテルへ戻ってから、この「ラグーナの湯」を訪ねてみました。

リゾート内の各施設に比べてかなり小さい造りをしているため、うっかりすると見落とすかも。控えめな玄関から館内に入り、受付カウンターでスタッフの方に宿泊している旨を告げると、笑顔で手際よくレンタルタオルのセットを手渡してくれました。なお一般入浴の料金にもバスタオルとフェイスタオルの貸与が含まれていますので、お金さえ用意すれば手ぶらでお風呂に入れます。


内湯はヨットハーバーを一望するロケーション。大きな窓に面して主浴槽が据えられています。その窓からは、日中なら三河湾の彼方に渥美半島が、夜間はラグーナテンボスの観覧車が眺められるでしょう。湯加減もちょうどよく、のんびりゆったり浸かることができました。
なお、窓(海)と反対側に位置している洗い場にはシャワー付きが6つ設けられており、シャンプー等のアメニティもしっかり用意されています。


内湯の奥にあるドアから屋外に出ると、コンパクトな露天風呂がお出迎え。もちろんこの露天からも眺望を楽しめますが、左右の視界が狭められているため、思いのほか開放感は今一つなのですが、でも潮風を体に受けながらの湯あみは実に気持ちよく、お湯で火照った体をクールダウンさせるにも最適です。なお私の訪問時、露天風呂の湯加減は内湯よりも熱めにセッティングされていました。潮風の影響で温度が下がりやすいのでしょうね。


こちらで使われているお湯は前回記事で紹介した「ラグーナの湯」源泉。館内表示によれば、加水されていないらしく、たしかに内湯・露天とも浴槽にはしょっぱいお湯が張られています。しかしながら加温はもちろんのこと、濾過・消毒は行われており、各浴槽から消毒臭がしっかり感じられたのが残念なところ。限られた資源を有効活用するには仕方ありません。お湯の見た目は無色透明で湯の華などの浮遊は見られません。循環されているとはいえ、しょっぱいお湯ですからパワフルに温まります。迂闊に長湯すると逆上せてしまいますので要注意です。

さて前回記事でも触れましたが、この「ラグーナの湯」と「ホテルラグーナヒル」、そしてホテルに付属するタラソテラピー施設は、残念ながら2021年3月末を以て閉館してしまいます。施設の方や愛好なさっている常連の方々には申し訳ないのですが、正直なところ(私の感覚では)宿泊者特典が無ければ利用を躊躇した浴場であり、手ぶらで利用できるとはいえ、広さやお湯の質を考えると1050円という料金設定は少々高いように思うのですが、でも閉館まであと1ヶ月を切ってしまい、今後再びこの源泉に入ることができるか全くわからないので、アーカイブとしての意味を込めまして、今回記事をアップさせていただきました。


ラグーナの湯
カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉 36.6℃ 溶存物質10.980g/kg 成分総計10.980g/kg
Na+:1702mg(38.33mval%), Ca++:2369mg(61.20mval%),
Cl-:6315mg(94.39mval%), Br-:20.8mg, I-0.5mg, SO4--:471.7mg(5.20mval%),
H2SiO3:25.2mg, HBO2:14.3mg,
(平成24年11月29日)
加水無し
加温・循環・ろ過・消毒あり

愛知県蒲郡市海陽町2-8
0570-097-117
ホームページ

※残念ながら2021年3月末で閉館します。
7:00~22:30
1050円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★+0.5

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